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新世代の女性シェフ~【御料理ほりうち】シェフ 堀内さやかさん~

男性たちが中心の飲食業界で繊細な感性で活躍する女性シェフに注目。彼女たちの料理にかける思いやストーリーをご紹介します。今回は、新宿【御料理ほりうち】のシェフ 堀内さやかさん。ホテルレストランから街場の和食店まで幅広く経験を積み、2018年夏に独自のお店をオープン。「自分の出したい料理を出せる楽しさ」とは、堀内シェフの世界に迫ります。

CHEF’S STORY

 人生の転機とは思わぬところに転がっているものだ。堀内さやかさんの場合は、たまたま高校の部室で見かけた小冊子だった。

「専門学校のパンフレットだったんです。それまでは、ただ漠然と大学に行くつもりでいたのですが、この時、本当に自分がやりたいことは何なのだろうと改めて考えてみたんです」 

 そして選んだのが料理人の道。それも和食の板前という最もハードルの高い選択に周囲は猛反対。しかし、堀内さんの決意は固かった。

    『すっぽんの茶碗蒸し』。ふるふると柔らかな卵生地は、食べるというより飲む感覚。具はなく、吸い地の代わりにすっぽんのスープを使っている。13,000円のコースから。

 幼い頃、祖母と共に台所に立った時の心弾む想いが胸に蘇っていた。とはいえ、今から20年も前のこと。現実は想像以上に厳しかった。女性が調理場に入ることさえはばかられた時代、板前を目指すこと自体が無謀なことだったのだ。

「精神的にも体力的にも辛いことはたくさんあったけれど、弱音を吐けば、これだから女は……。と言われる。辞めようものなら、やっぱりと嘲笑される。それが嫌で歯を食いしばりました」この負けん気とハングリー精神、これが、今の堀内さんをつくりあげたのだろう。

    名物『鳥のもつ煮』。故郷山梨県の郷土料理を堀内流にアレンジ。火入れを工夫し、しっとりと柔らかな食感に仕上げている。13,000円のコースから。

一国一城のあるじとなった今、ホテルから街場の和食店まで大箱と小箱、2つの異なるタイプの店で修業できたことも大きなプラスだったと振り返る。堀内さん曰く「自分の出したい料理を出せる楽しさを満喫しています。」そんな想いから献立にのせた『鳥もつ煮』や『豚の生姜焼き』は、今や同店の名物に。

「料理人になるために女性を捨てるのではなく、女性として料理人になっていく。そう思えるようになりました」

この記事を作った人

撮影/今清水隆宏 取材・文/森脇慶子

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