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更新日:2018.02.22グルメラボ

京町家のしつらえを残した風情あふれる空間で、正統派フレンチを【à peu près】

フランスの名店で腕を磨いた女性シェフが、界隈でも希少な京町家をリノベートしてオープンした【フランス料理店 ア プ プレ】。現地の郷土料理をはじめ、シンプルに素材の持ち味を生かした本場仕込みの一品を気軽に楽しめます。心和む空間と抜群のコストパフォーマンスが女性に人気の一軒です。

京町家のしつらえを残した風情あふれる空間で、正統派フレンチを【à peu près】

築約100年の町家を生かした隠れ家フレンチ

    ふすまや床の間など、町家の趣をほぼそのまま残す店内

    ふすまや床の間など、町家の趣をほぼそのまま残す店内

 繁華街からは少し離れた住宅街で目を引く、年季を感じさせる京町家。築100年を超えるこの建物を生かして、2007年にレストランをオープンしたのが、オーナーシェフの竹村瑞穂さん。

「当初から町家でお店をと考えていました」と、10年以上空き家だった建物を改装。奥行きの深い店内は、縁側のある居間にテーブルを配し、入口から裏に続く走り庭をキッチンに。町家独特の構造とかつての暮らしの面影をほぼそのままに残した空間は、京都でも今や貴重な存在です。

丁寧な仕事で伝統的なフレンチの魅力を提案

    夜のコースの主菜『仔羊背肉のロティ・ジュダニョのソース』。コースは3,500円(税込)~、メニューは月替りコースのみ(要予約)

    夜のコースの主菜『仔羊背肉のロティ・ジュダニョのソース』。コースは3,500円(税込)~、メニューは月替りコースのみ(要予約)

 お店の雰囲気こそ和の趣が漂いますが、メニューは本場仕込みの王道フレンチ。ディジョンの一ツ星レストランをはじめ、パリやリヨンなどフランス各地で5年間の修業を積んだ実力派です。帰国後、フランスと同じ古い街並が残る京都で開いた店では、奇を衒わず、現地に根づいた伝統的な一品を中心に提案。定番の前菜、サーモンマリネのサラダは、パイ生地に乗せてフィユテ仕立てに。仔羊背肉のロティには、羊の骨から取った旨みを凝縮したソースに、柑橘の香りを加えてさっぱりと。シンプルながら、素材の味を丁寧に引き出した滋味深い味わいが印象的です。

 時季によっては、修業先のブルゴーニュ地方の名物・エスカルゴやブッフ・ブルギニョン(牛肉の煮込み)といった郷土料理や、丹波産の鹿肉などのジビエが登場することも。ワインもフランス・ブルゴーニュの銘柄を中心に、赤・白併せて40種と多彩にセレクト。料理とのマリアージュで、より“フランスの味”を感じることができます。

「フレンチをもっと気軽に」の思いを店名に込めて

    盛り付けも華やかな前菜のサーモンマリネのサラダのフィユテ

    盛り付けも華やかな前菜のサーモンマリネのサラダのフィユテ

 肉や魚の絶妙な火入れや丁寧に素材の旨味を引き出したソースなど、竹村さんが現地での修業で培ったメニューは、まさに正統派フレンチと呼べる一品揃い。とはいえ、「ルールやマナーにとらわれず、普段使いで楽しんでもらいたい」と竹村さん。

 ランチコースは、主菜1品とアミューズ、前菜、スープ、デザート、ドリンクもセットになって2,900円(税込)とグッとリーズナブルに。ディナーも前菜2+主菜1、主菜のみ3品など、組合せが選べるのが、あれこれ食べたい女性客に好評です。オプションで前菜や主菜の追加もできるので、気分に合わせて好みのコースで楽しめるのもうれしいですね。

 店名のà peu prèsは、フランス語で「おおよそ」「だいたい」の意。もっと身近にフレンチに親しんでもらいたいという思いが込められた隠れ家的なプチレストラン。町家の趣をそのまま残す空間で、ゆったりと楽しみたい一軒です。

    町家独特の構造が生かして、土間の走り庭はキッチンに改装

    町家独特の構造が生かして、土間の走り庭はキッチンに改装

【フランス料理店 à peu près (ア プ プレ) 】

電話:075-361-3231
住所:京都市下京区銭屋町249
アクセス:京都市営地下鉄五条駅から歩5分
営業時間:11:30~15:00(L.O.13:00)、18:30~22:00(L.O.20:00)
定休日:日曜、月曜

この記事を作った人

文/田中慶一(フリーライター)

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