名店が教える「スペシャリテの秘密」|西麻布【kitchen.】の『まぜまぜごはん』
一度食べたら忘れられない。何度食べても驚くほどおいしい。そう思わせるあの店のスペシャリテには、きっとつくり方に秘密があるはず。そうだ。その秘密、直接シェフに聞いてみよう。
オープン以来15年愛される
〆の『まぜまぜごはん』
ベトナム料理店の〆といえば、フォーなどの麺類がポピュラー。だが、ここ【kitchen.】では、麺ではなく『まぜまぜごはん』を注文する人が、なんと多いことか。フエのまぜごはん料理『コムアンフー』をヒントにしたというメニューで、オープン以来、15年間にわたって人気を博す、〆のひと品だ。ごはんにたっぷりの葉野菜とグリーンカレー風味のひき肉、そして食感のアクセントとなるピーナツは、「まぜればまぜるほどおいしくなる」と鈴木珠美シェフ。
鈴木珠美シェフおすすめのベトナム調味料にも注目。欠かせないヌクマム(左上)は一番搾り(アミノ酸度数35~40gN/Lと表示)が香り高い。シーズニングソースは大豆原料の発酵調味料なので日本の醤油に近く、代用してもよい
しかし、レシピを紐解いてみると、シンプルだけれど、実は丁寧な下ごしらえがあってこその料理だとわかる。ピーナツを乾いりして香ばしさを引き出し、水加減を少なくし、少しかために炊いたごはんにはシーズニングソース(ベトナムの醤油)で軽く味をつけておくことなど。「でも、それだけですよ。野菜はお好みのものでOK。パクチーはもちろん合うし、ミントや、水分の多い種の部分を除いたきゅうりもおすすめ」というから、冷蔵庫の大掃除にもいいかもしれない。
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お店のテーブルに常備している開店以来人気のオリジナルソース4種。大きなスプーンでしつこいほどまぜたごはんは、食感も味も混然一体。長年のリピーターが多いのもうなずける、ひと口ごとに楽しい料理だ
大きなスプーンでしつこいほどまぜたごはんは、食感も味も混然一体。長年のリピーターが多いのもうなずける、ひと口ごとに楽しい料理だ。
鈴木珠美さん
「シェフエの食堂で出合ったシンプルなごはん料理を私なりにアレンジ。長く愛されてうれしいですね」
『まぜまぜごはん』のつくり方
野菜をもりもり食べられる、またすぐ食べたくなるベトナムの〆ごはん
ごはんものだけれど、主役は野菜。ごはんやひき肉にベトナムならではの調味料で下味をつけておくのであとは“まぜまぜ”するだけでベトナム旅気分を味わえます。では、さっそくレシピをご紹介します。
材料(2人分)
・万能ねぎ 5本
・水菜 1/4束
・三つ葉 1/4束
・サニーレタス 1~2枚
※ごはんの倍量の野菜(水分が少ないもの)が目安
・小粒ピーナツ(無塩、乾いりしたもの) 大さじ1
・米油 大さじ1/2
・にんにくのみじん切り 大さじ1/2
・豚ひき肉 100g
(A)
・ヌクマム 小さじ1
・ベトナムやタイの大豆しょうゆ 小さじ1
・グリーンカレーペースト 小さじ1/2
・きび砂糖 小さじ1/2
・粗挽き黒胡椒 少々
・ごはん(かために炊く) 茶碗1杯
・ベトナムやタイの大豆しょうゆ 少々
つくり方
❶ 万能ねぎは小口切りに、水菜と三つ葉は1cm幅に、サニーレタスはせん切りにする。ピーナツは粗く砕く。
❷ フライパンに米油とにんにくを入れて熱し、香りが立ったらひき肉を入れて炒める。パラパラになったら〈A〉を加えて炒め合わせる。
❸ ごはんにしょうゆをふり、皿の中央に盛る。
❹ ①②を盛り合わせ、よく混ぜていただく。
『まぜまぜごはん』の3つのポイント
Point①ごはんは普段よりかために炊く
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パラッとした炊き上がりにするため、水加減はやや減らす。浸水はせず、炊飯器の目盛りの下を目安にして炊くといい.
ピーナツはいっておく
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乾いりしたピーナツは食感のポイント。多めにいっておき、乾燥剤と一緒に密閉容器に入れておけば、さまざまな料理に使えそう。
野菜はごはんの倍量が目安
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野菜はお好みでOK。目安はごはんの倍ほどの量だが、小さめに切り、ごはんにしっかり混ぜ込んでしまえばぺろりと食べられる。
いかがでしたでしょうか。15年もの間愛され続けるベトナムの混ぜご飯を、ぜひご自宅で再現してみてください。
教えてくれたのは 鈴木珠美さん
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西麻布【kitchen.】オーナーシェフ、ベトナム料理研究家。ベトナムの味を家庭でも簡単に再現でき、野菜をたっぷり使うレシピに定評がある。近著に『ホーチミンのおいしい!がとまらないベトナム食べ歩きガイド』(共著、アノニマ・スタジオ)など。
この記事を作った人
撮影/久間昌史 取材・文/北條芽衣
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