「サンカラ ホテル&スパ屋久島」GO TO TRAVELで最後の秘境・屋久島へ絶品フレンチを食べに行こう
今年はリフレッッシュしたいけれど、夏休みもとれていない……。そんな方も多いのでは? 本日GO TO TRAVELキャンペーンの東京実施が決定! 海外に行けない今、キャンペーンを使って行きたい、海外旅行気分を味わえるデスティネーションとして断然おすすめなのが屋久島の「サンカラ ホテル&スパ 屋久島」。原始時代から変わらないダイナミックな風景と、洗練のステイケーション、そしてここでしか味わえない美食がかなうのだ!
屋久島の地形と気候と水が生み出す極上の料理に合いにゆく
10月より東京もいよいよGO TO TRAVELが適用に。このタイミングを待って旅を計画し始めた友人から「今年は海外に行けないから、どこか密にならない場所へリフレッシュしに行きたいんだよね。オススメある?」と連絡が入った。おいしいものがあると聞けば国内外問わずに飛び回っている私は、自分で言うのもなんだが仲間内の”旅情報収集先”としてはちょっと信頼が厚い。
旅好きの彼女は、世界のラグジュアリーホテルを回っている。異国のような手つかずの稀有な自然、そして洗練のホテルステイ。ガストロノミーやローカルの両方の食事をたのしみたい。そんな彼女のわがままも叶えてくれるデスティネーションとして真っ先に思いついたのが屋久島だった。日本で一番最初に世界自然遺産に登録されていたことで気にはなっていたけれど、実は、私も屋久島を訪れたのはつい先日のこと。この原始の森と豊かな水が湧き出る島に一瞬で魅了されてしまった。
「ヤクスギランド」で出会った風景。ガイドなどはホテルで手配してくれる
鹿児島のすぐ南、細長い種子島と並ぶ丸い島が屋久島だ。面積は 500㎢、日本では7番目に大きい島で、淡路島よりちょっと小さいくらい。そんな島に、日本の地勢や気候が凝縮して存在するのが面白い。島の標高差は2000m。気候は亜熱帯から亜寒帯まで存在し、「1ヶ月に35日雨が降る」と言われるほど、世界有数の雨量を誇る。こうした特異な気候と地形は、樹齢3000年近くまで生き続ける屋久杉を始め、ここにしかない独特の植生、景色を生み、まさに日本ではない、どこか海外にいるような空気感を感じることができる。
島を巡っている時に、4年前に訪れたペルーを思い出した。標高差は5000m,南北に長い地勢は、砂漠から熱帯雨林までありとあらゆる気候があり、独特の植物や食文化をつくっていた。見るもの食べるものに”初めて”がたくさんで、とても刺激的な旅だった。似たようなドキドキする感覚を、日本の国内でも体験することができるなんて!! まさに灯台下暗し。
「サンカラ リゾート&スパ屋久島」のアイコニックなプール。のんびりとプールサイドで1日過ごしても飽きない
そんな島での宿泊は、「sankara Hotel&Spa 屋久島(サンカラ ホテル&スパ屋久島)」がおすすめだ。ここなら、海外のラグジュアリーリゾートのような洗練された滞在と屋久島ならではの美食両方を味わうことができる。
送迎の車で到着したロビーに一歩足を踏み入れると、目の前に広がるインフィニティプールから続く青い海が目に飛び込んでくる。気候がコロコロと変わる屋久島らしいダイナミックな雲の動きをプールの水面が映し出している。 ああ、こうした場所にずっと来たかった!と思わず歓声をあげたくなるだろう。
ここには、【okas(オーカス)】と【ayana(アヤナ)】という二つのレストランがある。【オーカス】では、「キュイジーヌ・ナチュレル」をコンセプトとしたガストロノミーを、【アヤナ】では、カジュアルに九州の地方料理を取り入れたフレンチベースの料理を楽しめる。基本的に、1泊2食付きで、スイートルームに宿泊したゲストが【オーカス】の料理、スタンダードルームへ宿泊したゲストは【アヤナ】の料理がセットとなっているが、希望してプラス料金を払えば、スタンダードルーム宿泊でも【オーカス】の料理を食べることは可能だ。 もちろん空きさえあればウォークインの利用もできる。
レストラン【オーカス】。臨場感溢れるシェフの目の前のカウンター、そして親密な雰囲気になれる海を臨むカップルシートがある
今回は、1泊はグレードアップをお願いして【オーカス】でのお食事を楽しむことにした。屋久島ならではの食材がどう料理されるのか、体験してみたかったのだ。
ダイニングに向かうと、【オーカス】の林謙児シェフが迎えてくれた。林さんは鹿児島県徳之島出身で、小さいころから海に潜り、鹿児島の近海の海の恵や自然の素晴らしさに触れながら育ってきた。料理人を志し、鹿児島のホテルなどで働いた後、東京【ミクニ丸の内】へ。そこで出会った、武井智春(現sankaraエグゼクティブシェフ)とともに静岡・修善寺オーベルジュ【アルカナイズ】などで働いたのち、このホテルの創業とともに屋久島にやってきた。2015年3月からシェフとして、屋久島の食材をつかった美しい料理で世界各国からのゲストを楽しませている。
