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更新日:2017.02.27グルメラボ

立ち飲み酒場の殿堂で、粋な立ち飲みの流儀を学ぶ

立ち飲みの魅力といえば、ひとりでも手っ取り早く酔えて、しかも安上がりに済むこと。かまえて楽しむような場所ではないですが、ただ、そこには立ち飲みならではのちょっとしたルールがあるものです。“飲兵衛の秘密基地”と称される渋谷の名店でその極意を学びましょう。

立ち飲み酒場の殿堂で、粋な立ち飲みの流儀を学ぶ

渋谷のビル地下に広がる立ち飲み酒場の殿堂【富士屋本店】

理に適ったキャッシュオンデリバリー。明朗会計だから安心して飲める

 渋谷駅は西口を出て、国道246号を渡った桜丘町の一角。この地に創業して50年になるという【富士屋本店】は、言わずと知れた立ち飲み酒場の名店です。
 ビルの地下に広がる空間は、これぞ飲兵衛の隠れ家といった雰囲気で、厨房の周りをぐるりとカウンターが取り囲むつくり。そのカウンターの長さは総延長30m以上におよび、混雑時には100人以上の客が溢れかえるといいます。
 そんな立ち飲みの名店ですが、と同時にここは立ち飲みビギナーにもオススメしたい店でもあります。なぜなら、この店には立ち飲みのあらゆるルールが暗黙の了解として息づいているからです。

    地下には、入り口からは想像できないほどの広い立ち飲み空間が広がる

    地下には、入り口からは想像できないほどの広い立ち飲み空間が広がる

 その代表的なものが、立ち飲みではほとんどの店が採用しているであろうキャッシュオンデリバリーというシステム。これは帰り際に代金をまとめて支払うのではなく、料理と引き替えに代金をその都度支払うもの。
「いちいち面倒くさそう」と思われるかもしれませんが、カウンターにお金を置いておけば、スタッフが代金を取り、お釣りを置いてくれる店も多くあります。何より、客にとっては明朗会計であり、店側としてはツケや食い逃げなどの心配がないというメリットがあるのです。
 そのため、今日は少しだけ飲みたいと思った時、1000円だけ手元のカウンターに出しておくとよいでしょう。1000円がなくなればその日はお開き。それ以上飲みすぎることも、食べすぎることもありません。

    カウンターにお金を用意。残金で何を頼めるか頭を悩ませるのも意外に楽しい!?

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スマートな飲み方を心がけて。混雑時は多くの人が入れるよう斜め立ちで

 一方でキャッシュオンデリバリーが多くの立ち飲み酒場で採用するシステムなら、「斜め立ち」は多くの立ち飲み酒場に息づく暗黙のルールともいえます。これは混雑時に少しでも多くの人がカウンターに立てるよう、体を半身にして飲むスタイルのことです。
 それでもやはり客が入りきらないこともあるのが立ち飲み酒場です。2~3人で来てろくに酒や料理も注文せずに、大声を上げながら笑い合う。それでは、後の客が入れないは、場の雰囲気は壊すはで、無粋というもの。サッと飲み、サッとつまんで店を後にする。それが立ち飲みの粋な飲み方、楽しみ方ではないでしょうか?

    たっぷりの千切りキャベツをハムが覆い尽くす名物『ハムキャベツ』

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    入り口近くのカウンターは常連客の指定席に

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この記事を作った人

吉田慎治

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