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更新日:2024.10.07食トレンド

美食家たちの心地よさを具現化した【PEBBLE BEACH KITCHEN】で、日本食材によるフュージョン料理に舌鼓|広尾

2024年5月に誕生した【PEBBLE BEACH KITCHEN(ペブル ビーチ キッチン)】は、広尾駅から徒歩3分という好立地でありながら、入口がわかりづらい隠れ家的な一軒。多彩なキャリアを持つ吉田達郎氏が、上質な国産食材を贅沢に使用したフュージョン料理でゲストをもてなします。料理を引き立てるワインは、エレガントなカリフォルニアワインのほか、日本やフランスなど各国から厳選した銘柄をラインアップ。接待や記念日にもふさわしい特別感と、子連れでも気軽に「“ペビベ”に行こうよ」と思える親しみやすさを兼ね備えています。

美食家たちの心地よさを具現化した【PEBBLE BEACH KITCHEN】で、日本食材によるフュージョン料理に舌鼓|広尾

居心地の良さを追求した洗練された内装デザイン

    【PEBBLE BEACH KITCHEN】のエントランス

    【PEBBLE BEACH KITCHEN】のエントランス

広尾商店街のメイン通りから1本入った静かな一角にオープンした【PEBBLE BEACH KITCHEN】は、少し回り込んだ小さな鳥居が目印の廣尾辨天閣がある側のエレベーターで2階に上がった場所に店を構えます。店名のペブル ビーチは、アメリカ・カリフォルニア州に位置し、全米オープンが度々開催されたことでも知られるゴルフ場「ペブルビーチ・ゴルフリンクス」で有名な場所。店内には、自然豊かなペブル ビーチの風景写真が飾られています。

    モノトーンで統一されたシンプルで落ち着いた空間

    モノトーンで統一されたシンプルで落ち着いた空間

扉を開けて進むと、2面が床から天井までガラス張りになった解放感抜群の店内が広がります。壁やテーブルは、シックなグレーで統一。床には、ぬくもりを感じる栗の木を敷き詰め、椅子などのインテリアは、ダークブラウンでまとめられています。テーブルは水晶を砕いて固めたクオーツストーンを使用し、ゲストが寛げるオリジナルのサイズでオーダーしたもの。熱々の鍋もそのまま置くことができます。

    壁に飾られたHaruka Mitta氏の作品

    壁に飾られたHaruka Mitta氏の作品

そんなシンプルな空間に映えるのがアート作品の数々。【PEBBLE BEACH KITCHEN】は、レストランであり、ギャラリーでもあります。現在は、独創性のある軽やかな日本画を中心に、立体や壁画、絵本など様々なスタイルの作品を制作するHaruka Mitta氏の作品を展示していますので、来店時にはぜひご覧ください。

    6名まで利用できる完全個室を1部屋完備

    6名まで利用できる完全個室を1部屋完備

洗練された大人のレストランですが、ベビーカーでの来店にも不自由のないよう配慮された造りになっています。子どもの椅子も大人と同系色のダークブラウンの上質なデザイン。もちろん車椅子の方も利用可能で、トイレも広々とした使いやすい設計です。また、今後、カウンター席も設ける予定なので、ひとりでもより訪れやすくなりそうです。

日本食材にこだわったワールドワイドな料理の数々

    『フレッシュモッツァレラとケールのサラダピザ』2,280円

    『フレッシュモッツァレラとケールのサラダピザ』2,280円

自由な発想から生み出される料理は、魅力的なメニュー名がずらりと並んで目移りしてしまいますが、まず名刺代わりの一品として『フレッシュモッツァレラとケールのサラダピザ』はいかがでしょうか。厚さ2㎜のフラワートルティーヤ生地にモッツァレラチーズとゴーダチーズをたっぷりとのせ、5種類のハーブやカリーノケール、水菜、ミニトマト、【SHIBUYA CHEESE STAND】から取り寄せるモッツァレラなどをたっぷりと盛り込んだ一皿です。トリュフオイルとゲストの目の前で削るホワイトマッシュルームの豊かな香りが漂います。

トルティーヤと聞くと、メキシコのとうもろこしが有名ですが、アメリカでは小麦粉のトルティーヤが主流で、クリスピーピザやラップサンドなど様々な食べ方を楽しんでいます。ケールは、カリフォルニアではとてもポピュラーな野菜。様々な種類を食べ比べた中から、苦味が少なく、柔らかな口当たりのカリーノケールを採用しました。ご覧の通り、サラダが主役なので軽やかに食べることができます。

