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更新日:2019.12.28グルメラボ

TOPシェフが注目する新店。世界を旅したシェフが手がけるヌーベルジャポネーズ /【奈良屋町 青】福岡

「アジアのベストレストラン50」に名を連ねる博多の人気フレンチレストラン【ラ・メゾン・ドゥ・ラ・ナチュール・ゴウ】の福山剛さんリコメンドのお店、第二弾は2019年6月にオープンした【奈良屋町 青】。世界的名店で学び、満を持して博多に自店を構えた金田英之さん。スキッと整った空間の中でいただくイノベーティブな日本料理の数々は、訪れる度に福山さんをワクワクさせてくれるのだとか。なんと今回がメディア初取材!「ヒトサラマガジン」独占でその魅力をお披露目!

奈良屋町青

非日常の世界へと誘う立地と空間

 博多祗園山笠が走る博多区奈良屋町。この一角に博多っ子にもなかなか知られていないディープな横丁がある。風情豊かで、わずかな数の飲食店が軒を連ねる静かな場所に佇む【奈良屋町 青】。ここが「アジアのベストレストラン50」で4年連続ナンバーワンに輝いたバンコク【ガガン】やトップ50常連の【日本料理 龍吟】などで学んだシェフが営む店とは、誰もが想像もつかないような場所である。しかし、その扉を開けるとそこは極上の異空間。無駄なモノのない整然とした空間が食への期待感と集中力を高めてくれる。

    店名の【青】とは、エベレストのベースキャンプで見た空の青さ、タンザニアの海の青さなど、旅で出会った美しく、印象的な「青」から名付けたのだとか

    店名の【青】とは、エベレストのベースキャンプで見た空の青さ、タンザニアの海の青さなど、旅で出会った美しく、印象的な「青」から名付けたのだとか

自分が求める料理を求めて、日本から世界へ。
そして、たどり着いた【龍吟】という頂

 金田さんは学生時代、音楽にのめり込み、卒業後は音響の仕事に携わっていたが、体調を壊したことをきっかけに料理の道へ。福岡のフレンチ、神戸【北野ホテル】で研鑽したのち、「イノベーティブでありながら、本当に自分が美味しいと思えるものを探りたい」と突然、当時ミシュラン一ツ星の居酒屋で修業。

「もともとひとつのことにのめり込む性格なので、料理の道に入ってからは音楽は完全に消えてしまい、料理の道に。いずれ日本料理をやりたいとは思っていましたが、そのためにも世界を見てみたいと思い、【ガガン】や【ノーマ】に働きたいと連絡したところ、受け入れてくれることになり、アジアからアフリカ、ヨーロッパへと働きながら旅をすることにしました」。

    『車海老とコンソメのジュレ』はカリフラワーのすり流し、キャビアとともに。フレンチの技法を取り入れた一皿。コンソメは季節に応じて、すっぽんや白トリュフ、甲殻類などからとっている

    『車海老とコンソメのジュレ』はカリフラワーのすり流し、キャビアとともに。フレンチの技法を取り入れた一皿。コンソメは季節に応じて、すっぽんや白トリュフ、甲殻類などからとっている

 東南アジアから中東、さらに南アフリカからアフリカ大陸を縦断、ヨーロッパへと旅し、名店を食べ歩いた金田さん(残念ながら、料理の専門教育機関を卒業していない、との理由でデンマークビザが降りず、【ノーマ】での修業は断念)。世界的に名高いレストランを巡ってたどり着いたのは「面白いことより、美味しさ。何より素材の力」というシンプルな真実。

「やっぱり自分の中で、一番美味しかった店は【龍吟】だという結論に達し、帰国前から予約して、食事が終わって見送られる際、大将(山本氏)に履歴書を渡しました」。【龍吟】で過ごした5年間はすべてが「別格」だったと語る金田さん。料理人としての土台を【龍吟】で築き、自分らしさを追求すべく、ゆかりある福岡で自店を開くことにした。

    最初にゲストは好きな江戸切子を選び、後からそのグラスに料理が盛られる。切子は大正時代から続く「堀口切子」のもの

    最初にゲストは好きな江戸切子を選び、後からそのグラスに料理が盛られる。切子は大正時代から続く「堀口切子」のもの

学んだ多彩な技法と九州の素材で新しい世界をつくる

 金田さんの料理は彼が歩いてきた人生がすべて反映されている。【龍吟】で学んだ日本料理をベースにしつつ、フランス料理のテクニックも随所に感じられる。ジャンルの枠を軽々と乗り越え、「美味しい」という共通言語でゲストと対峙するのが【青】らしさだ。

    肉厚で脂が乗った対馬産の穴子。大きさはなんと1キロ以上のものなのだとか。料理は15,000円(税サ別)のコースのみ。ドリンクのペアリングは7,000円となる

    肉厚で脂が乗った対馬産の穴子。大きさはなんと1キロ以上のものなのだとか。料理は15,000円(税サ別)のコースのみ。ドリンクのペアリングは7,000円となる

 最も大切にしているのは「素材」。魚は地元、長浜の鮮魚市場から極上のものだけを仕入れ、足りないものは豊洲から取り寄せる。山の幸は時間が許す限り生産者を訪ね、製法や味、生産者の考え方などを理解するよう心がけている。「佐賀の黒イチヂク、鹿児島の無投薬のうなぎなど、九州には素晴らしい素材があります。これからも“何料理”というのは決めず、その時に使いたい素材と向き合いながら、自分らしさを極めていきたいですね」。
コースは全15〜16品。奇を衒うものとは一線を画したイノベーティブな料理が、フーディーの心を鷲掴みにする。

    【龍吟】仕込みの洋梨の飴細工。飴を割るとヨーグルトのムースが現れる。サーブ時には、さらにフレッシュの洋梨とブルーチーズのアイスクリームが添えられる。季節によっては林檎や桃などの飴細工が登場

    【龍吟】仕込みの洋梨の飴細工。飴を割るとヨーグルトのムースが現れる。サーブ時には、さらにフレッシュの洋梨とブルーチーズのアイスクリームが添えられる。季節によっては林檎や桃などの飴細工が登場

僕が【奈良屋町 青】に通う理由

福山剛シェフ

福山剛シェフ

 金田さんとは私がはじめて「アジアのベストレストラン50」に入り、その表彰式でタイに行った際に出会ったんです。福岡に戻って、自分のお店が仕上がるまで半年くらい私の店も手伝ってもらいました。お店はとにかく整然とした美しさが感じられ、料理も美しく、抜群に美味しい。いつも刺激を受けています。

奈良屋町 青

  • 住所:福岡市博多区奈良屋町4-11-3
    電話:092-272-2400
    営業時間:17:45開場、18:00一斉スタート
    定休日:不定

今回行きつけを紹介してくれた福山剛シェフの店【ラ・メゾン・ドゥ・ラ・ナチュール・ゴウ】詳細

この記事を作った人

撮影/中西ゆき乃 取材・文/中野智恵

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