ヒトサラChef’s Table ダイジェスト vol.5 ゲスト・木下威征シェフ1話『ケンカのきのやん、ポール・ボキューズ氏に憧れる』 - シェフの本音と食のネクストトレンドが聞けるトーク番組
プロとして料理をこよなく愛する人々(dish artist)をゲストに、食のネクスト・トレンドを語るトーク番組「ヒトサラ シェフズ・テーブル」。ここでしか聞けない本音トーク、飲食業界の未来など、旬な情報をお届けする美味しい時間をお楽しみください。
例えばツイッターレシピ、例えば満席のシェフズテーブル。木下イズムと呼ばれるその発想の原点はどこに?そして、喧嘩に明け暮れた『悪ガキ』が、心機一転、料理人を目指すようになったきっかけとは?【オー・ギャマン・ド・トキオ】木下シェフが、ドラマチックな自身の半生を振り返りつつ、料理人、そして経営者としてのあり方を語り下ろす。
木下威征シェフ 第1話:ケンカのきのやん、ポール・ボキューズ氏に憧れる-
やんちゃ坊主だった
不良から足を洗い、料理人を志した
やんちゃ坊主だった学生時代
――木下シェフの生まれは東京ですね。どんなお子さんだったんですか。
木下:小学校の頃はいわゆるガキ大将ですよね。
――それで中学からちょっとグレてしまって。
木下:それまでのガキ大将の感覚で、学年が上の子に「何々君久しぶり」なんて声かけたら、「お前ちょっと来い。先輩に向かって何だその口の聞き方は」と言われて。いわゆるヤンキーと言われる人たちにボッコボコにやられました。
――いきなりですか。
木下:はい。でもやられた後に、あんなに仲よく遊んでいた人が、何で俺にそこまで敵対するのかなと、だんだん腹が立ってきたんですね。で、仕返しをしに行きました。そのぐらいから徐々に喧嘩を繰り返すようになり、違う中学校からも目を付けられ、喧嘩をするうちに、気づけばそこから抜けられなくなっていったんです。
不良から足を洗い、料理人を志した
――料理の世界に入ったのは、どんなきっかけだったのですか。
木下:悪いことをやっていると、関係各所から毎回のように親が呼び出されるようになりました。それがあるとき、お袋が深々と頭を下げて、涙をためて謝っているところを見た。あの頃、ほとんど家に帰っていなかったので、久しぶりに母親をまじまじと見たら、十円ハゲができていたんですね。そのとき「これは俺のせいだ。もういい歳だし、やめなきゃいかんな」という思いになりました。
それで、ある先輩から、「やめたいんだったら協力してやるから、何をやりたいのか考えろ」と言われ、「考えてもわからないです」と言ったら、じゃあ本を読めということで、雑誌を何冊も渡されました。ペラペラめくってみたら最後のほうに料理の専門学校のパンフレットがあったんです。それが辻調理師専門学校でした。
ゲストプロフィール
木下 威征 氏
1972年生まれ。辻調理師専門学校を首席で卒業し、フランスへ留学。三ツ星レストランで働いた後、【オー・バカナル】に立ち上げメンバーとして約5年在籍。その後、【モレスク】で9年間シェフを務め、2008年5月より【オー・ギャマン・ド・トキオ】のシェフに就任。不利な立地にもかかわらず連日予約で満席。現在、三店舗を経営。今年12月よりカフェ、また店舗移転で新たな展開の有る予定。「ギャマン」は「いたずら小僧、悪ガキ」の意味。
ヒトサラ編集部
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