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六本木の【日本料理 龍吟】にミシュランの星が16個輝いた、贅沢な一夜を独占レポート

2003年12月23日。六本木にて産声をあげた【龍吟】は今年で15年目を迎え、明日、2018年8月21日より日比谷へ移転オープンする。その節目に何とも贅沢な宴、【龍吟】の卒業生による「最後の晩餐」が開かれた。名だたるシェフが国内外から集まり繰り広げられたスペシャルディナーをWEBメディアとしてはヒトサラが独占取材。そのめくるめく一夜を紹介しよう。

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オーナーシェフ、山本征治氏が仲間とともに築き上げた、【龍吟】の世界

 山本氏は、1970年香川県生まれ。 四国調理師専門学校(現KISS調理技術専門学校)を卒業後、料亭・ホテルなどでの修行を経て、2003年12月、六本木に【龍吟】をオープンした。

 2004年11月、スペインのサンセバスチャンの料理学会に日本代表として参画以来、国内外の数々の料理学会にて日本料理の技術を発表するなど海外へその見識を積極的に発信してきた。「ミシュランガイド」では7年連続で三ツ星として掲載される。さらに2018年「世界のベストレストラン50」では第41位にランクインし、また、フランスの食専門誌「LE CHEF」主催「世界のシェフ100人」では、4年連続の世界トップ10入りを果たす。革新的な技術を巧みに操り、日本の豊かさを世界に発信しつづける、トップシェフの一人だ。

 六本木での営業を終えた翌々日、そんな山本氏の下で修業を積み、世界へ羽ばたいていった名だたるシェフたちが一同に集まり、六本木での15年間を振り返り、【龍吟】と縁の深い総勢24名のゲストをもてなすスペシャルディナーを開催したのだ。

司会を務めたのは、【銀座 小十】の奥田透氏

 この日、実は店主・山本氏から粋なサプライズが。それはゲストはもちろん、国内外から集まった卒業生シェフたちにも秘密だった司会者の存在だ。その人物は【小十】の奥田透氏。奥田氏は、山本氏と修行時代、苦楽を共にした親友だった。ここ六本木のお店をオープンする際に、「21世紀の日本料理をともに盛り上げよう」と契りを交わした奥田氏が、山本氏の想いを代弁するべく、共に歩んだ15年を語りながら、ディナーの進行をつとめたのだ。

 会はお互いに切磋琢磨した関係だからこそ知り得る、思いのこもった奥田氏のスピーチから始まった。この日の様子を山本氏の元に集まった豪華絢爛なシェフたちのメッセージとともに動画を制作。まずはこちらをご覧いただきたい。

六本木【日本料理 龍吟】で開かれた「最後の晩餐」

「最後の晩餐」は、2人のシェフがつくるアペリティフからスタート。山本シェフの思い出の料理、そして12名のシェフの渾身の一皿が続く

 この日、ゲストたちが堪能した、豪華な晩餐を順番に詳しく紹介しよう。

 アペリティフのアミューズを担当したのは、山本氏が十数年来の“ジャンルを越えた心腹の友”として日頃から親交の深い【Restaurant Ryuzu】の飯塚隆太シェフ、そしてこれまで数多く受け入れた海外からの研修生の一人、【ブルガリ イル・リストランテ ルカ・ファンティン】のルカ・ファンティンシェフだ。和と洋を融合した、彼らならではのメニューがこちら。

作:【Restaurant Ryuzu】飯塚 隆太

  • 左:『「黒トリュフ」の ケークサレ』右:『「トマトのエスプーマ」じゅん菜 旨味ジュレ』

 ほんのり香る絶妙な薄さにカットし、しっとりとしたケークサレにクレームラフネの濃厚なクリームに酸味を加えたバランスのとれた逸品。一方、右の写真は、秋田のじゅん菜に昆布塩水で味つけた、帆立貝柱とかつおの旨みたっぷりのジュレ。トマトの酸味、山椒でアクセントを加えた和のアミューズ。

