輝く新世代の女性シェフにインタビュー【七草】前沢リカさん
野菜や乾物のおいしさをコツコツと料理にして16年。食材への愛があふれた滋味あふれる料理は野の花のように美しい。駒場東大前にある【七草】は、決して派手ではないけれど、日本ならではの美しさ、おいしさに満ちたレストランだ。日々の暮らしをいつくしむような店をつくる店主・前沢リカさんは、去年ミシュランの1つ星を獲得。注目の女性シェフにインタビューした。
野菜や乾物のおいしさを料理で届けたい
その思いは、今も昔も変わりません。
豆、野菜、乾物――そんな等身大の素材を慈しむ優しさ。ここ【七草】の一皿一皿には、いずれもそんな温かさが宿っている。「どれも、私が小さい頃から口にし、慣れ親しんできた食材ばかりです。その地味だけれども食べ飽きないおいしさにもっとスポットを当ててあげたかった」そう語るのは、笑顔も穏やかな前沢リカさん。子供の頃から料理が大好きだったというこの店の主人だ。
骨董屋だった古民家をリノベーションしたお店。
「家業がうなぎ屋で、飲食店の大変さは身にしみていましたから、それだけは避けようと思っていた」という前沢さん、一旦はアパレル関係の仕事につくものの28歳で転職。やはり飲食の道を進むことに――。
今は亡き江戸料理の名店大塚【なべ家】や渋谷【やさいや】で修業後、2003年、下北沢にて独立。そして一昨年の2月、駒場の古民家をリノベ ーションした現在の場所に移転する。
『レタスのすり流し』。主役のレタスのほか、甘みの補助役として新玉ねぎとつなぎ的役割の里芋少々が入っている。
一つ一つ吟味した器や調度品、卓を飾る野の草花など女性らしい細やかさに包まれた店内同様、料理も決して派手ではないがしみじみとした滋味に溢れている。「店を始めた頃は、野菜や乾物中心の店をやることに首を傾げる方も少なくなかった」そうだが、白あえやおひたしといったおなじみの家庭料理に、さりげなく現代のテイストを加味する。
去年はミシュランの一つ星を見事に獲得。「時代が変わったのでしょうね」そう謙遜するが、これと決めた道をぶれずに突き進む信念の賜物に違いない。
『新ごぼうの天ぷらと実山椒』。土の香りがするごぼうとピリリとした実山椒の風味が絶妙にマッチ。料理は6,000円のコース〜。
撮影/今清水隆宏 取材・文/森脇慶子
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