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敷地内のハーブや果物が撮れる場所はすべて把握し、実り具合で今日の収穫を決めるという林シェフ
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ほんのりいちごの香りがするストロベリーグアバ。通常のものよりかなり小ぶり
そんな林さんが、屋久島にきて真っ先に始めたのは食材探し。ゲストを楽しませるため、地産のものにこだわりたいと、移住してから10年間ずっと島を巡り、継続して食べられる野草や果物、野菜などを探し続けている。
「徳之島出身ですが、屋久島と徳之島では全然植生がちがうんです。土地の性質も違います。屋久島の生物多様性は本当に面白い。山菜や野菜や花など食べられる植物の種類が豊富ですね」と語る。島で出会った奥様は農家の娘さんで、彼女から本にものっていない野草を教えてもらうことも多いそう。
この日もゲストのために島のあちこちに野草や花を摘みに行き、敷地内に植えられたストロベリーグアバなども収穫。それらを冷蔵庫に入れることなく、ダイレクトに料理に使う。
毎回採れたてを使う、というシェフの信念は、例えば、前菜の「高海老、生ハム、グアバ、バジル」を食べた時に口にはじけるようにひろがる、グアバやハーブの鮮烈な香りや酸味で感じられる。このフレッシュ感は、現地で食べなければ味わえないご馳走だ。
この日の6品目『飛魚 庭のサラダ 麦味噌 ポンカン』。レタスで作ったクレープ状の皮に、コンフィした飛魚、あごだしが隠し味の麦味噌とポンカンのソース、エシャロットやシークワーサーで作ったソースを一緒に巻いて食べる
屋久島の生物多様性は海の中にも見て取れる。屋久島は珊瑚生息地の北限。黒潮が流れて来るため、熱帯の魚も多い。さらに、九州本土と屋久島の間に流れる「大隈分岐流」という海流から北の魚が入り込んでくるため、魚種がとても豊富だ。特にトビウオや、「首折れ鯖」などの地魚は地元の料理に欠かせない。
コースにはそんな屋久島の魚料理も、もちろん登場。この日は『飛魚 庭のサラダ 麦味噌 ポンカン』。到着してすぐに歩いた、屋久杉の森のみずみずしい緑を思い出させる鮮やかな料理にハッとした。しっとりと仕上げられたトビウオに、麦味噌とポンカンの爽やかな香りがよくあう。添えられたエシャロットとシークワーサーの酸味がきいたソースとともに食べると、はじけるような柑橘の香りがさらに重なり、南国の景色が浮かんでくる。添えられたトキワカンゾウの花弁の香りと色がエキゾチックな雰囲気を引き立て、ローカルな食堂で食べる飛魚がまったく違った形で登場するのが面白い。
7品目『屋久シカ トコブシ』。トコブシは殻ごと焼いてピュレにしソースに。ドラゴンフルーツの花の蕾とズッキーニのフリットをあわせて
「トビウオは唐揚げやさつま揚げにするのが地元での食べ方。骨が多いので理にかなった調理法ですね。でも、この淡白で味わいのある魚の美味しさをフランス料理としてどう生かし、料理するか……。考えた結果今回はコンフィにしました。フランス料理は食材や、調味料を”重ねていく”ことで完成するものだと思っています。メインの食材に他の屋久島の食材の香りや味と合わせて、いかにフランス料理としておいしくできるか、そして、屋久島の原風景を感じていただけるか、そう常に考えています」。
例えば、メインの肉料理『屋久シカ トコブシ』にもこんなストーリーが隠れている。通常の鹿よりも、身が柔らかく繊細な屋久シカは、シンプルな塩気のある海のものと相性がいいと考えていた林シェフ。そんなときに、本を読んで屋久島のシカはミネラルを補給しに、海に降りて海水を舐めにきていると知ったそう。それならなお、海のものと合うだろうと、ローストした鹿肉にトコブシの塩気を生かしたソースを添えたのだという。
食べてみると、トコブシのほんのりとした苦味がかった塩味としっとりとした鹿肉の香りがこれ以上ないほどに合っている。小柄な屋久シカが美しい青い海辺で海水を舐めている情景が目に浮かんだ。
旬の名残のマンゴーは甘みもつよいが、さっぱりとした後味がある。その果肉の中に、ライムのクリームとバニラのシロップが詰められている。焦がしたメレンゲの風味とクランブルで、タルトの香りと食感を出している
デザートは屋久島の美味として外せない果物が登場する。この日は『マンゴータルト』。もともと、ポンカンやタンカンなどの柑橘類は多く栽培されていたが、ここ数年、マンゴーなどの南国のフルーツを育てる農家さんも増えたという。9品目にふさわしい、クリアで軽やかでフレッシュなデザートだ。