作:【BVLGARI Il Ristorante Luca Fantin】ルカ・ファンティン

  • 『Luca's Amuse』

 カリカリのじゃが芋にアンチョビのクリームとマスの卵をマリネしたものに、塩と砂糖とオリーブオイルでシンプルに仕上げた素材の味が響く一品。右の写真は、お米でのタルトに、グリーンマスタードとパプリカのクリームソースをのせ、低温で火入れした鴨に、きゅうりと赤玉ねぎのタルタルソースを加えたシャンパンによく合うタルト。

「最後の晩餐」1品目は、オーナー山本氏の思い出の一品からはじまった

『2003.12.23の記憶・・・丸福吸』
作:【龍吟】 山本 征治

 これは【龍吟】創業当日、2003年12月23日の最初に出した思い出のメニュー。「真冬にわざわざ龍吟に来てくれたお客様をおもてなしするのに、何がいいかと考えた時に、河豚のヒレ酒のように身も心もあたたまるような料理を出したかった」と山本氏。すっぽんのだしが芳醇な香りの旨みを感じられる心あたたまるスープだ。

『ピータンうに豆腐』
作:【日本料理 祥雲龍吟】 稗田 良平

  • 2品目は、ピータンと、かつおだし、卵黄をつかった卵豆腐を合わせて寒天でかため、クリーミーな食感を演出。うにのクリーミーさと同じ食感を生み出した調和のとれたメニューだ。細かく刻んだきゅうりとネギ、最後に黒酢のアクセントを加えて。

『炭で炙った「真イワシ」のコカ』
作:【ZURRIOLA(スリオラ)】 本多 誠一

  • 3品目は、『炭で炙った「真イワシ」のコカ』。本多氏は、2007年から約1年半、山本氏の通訳兼助手としてスペインなどの料理学会を共に経験した。この料理は、修業時代に「焼き場」で山本氏と『鰯の握り』を提供していたことに想いを馳せたフィンガーフード。

『「チャイロマルハタ」と「蛤」のお椀』
作:【日本料理 祥雲龍吟】 稗田 良平

  • 4品目は、台湾では高級魚としてよく使われる「チャイロマルハタ」。食感がよく脂がのったふくよかな味わいが楽しめる魚にバジルオイルと蛤を合わせたお椀は、一見想像できない味だがこれがもう絶妙にマッチするのだ。つるむらさきの苦味がアクセントになり、とろりと舌に絡む逸品。

『「アワビ」のシヴェ』
作:【Ta Vie(旅)】佐藤 秀明

  • 5品目は、【龍吟】で通年親しまれているアワビを、パイとソースという古典的なフレンチの要素に日本的なエッセンス、アワビの肝とほうれん草を使った一皿。色合いや香りがよく、3年に一度の神の閃きだという自他共に認める、最近の大ヒットメニュー。

『軽く燻した「キャビア」のラビオリ』 
作:【ZURRIOLA(スリオラ)】 本多 誠一

  • 6品目は、ブドウの枝をいぶした香りの後にキャビアの塩気と風味が広がる【スリオラ】のスペシャリテ。味の輪郭が際立ち、この香りがソース代わりになるという本多氏。中には、ブロッコリーのクリーム。食感と香りを駆使した上品な一皿。

『脆皮甲魚鶏翅』
作:【茶禅華】川田 智也

  • 7品目は、【龍吟】で学んだすっぽんの炊き方と脆皮(ついぴ)というカリカリに仕上げる中華の技法で調理された手羽先だ。ナイフを入れた瞬間ジュワリと溢れ出るすっぽんの旨みが鶏肉に染みわたる。低温でじっくり揚げた長ネギの甘みとパリパリとした食感も楽しんで欲しい一品。

『「ブルーオマール」の ビスク仕立て』
作:【Restaurant Ryuzu】 飯塚 隆太

  • 8品目は、山本氏が店で使っている「天目茶碗」に美しく彩られたビスク。ブルーオマール海老という最上級のオマールに、通常使う香味野菜をあえて使わず、シンプルにオレンジの皮、トマト、ニンジン、そして生の米で濃度を出したピュアなスープに仕立てた。

