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2016.10.29食トレンド グルメラボ

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東京でジビエを食べるならここ! 決定版ジビエの美味しいフレンチ12店

秋冬に美味しさの絶頂を迎えるジビエ。日本でもここ数年で徐々に浸透してきたこの山の恵みの醍醐味を思う存分味わえる、厳選フランス料理店12店をご紹介します。

編集部員が食べ歩いて確かめた、ジビエの美味しいフランス料理店12選

ジビエとは、ジビエ料理とは

 キジ、ヤマウズラ、野ウサギ、シカ、イノシシなど、狩猟によって食材として捕獲される野生鳥獣やその肉がジビエです。
 日本でも、イノシシの肉の『ぼたん鍋』など、これら山の幸を食べる文化が各地に残っていましたが、近年これらをジビエと呼び、積極的に料理に活用し消費を拡大してきています。

 フランス語でgibierと表記されるジビエは、そもそも狩猟の盛んなヨーロッパでは育まれた食文化。健康に良くおいしい「食卓の花形」、また滋味豊かな料理として提供するための猟や調理の方法が進化してきています。
 今回は、その中心地フランス料理の伝統や技法を引継ぎ、東京で絶品のジビエ料理を提供するお店を紹介。実際に編集部員が食べてオススメする、外さないジビエ。フレンチです。

  • 狩猟された野生の鳥獣がジビエです

今回紹介するお店
六本木【ラ・シャッス】、表参道【ラチュレ】、広尾【マノワ】、目黒【レストラン ユニック】、中目黒【ラ・ブーシェリー・デュ・ブッパ】、渋谷【ビストロ ホリテツ】、西麻布【レ・ビノム】、六本木【スプートニク】、六本木【ワイン食堂 ル・プティ・マルシェ】、神楽坂【ル・マンジュ・トゥー】、六本木【ル・ブルギニオン】、銀座【レストラン タテル ヨシノ】

自ら狩猟にも行くハンターシェフの店

 食材の見極めが料理人の腕に大きな影響を与えるなら、実際に自分で食材が獲れる環境を知っているということは大きなアドバンテージになります。個体差の大きなジビエなら、それはなおさらのこと。
 ジビエの世界でも、自らハンターとして狩猟。それらを中心に料理を提供するシェフが増えてきています。

01_六本木【ラ・シャッス】

 ハンターシェフとして真っ先に名前が挙がるのが、六本木【ラ・シャッス】の依田シェフ。約10年前から、店の営業が終わった夜、キャンピングカーで全国の猟場に駆け付け、食材を自ら狩猟。それらを店で提供するというスタイルを貫き通しています。

  • 上:北海道占冠でとれたヒグマと仔ヒグマの食べ比べ 炭火ロースト
    左:静岡のみかん畑で仕留めたヒヨドリの炭火焼き

 フランス語で猟師という意味を持つ【ラ シャッス】では、ほとんどシェフ自らが狩猟した食材しか使わないというこだわりぶり。
 猟場の環境、そこで育った食材の個性を熟知しているからこそできる、逸品がメニューに並びます。

  • 食材を狩猟し、解体、調理にいたるジビエの全過程を紹介。ジビエを扱う料理人、楽しむ食通のバイブルとなる書籍です

 日本のハンターシェフの第一人者として、依田シェフは、先日その知見の総決算ともなるジビエ本『ジビエ教本』を上梓。 野生鳥獣の狩猟から精肉加工までの解説と調理技法を紹介しています。
 ジビエを楽しむなら、まず行っておくべきレストランでしょう。

 

02.表参道【ラチュレ】

 ジビエ料理で人気を博した渋谷の【deco】の室田シェフが、新たにオープン。自ら猟に入ることも多く、ジビエに限らず、自然との繋がりを大事にしたフランス料理店です。

  • 上:『蝦夷鹿のロースト 山椒のポワヴラードソース』
    左:クマの血のエキスを使ったアミューズ、通称「クマカロン」

 自然との繋がりを重視するシェフの姿勢は、例えば『蝦夷鹿のロースト』などにも表れます。ソースに使われるのは、鹿の獲れる山に自生している野山椒。そういったストーリーにも、価値を置くジビエ料理を味わえます。

  • ジビエの王様を存分に味わう『山シギのロースト サルミソース』

 【タテル ヨシノ】出身である室田シェフは、「味としては、クラシカルなフレンチが好み」とのこと。その嗜好からか、国産だけではなく、海外産の食材を使うことも厭いません。
 フランス料理人の憧れの食材である「山シギ」などを使った王道のフレンチ・ジビエも楽しめます。