林シェフは最後に、こんなことを教えてくれた。「実は僕が一番すごいと感じるのは、ここの”水”なんです。屋久島の水はミネラルがほとんど含まれていない超軟水。だから、スープをとると素材の味が本当によく出る。野菜のスープも通常ならチキンストックを入れたくなったりしますが、まったく必要ありません。コースで出しているコンソメも、それぞれの素材の味が驚くほどクリアに強く出ますね。だから今ここで作っている料理を、そのまま同じレシピで違う場所で作っても、味は全然違うでしょう。この料理は屋久島の湧き水があるからこそ完成するんです」。
今回宿泊した、スタンダードヴィラ。ベランダもあり、広々としてくつろげる。足を伸ばせるバスタブに、ダブルシンクと水回りも使いやすい
リゾートの背後には切り立った山が。雲や霧がかかると幻想的な雰囲気に
実は私も、屋久島に惚れてしまった理由の一つに、島の各地で湧き出る屋久島の水がある。昼間「大川の滝」そばの湧き水採取地で汲んだ水が、甘くて、なめらかで、柔らかで飲むそばから体に染み込んでいく感覚が忘れられないのだ。部屋のお風呂に入ったときも、このなめらかな水に肌が溶けているのではと思うほどに、その柔らかさを感じて感動した。
この”おいしい水”がつくるもう一つのご馳走が、自家製パンの数々。実は超軟水はパン作りにはあまりむいていないそう。ベーカリーの責任者がいろんな場所の湧き水を飲み比べて、わざわざパンのために水場まで水を汲みに行き、その水で仕込んでいるという。
晴れた日は、リクエストすればプールサイドのテーブルで朝食することが可能
翌朝、晴れたプールサイドのテラスで、屋久島の水でつくられたパンの数々をいただいた。ハード系のパンも、クラストがガリッとした力強いものではなく、まろやかな水のキャラクターが現れた、もっちり、ふわふわで、優しい味わいだ。7-8種類は並ぶパンはすべて食べてしまいたくなるほどおいしい。採れたての卵や野菜サラダ、そして朝の爽やかな空気といただく朝食は最高の贅沢だ。
【アヤナ】でランチ。この日は『極上からすみと自家燻製、飛魚のパスタ』2,300円をセレクト。生の飛魚からつくる飛魚の燻製が深い味わいを生む
「サンカラ ホテル&スパ屋久島」に宿泊するなら、2泊以上がおすすめ。1日はトレッキングや川遊びなど太古の空気が流れる自然で原始人になったように遊び、もう1泊はホテルにこもってゆっくりと1日リゾートライフを過ごす。丸一日ホテルで過ごす日は【アヤナ】で地元の食材を使った一品料理で軽く食べるのもいい。午後はホテルの車を借りて西部林道までドライブすれば、野生の鹿や猿たちに出会うこともできる。そして、夜は屋久島ガストロノミーでどっぷりと屋久島を堪能しよう。
太古から現代までが凝縮した時間になって流れる、最後の秘境屋久島。日本にもこんなに凄い場所があったのだと改めて感じることができる稀有な場所だ。そして困ったことに訪れた人を確実に虜にしてしまう魔性の場所でもある。私も彼の地から戻ってきたばかりだというのに、遠方の恋人を思うかのごとく、気がつけば屋久島のことばかり考えている。
ああ、次はいつ行けるかな。いつ行こうかな。そうだ、あのホテルのおいしかったパンを取り寄せて、それを食べながら再訪の計画を練ろう。
「sankara Hotel&Spa 屋久島(サンカラ ホテル&スパ 屋久島)」詳細
【オーカス/サンカラホテル&スパ屋久島】
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電話:0997-47-3488
住所:鹿児島県熊毛郡屋久島町麦生字荻野上553
店舗詳細はこちら >
住所:鹿児島県熊毛郡屋久島町麦生字萩野上553番地
アクセス:車:安房港から約25分、屋久島空港から約40分
TEL:0800-800-6007
総部屋数:29室
チェックイン15:00 チェックアウト13:00
基本料金 サンドラ ヴィラ 72,600円~(1泊1室 2名利用時1室料金/税サ込)
レストラン情報
【okas】
営業18:00〜20:30 LO
*外来空きがある場合受け入れ可能。前日までに要予約。
コース 16,060円(税込)
【ayana】
営業7:00〜10:00(朝食)、12:00〜13:30LO(ランチ)、18:00〜20:30LO(ディナー)
朝食、ランチ、夕食ともに外来可能。予約が望ましい
*宿泊の方はラウンジやプールサイドなどで上記の時間外でも利用可能
夕食コース 10,120円
撮影/石井宏明 取材・文/山路美佐(ヒトサラ副編集長)
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