『「甘鯛」の梅魚醤焼き』
作:【天空龍吟】 関 秀道

  • 見るも美しい鱗の立ち具合が際立つこちらの一品は、鱗のカリカリ感を極限まで引き出した一皿。シートで脱水した魚の鱗をひとつひとつ丁寧に立ち上げ、さらに皮側だけを揚げ、身はじっくりと温め、ふっくらと仕上げた。繊細な香ばしさに、海老の魚醤と梅のパウダーで酸味を加えた、丁寧で繊細な逸品だ。

『「仔羊」の 木の芽焼き 杉板にて…』
作:【龍吟 六本木本店】 坂本 慎吾

  • こちらは本邦初公開、山本氏のオリジナルナイフで楽しむメニュー。「仔羊のロースとかぶりを分けて火入れをし炭火で外側を薄く焦がしました。中のレア感とやわらかさ、ナイフを入れた瞬間の感触を味わってほしいですね。」と坂本氏。鹿児島産の大きな“せごどんオクラ”も印象的な一皿。

『spaghetti monograo felicetti with clams』
作:【BVLGARI Il Ristorante Luca Fantin】ルカ・ファンティン

  • 11品目は、アペリティフでアミューズを2品つくったルカ氏のメニュー。研修生として、ここで学んだ素材への敬意を表現。蛤のだしをとり、身をピューレにして合わせ、少しだけ火入れしたものをパスタに絡めた蛤の旨みを存分に味わえる料理だ。

『盛夏 「鱧と早松」…極上の おじや』
作:【龍吟 六本木本店】 小澤 武夫

  • 12品目は、【龍吟】立ち上げメンバーであり、一番印象に残っている鱧料理を。鱧をレントゲンで検証し最適な骨きりの方法を海外へ発信するなど、徹底したこだわりがみえる一皿。鱧しゃぶのだしの旨み、早松茸の食感、青柚子の香りをアクセントにした贅沢の極みのおじや。「うずらを絡めながら、究極のおじやを存分に楽しんで欲しい。」と小澤氏。

『開水雉清湯麺』
作:【茶禅華】川田 智也

  • 13品目は、雉(きじ)のクリアなスープ。香りもよくふくよかで上品な味わいだ。日本料理の修業を通じて、だしの取り方次第でこんなにクリアで滋味深くて奥行きが出るのかと衝撃を受けた経験から生まれた、川田シェフのスペシャリテ。途中、蟹のXO醤を入れることで蟹の旨みが重なり、コクが出て食感も味わいも広がる逸品。

『「湯葉」と「白牡丹茶」』
作:【天空龍吟】 関 秀道

  • 極薄の湯葉は和三盆のやさしい甘みが広がり、汲み上げ湯葉のもちもちの食感に微発酵した白牡丹茶のムースが合わさった、芳醇な香りが鼻孔を刺激する珠玉のデザート。過去にペアリングで使った白牡丹茶に青笹で香りづけしたらおいしくなるのでは、と閃いた一皿だ。

『「メロン」ショートケーキ』
作:【Ta Vie(旅)】佐藤 秀明

  • トリを飾るのは、メロンを丸ごと使った何とも贅沢なバースデーケーキ。山本氏のお誕生日の前日という日にぴったりなケーキを考案。メロンの中はハーバルな甘い香りが広がるアニス酒を含んだスポンジに相性の良いメロンジュースをたっぷり含ませ、生クリームと飴細工で仕上げた華やかなアートのようだ。

 会の終盤のころ、0時を回り、山本氏は仲間達とともに誕生日を向かえた。

 これまでの日々やこれからの【龍吟】について想いを語り、つくり手と食べ手、スタッフとゲストが一体となった最後の晩餐は幕を閉じた。それとともに、2018年8月21日に、日比谷ミッドタウン7Fに移転後の【龍吟】の次なる挑戦に期待感が募る。


 

「最後の晩餐」を動画で見る

 
シェフの本音が聴けるラジオ『シェフズテーブル』ゲスト:山本征治シェフの回を聴く

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