 

03_広尾【マノワ】

 ハンターシェフとは少し違い、オーナー・ソムリエが自ら狩猟に出かけるフレンチが、この広尾の【マノワ】。
 山梨県南アルプス市に生まれ、自然に囲まれて育った経験の元、秋にはきのこを採りに、また、狩猟期間には自ら狩りに出かけて、仕留めたジビエを提供しています。

 自然のありがたみを常に感じながら料理に向かうスタンスは、当然サービスにも反映。中村氏による楽しいこぼれ話なども店の魅力になっています。

 

ジビエが豊富なお店

 ジビエは自然の恵み。ある意味で特殊な食材ではありますので、「試しに使ってみたい」と卸業者に頼んでも、すぐに良い食材を使えるわけではありません。
 となると、ジビエ料理で定評のあるお店であれば、猟師や仲卸などとも繋がりが深く、美味しい料理を楽しめる確率も上がります。

04_目黒【レストラン ユニック】

 ジビエが年中堪能できることで、マニアからの信頼の厚い【レストラン ユニック】。オーナーシェフの中井さんいわく、「とくにジビエを意識しているわけではなく、フランス料理に合う濃厚な肉を求めていったら、自然とそうなった」とどこ吹く風ですが、シーズンの秋冬以外にも、春から夏にかけては羊や夏鹿などを定期的に使っているだけあって、猟師などともつながりが深く、突然、季節外れの熊が入荷されたりします。

  • 上:フランス産キノコを詰めた山ウズラのロティ
    左:ジビエとフォアグラのパテアンクルート

 もちろん秋冬には、スコットランド産の山ウズラ、雷鳥などから始まり、日本での猟期が始まる11月以降は、入荷次第で、シカやイノシシだけではなく、クマや各種の鳥類まで出会うことができます。
 フランス料理であることにこだわりながらも、付け合わせも含めて組み合わせの妙に、シェフのセンスを感じる通好みの実力店です。

 

05_中目黒【ラ・ブーシェリー・デュ・ブッパ】

 最近では、熟成肉の先駆けとして脚光を浴びた【ラ・ブーシェリー・デュ・ブッパ】ですが、そもそもジビエにも定評がある肉フレンチの実力店でした。
 アミューズからジビエ肉を使った料理。鹿や猪に関しては通年提供され、人気の熟成牛肉とともに愛好家から楽しまれています。

  • 上:『肉の盛合せ』。左上が本州鹿、右上が猪
    左:アミューズもジビエ。『鹿と猪のミートソース グラタン』

 11月15日以降の狩猟解禁日が過ぎた時期、目玉となるのは北陸で獲れる青首鴨。「この鴨は絶品。フレンチでジビエというと山シギやなどというイメージもありますが、当店としてはこの鴨を食べて頂ければ十分ジビエの醍醐味を堪能していただけると考えています」とマネージャー氏。
 ワインもそのベクトルに合わせ、日本ワインの品ぞろえが充実。自然派を中心に約30種は常備しています。

 

06_渋谷【ビストロ ホリテツ】

 裏渋谷の入口にあるビストロ。オーナーである堀岡徹也シェフは、仏北部ノルマンディーの星付き店などで研鑽を積んでいます。
 そんな経歴を持つシェフにとっては、ジビエ肉は、牛や豚、鶏などとともに当然の選択肢の一つ。
 ジビエ以外にも、春先からは仔羊、夏のエゾシカなど、様々なバリエーションで楽しませてくれます。

    『山ウズラのグリル』

 野菜を自家栽培し、全国の猟師のもとに駆け付けるバイタリティのあるシェフですので、時には「オッ!」とうならせるレアな食材が入ることもあります。

 

秋冬のシーズンに、美味しいジビエ料理が食べられる穴場

とりたてて「ジビエの店」というイメージは強くはないものの、秋冬のシーズンになると美味しいジビエ料理が食べられるお店も多くあります。その中でもコンテンポラリーなフレンチ、カジュアルなビストロなどから3店ピックアップしてみました。

07_西麻布【レ・ビノム】

 西麻布の通称・グルメストリートにある炭火焼き専門のビストロ【レ・ビノム】。肉や魚、穴子などの炭火焼と良質なワインを気軽に味わえる人気店です。

    濃厚な赤身が冴える『えぞ鹿 ソースポワブラード』

 この店の特徴は、秋も深まってきたころのジビエ。国産ではエゾシカなど、海外産では森鳩、山鶉、鴨、雷鳥などその日の入荷によって楽しめます。
 『ジビエコース』(5500円+税)は、都内でももっとも手軽に楽しめるジビエ尽くしとしてジビエストには有名です。

