輝く新世代の女性シェフにインタビュー|【クラージュ】古屋聖良さん
体力的にも大変な料理の世界。そのなかで、しなやかな感性でゲストの心をつかむ“女性シェフ”たちが数多く活躍しています。今回は、フランス料理を提供する【クラージュ】のシェフ、古屋聖良さんをご紹介します。
旬の食材にまっすぐな心で向き合うピュアで美しい料理
古屋聖良シェフが料理の道を目指すきっかけになったのは、なんと就職活動の失敗から。「銀行に就職希望でしたが面接にすべて落ちてしまって。それなら“食べることが好きだから”と、料理の道へ進みました」と笑う。しかし、これは料理の神様の導きだったのだろう。
彼女の料理に惚れ込んだ大人たちが集う【クラージュ】
就職したレストランで、持ち前の真面目さとセンスに目を留めた師の勧めもあり、「サンペレグリノ ヤングシェフ」コンクールへ出場する。「無理だと思うけれど、世界大会のイタリアに行けたらいいな」と出場した日本大会で見事に優勝。そこから世界大会で上位入賞を狙うべく、メンターの【ナリサワ】成澤由浩シェフとの“血の滲むような”特訓の日々を過ごし、大会に出場。しかし結果は入賞ならず。「心から悔しかったです」。この経験が料理人としての転機となった。
まだまだ足りない。もっと世界が見たい。そう思い、オーストラリア・メルボルン郊外の名店【Brac】へ働きに行く。そこでは、採れたての食材を使う素晴らしさ、盛り付けの美しさなど様々なことを吸収して帰国した。
『タイとほおずきのタルタル』。魚とフルーツは古屋シェフが好きな組み合わせ。「今の季節のほおずきの香りと酸味がタイとよく合うと思いました」
シェフとして考えることは、「とにかく、おいしいものをつくり、来ていただくお客さまに喜んでもらうこと」。謙虚で口数が少ない古屋シェフだが、丁寧につくる料理からは、彼女の食材や料理への愛が冗舌に溢れている。
スペシャリテ『鴨と黒トリュフのサンド』。自家製パンに鴨の旨みと黒トリュフの香りが染み込みワインがすすむ。鴨は古屋シェフがコンクールで優勝したときのテーマ食材。コース15,000円~
国内外の経験を生かし、旬の食材にまっすぐな心で向き合うピュアで美しい料理は、遊び慣れた大人が集う【クラージュ】の常連ゲストの心を、早くもつかんでいる。
この記事を作った人
撮影/小野祐次 取材・文/山路美佐
-
海外旅グルメ 連載
ヒトサラ編集長の食ダイアリー~とっておきの旅と食のはなし~vol.5|イタリア・ピエモンテ州①
-
海外旅グルメ 連載
フランス・ブルゴーニュ【コモ・ル・モンラッシェ(COMO Le Montrachet)】~ヒトサラ編集長の編集後記 第82回
-
麻布十番食トレンド
一串に宿る美意識。東京・麻布十番【酉囃子】で焼鳥の新境地に出合う
-
新宿南口/代々木食トレンド
多彩な調理法で鰻料理の新たな感動をつくり出す|【参宮橋 あさや】参宮橋
-
天満橋・谷町四丁目旅グルメ 連載
大阪【馬藺(ばりん)】(パティーナ大阪)~ヒトサラ編集長の編集後記 第81回
-
虎ノ門食トレンド
たゆまぬ探求心で生み出す「焼鳥コース」という食体験|【焼鳥なかむら】虎ノ門
-
秋田県連載
ヒトサラ編集長の食ダイアリー~とっておきの旅と食のはなし~vol.4|秋田③
-
六本木・麻布十番・広尾食トレンド
〈終了〉ファビオシェフ考案“発酵×イタリアン”メニューに注目! 【ファビオ飯×marukome 発酵Restaurant】開催
-
秋田県連載
ヒトサラ編集長の食ダイアリー~とっておきの旅と食のはなし~vol.4|秋田①
-
麻布十番食トレンド
名店「青空」で研鑽を積み、「鮨祥」で店主を務めた真摯な鮨職人・三井 祥さんの新たな挑戦|麻布十番【みつい】
関連記事
-
2025.08.15食トレンド
【フロリレージュ】川手寛康シェフプロデュース! 新感覚イノベーティブバー【SODDEN FROG】で感性を刺激する体験を
-
2025.08.14グルメラボ
子どもも簡単につくれる【LA BONNE TABLE】の『茄子とトマトの冷製パスタ』のつくり方|「一流シェフのヒトサラレシピ」#14
-
2025.08.13グルメラボ
博多周辺エリアで個室・半個室でゆっくりできる店|福岡
-
2025.08.12旅グルメ 連載
ヒトサラ編集長の食ダイアリー~とっておきの旅と食のはなし~vol.5|イタリア・ピエモンテ州①
-
2025.08.11グルメラボ
誕生日や記念日にぴったり! ちょっと贅沢に高級ディナーを満喫できるお店5選|東京