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更新日:2024.01.30旅グルメ 連載

ドバイVol.02_【ザ・ロイヤル・ティールーム】【ザ・ギルド】~ヒトサラ編集長の編集後記 第62回

ドバイの2回目はハイエンドなレストランを紹介します。富裕層のイメージが先行しがちなドバイですが、値段だけでいえば、実はニューヨークや北欧といったところの高級店のほうが高いといえるかもしれません。今回はドバイ最高級のホテル「アトランティス・ザ・ロイヤル」にある【ザ・ロイヤル・ティールーム】(The Royal Tearoom with Christophe Devoille)と、金融街にそびえ立つ283メートルのICD ブルックフィールド・プレイス・タワーに新しくオープンした【ザ・ギルド】(The Guild)を訪れました。

ドバイVol.02_【ザ・ロイヤル・ティールーム】【ザ・ギルド】~ヒトサラ編集長の編集後記 第62回

ドバイのハイエンドなレストラン

【ザ・ロイヤル・ティールーム】(The Royal Tearoom with Christophe Devoille)

ドバイのイメージを象徴するものとしてよく取り上げられるのに、世界一高いタワー「バージュ・カリファ」や木の形をした人工島「パーム・ジュメイラ」などがあります。どちらも砂漠や海といった大自然を克服し、人の力でどこまで居住空間を広げられるかといった、未来志向の建造物でもあります。

「アトランティス・ザ・ロイヤル」はそのパーム・ジュメイラにあり、ドバイにあるアトランティスで2つ目のホテルになります。豪華ホテルのなかでもザ・ロイヤルはひときわ目を引くブロックを積2上げたような外観で、2023年2月にオープンしたばかり。プレオープンのイベントではビヨンセがパフォーマンスを披露したのだとか。

目の前はアラビア湾に沈む夕陽が美しいプライベート・ビーチ。インフィニティ・プールが付いたスウィート・ルームもある豪華リゾートホテルです。世界のベストホテル50にもランクインしており、【ノブ・バイ・ザ・ビーチ】(Nobu by the Beach)といった有名レストランが入っています。

【ザ・ロイヤル・ティールーム】は、そんな豪華ホテルの1階にあって、ゆったりとしたスペースで外を眺めながらお茶できる優雅な場所です。
ちょうどティータイムに伺うことができたので、古いアラブのお菓子を現代風にアレンジしなおしたオリジナルの「エミラティ・アフタヌーンティ」をいただきます。

地元のチーズや蜂蜜、ナッツなどが多用されるなか、イクラかと思えばタピオカで、紅ショウガかと思えば人参など、日本人になじみの深い食材のイメージも取り入れられていてなかなか面白い。
天井がとても高く、窓は大きく光に満ちていて、とても気持ちのいいところです。サービスのホスピタリティもしっかりしていて、お茶もコーヒーも丁寧に淹れてくれます。

名前を冠したパティスリー・シェフのクリストフ・ドボワイユさんはフランスのアルザス出身で、アラン・デュカス氏のもと「プラザ アテネ」で活躍していた人です。モナコ、ラスベガス、サンクト・ペテルブルク、香港など海外勤務が長く、マカオの「ウィンパレス」にはオープンから関わり、東京にも勤務経験があるそうです。

「まだオープンして7カ月ですが、いい評価をいただいています。パティスリーだけでも65人いて、そのうちの10人はパン職人です。僕たちがここで1日5000個のパン焼いてるって信じられます?」

笑いながらそんな話をきさくにしてくれるクリストフさん。彼にドバイ勤務の印象を訪ねると、やはり安全で住環境に恵まれて仕事がしやすいとのこと。どうやら彼はこちらで家も購入したようです。

【ザ・ギルド】(The Guild)

アラビア湾に沈む夕陽を眺め、シャワーを浴びてから、今度はディナーに出かけます。
ディナーをいただいたのは新しくできたばかりの【ザ・ギルド】。

前出のティールームがリゾートなら、こちらはビジネス街にあります。虎ノ門や麻布台の新しいエリアといったところでしょうか。
超高層の金融タワーの1階はスマートなジャケットを着たサラリーマンや高級ブランドを纏った女性が多く、ハイソな雰囲気に満ちています。

【ザ・ギルド】は広い空間どうしが、細い通路等でつながって、それぞれ別の料理を提供しているレストランで、まだ全体が完成しているわけではないようです。

エキゾチックな入口を入ると、【The Nurseries】と名付けられたブラッスリーがあり、温室のような【The Potting Shed】につながります。ここはアペリティフをとったりコーヒーも飲める場所で、そのとなりが【The Rock Pool】。岩のプールの部屋なのですが、生け簀ということでしょうか。新鮮な魚のデコレーションがあり、サステナブルな方法で調達されたシーフードを楽しめるようになっています。

そしてその先にあるのがメインダイニングの【The Salon】、ここで今夜のディナーをいただきます。

仕掛け人であるオーストラリア出身のトム・アーネルさん、シェフのポール・ガヤフスキーさんが迎えてくれます。

メインダイニングはなんと炭火焼きの設備が完備され、われわれはダイナミックな調理風景を目の前に見ながら、食事を楽しむことができます。
オープンキッチンの燃えさかる炎と、現代風のシャンデリアの対比がユニークで、ニューヨークなどの大都会の社交場といった趣です。

オーナーのトムさんは、「こういったファインダイニングがなかったのでビル側から要請を受け、プロデュースしました。これからまだ増床していくんです」と語ります。シェフは新宿にあるパーク ハイアット 東京にいたこともある人です。

シーフードもサラダも新鮮で、シャンパーニュをあけてゆったり語り合っていると、ここはニューヨークかロンドンかといった気分にもなります。
トリュフが香る焼きたてのピザは絶妙で、最後には牛肉を目の前で焼いてくれましたが、もうお腹がいっぱいになるほどでした。

「ここでは24時間、どこかのエリアの店がオープンしていていろんなバリエーションの店があるから、好きなように使ってもらえたら」とサービスの人がいいます。なんでもこのビルには9000人が居住しているのだとか。

空港にも近いのでビジネス会食はもちろん、居住者のキッチンとしての機能も果たすことになっているようです。

雰囲気は伝わったでしょうか。

早朝の砂漠サファリ

次の日の朝、早く起きて砂漠のサファリをしました。
夜明け前にホテルから砂漠に向かい、環境配慮型のバギーで砂漠を走ります。
アトラクションとしてラクダに乗ってゆっくり移動したり、鷲や鷹を自分で操り鷹匠の気分になれるものがあったりで、ドバイのもうひとつの顔を見ることができます。

朝食をテントに用意されたものでいただき、遊牧民の気分に浸れます。
われわれがサファリをしたエリアには砂漠の高級リゾート「アル マハ ア ラグジュアリー コレクション デザート リゾート & スパ ドバイ」もあり、有名なハリウッドスターが宿泊中でした。

次回は、多様性について見てみたいと思います。

この記事を作った人

小西克博/ヒトサラ編集長

北極から南極まで世界100カ国を旅してきた編集者、紀行作家。

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