 

08_六本木【スプートニク】

  きれい目系のプレゼンテーションが目を引くコース料理で注目を集めている【ル・スプートニク】の高橋シェフ。その煌びやかさの根底には、「旬のものをふんだんに使って構成する」と貫くというポリシーがあり、冬のメイン料理は主にジビエ。

    『和歌山産鹿のローストソースシヴェ』

 例えば、和歌山産の鹿のもも肉は、よく登場するクラシカルなメイン料理です。
 鹿の出汁と豚の血でリエしたソースや、キャラメリゼした佐渡産黒いちじくなど付け合せの妙が、ジビエに新たな息吹を与えています。

 

09_六本木【ワイン食堂 ル・プティ・マルシェ】

 直輸入直販のワインショップと、石窯パン工房とコラボレートした「ワイン食堂」。野菜、魚、肉など良質な食材を揃え、併設するワインショップから1000種類以上のワインが持込可能な楽しいお店です。

    『北海道蝦夷鹿のパッシアルマンティア』

 オープンウィンドウになった熟成庫に、枝肉のまま一頭買いした食材が釣り下がっているところからもうあかがえるように熟成肉が目玉。牛や豚だけでなく、オーナーの知人が仕留めた鹿、いのししなどもシーズン地には食卓に上がります。

 

正統派フレンチ

フランス料理ではジビエ食材を使うのは一般的なので、現地での修業経験があるシェフ、しかも巨匠となれば誰もが得意とするところ。その中でも、オススメを選りすぐってみました。

10_牛込神楽坂【ル・マンジュ・トゥー】

 日本のフランス料理を長く支えてきた谷昇シェフによるコースには、実はよくジビエが登場します。とくに「ジビエが得意」と言われることは多くないですが、それがかえって、一つの食材として消化し、谷シェフの料理に落とし込まれている証とも言えるかもしれません。

    シンプルに焼き上げる『鳩』は、血を使ったソースのピュアな味わいが決め手

 かなり頻繁に使われるフランス産の『鳩』をはじめ、特筆すべきは、『シカのコンソメ』。水を使わず、赤ワインだけで濃厚で深みあるおいしさを引き出したスペシャリテです。

 

11_六本木【ル・ブルギニオン】

「ブルゴーニュ風」という店名からもわかるように、ブルゴーニュ郷土料理の内臓系が得意なお店ですが、秋冬のジビエに関しても定評があります。

    柔らかくクセのない『ブレス産小鳩のロースト ロメーヌレタスのファルシー ジロール茸添え』

 肉の扱いに長けた菊地シェフにとっては、ジビエもお手のもの。旬の時期には、食材が入荷すれば、山シギ、ハト、エゾシカなどが絶品のフレンチに仕上げられていきます。

 

12_銀座【レストラン タテル ヨシノ】

 今では多くの日本人料理人が、フランスミシュランでも星を獲得していますが、その先駆けとなったのが吉野建シェフ。
 パリ8区にオープンした【ステラ マリス】(現在は閉店)が2006年に一つ星を獲得。その際に吉野シェフの実力を認めさせたスペシャリテが『『ジビエのトゥルト』でした。

    長年のスペシャリテ『ジビエのトゥルト』

 このスペシャリテは、現在でも秋冬のシーズンには【レストラン タテル ヨシノ】のテーブルにもあがるほか、弟子たちにも引き継がれ、和歌山の系列店【オテル ド ヨシノ】や吉野シェフに薫陶を受けた料理人の店で味わえることも多くあります。
 ぜひ、一度は食べておきたい逸品には違いありません。

 


 編集部員が食べ歩いて、ここぞと思ったお店だけをまとめた今回のジビエ特集は、いかがだったでしょうか?
 寒さが深まるにつれ、栄養を蓄えることによって、どんどん旨みが増すジビエ。臭みが強いと敬遠されていたこともありますが、それは食材の扱いがよくなかったことが大きいとされています。
 最近では、ヘルシーな肉として徐々に人気も広まってきていることとともに、狩った獲物を適切に〆るハンターも増えてきています。なので、国産のものでも質が上がってきているのは当然。この冬は、ぜひそんな自然の恵みを味わってみてください。


 現在、焼き肉やバル系のジビエ特集も製作中。近日公開しますので、期待してください。

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この記事を作った人

ヒトサラ編集部