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2016.10.26グルメラボ

過酷なレースを乗り切る! ロードレーサーの食事事情

「自転車のF1」とも言われるサイクルロードレース。最も有名な「ツールドフランス」を始めとして、日本を含む各国で数多くのレースが行われています。今回は、長時間に渡って激しくカロリーを消費するロードレーサーの食事についてご紹介します。

激しくカロリーを消耗するロードレース。食事の補給は勝敗のカギ

 ロードレースは試合中に食事をする実にめずらしいスポーツです。一般的な成人男性が一日に必要なカロリーは24時間で2400Kcal前後と言われていますが、「ツールドフランス」に出場するロードレーサーは一日で8000Kcal以上ものカロリーを必要とする為、どうしてもエネルギー補給が必要となるのです。

戦いはレースのスタート前から始まっている!

 レース中は激しくカロリーを必要とするロードレーサーも、普段からレース中と同じ食事をしていては、太り過ぎてパフォーマンスが落ちてしまいます。それ故、プロの自転車選手達はレースのない期間は極めて節制した食事をして、余分なカロリー(特に糖質)を摂り過ぎないよう心がけています。そして、レースの数日前から糖質の多い食事に切り替え、「カーボローディング」を始めます。

 「カーボローディング」とはマラソン選手なども行う食事トレーニングで、まず軽い運動でグリコーゲンを消費した後、糖質を含まない食事を続けて身体が作るグリコーゲンを極端に減少させます。そして試合三日ぐらい前から糖質がたっぷりと入った食事に切り替えることで通常の倍の量のグリコーゲンが一気に作られるようになり、試合当日には体力が万全の状態で望むことが出来るのです。

休む間もなく行われるレース中の栄養補給。パワーを蓄える食事法とは?

 レース中の選手は、サポートカーやアシストが補給する食事を大体20分に一度摂取、10分に一度ドリンクでカロリーを摂取し、エネルギーを枯渇させないよう常に力をためています。

 ルール上はレース中の食事に制限はないのですが、現実的には摂取しやすいスナックバーやバナナなどが選ばれます。おなじみのジェル状の栄養補給食も良く用いられますが、一度に取りすぎると、胃の中で膨張して腹痛を起こす原因になるので注意が必要。また、ドリンクは水分補給用と栄養補給用を常備し、1時間につき500ml入りのボトルを2~3本は摂取します。

 選手たちにとって、コンディションを保つことは、良いレースをすることと同義。日常の糖質を控えて節制した食事から、レース前の「カーボローディング」、そして、レース中の猛烈な勢いのカロリー補給と、過酷なレースを勝ち抜く為に、常に状況に応じた食事のとり方をしなければなりません。まさに「食事もレースの一部」なのです。

この記事を作った人

斎藤 健(フリーライター)