    『毛蟹のタルタル、トマトジュレ、茄子、アボカドの四重奏』2,800円

    『毛蟹のタルタル、トマトジュレ、茄子、アボカドの四重奏』2,800円

こちらは秋の新作メニュー。菊のピューレを敷いた皿に茄子、アボカド、毛蟹のタルタル、トマトのジュレを緻密に重ね、周囲にバジルオイルを飾って完成です。茄子とアボカドは、食感を残しつつも他の層と口の中で馴染むようなサイズでカット。トマトの酸味がアクセントとなり、他の食材を引き立てる役割を果たしています。

    『蒸し鮑とはなびら茸のソテー肝ソース仕立て』3,960円

    『蒸し鮑とはなびら茸のソテー肝ソース仕立て』3,960円

シンプルながら存在感あるこちらは、国産の鮑を丁寧に酒蒸しにして柔らかな食感に仕立てた温前菜。ソースは、鮑の煮汁に肝を加えて卵でとろみをつけたもので、フランス料理のサバイヨンソースの技法をベースにしています。「はなびら茸は、火を入れても歯ごたえがあり、それが生の鮑に似ていることから、鮑との食感の食べ比べを楽しんでいただけたらと添えました」と吉田氏。口にすると、自ずとワインに手が伸びてしまう贅沢な味わいです。

    冷凍していない生の本鮪(手前)と青森県産の短角牛(奥)

    冷凍していない生の本鮪(手前)と青森県産の短角牛(奥)

【PEBBLE BEACH KITCHEN】の料理はワールドワイドですが、食材は国産にこだわり、その魅力を最大限に引き出すことを追求しています。例えば、本鮪は一度も冷凍していない風味の良い状態で、豊洲市場の「やまふ水産」から仕入れています。青森県産の短角牛は、吉田氏の中学校の同級生が営む「SASAKI FARM」から一頭買い。シグネチャーである『Surf and Turf 本鮪のレアグリルと青森短角牛グリルの盛り合わせ』をはじめ、『青森短角牛のタルタルステーキ』や『ごろごろ食感を楽しむ青森短角牛のボロネーゼ』『スパイシーな赤ワインカレー』などにも使用されています。

    『Surf and Turf 本鮪のレアグリルと青森短角牛グリルの盛り合わせ』10,780円

    『Surf and Turf 本鮪のレアグリルと青森短角牛グリルの盛り合わせ』10,780円

Surf and Turfとは、直訳すると「波と芝」ですが、サーフィンしてゴルフして……と至高の遊びを意味する慣用句で、転じてシーフードとステーキを一皿にダイナミックに盛り合せた料理のメニュー名に。シーフードでは、ロブスターのグリルやガーリックシュリンプが一般的ですが、【PEBBLE BEACH KITCHEN】では日本中のおいしい食材が集まる東京ならではの本鮪を使用。ステーキは、青森県産の短角牛を採用しています。

「いい意味で雑多に」と吉田氏が語るように豪快なメニューですが、本鮪も短角牛も職人技が光る火入れによって完成します。本鮪は、常温に戻した状態から炭火で表面は香ばしく、中はレアに。赤身の多い短角牛は、適度に熟成させた後、3回ほど休ませながら火入れを行います。ルクルーゼに盛り付けると、季節の野菜のグリルと塩のみで仕立てたラタトゥイユ、たまり醤油に漬けた粒マスタード、鰹節に浸した醤油を乾燥させたパウダー、ゲランドの塩を添え、桜チップで瞬間燻製にして提供します。

ワインも料理も選択肢の豊富さが魅力

    カリフォルニアワインを主軸に150種類をラインアップ

    カリフォルニアワインを主軸に150種類をラインアップ

ワインは、カリフォルニア60種類、その他に日本、フランス、イタリア、オーストリア、ニュージーランドなど合計150種類の銘柄を誇ります。メインであるカリフォルニアは、濃厚な味わいのイメージが強い典型的なものではなく、ピノ・ノワールをメインとした料理にしっとりと寄り添うことができるエレガントなタイプをセレクト。「カリフォルニアにもこういうワインがあるんだ!」と新たな発見をしていただけることでしょう。

日本ワインは、山梨県の勝沼醸造や山形県の高畠ワイナリーなど選りすぐりを約30種類ご用意。シャンパーニュは、ナポレオン皇帝の結婚式で振舞われたという逸話を持つメゾンであるジャクソンの『746』など。ニュージーランドでは、小山浩平氏が造るグリーンソングスのシリーズも。ボトルワインは1本1~3万円をメインにランアップ。ワイン好きな方なら、良心的な価格設定だと感じていただけることでしょう。ボトルでのオーダーの他、ペアリング、10種類のグラスワイン、さらにフリーフロープランもご用意。

また、ノンアルコールドリンクにも力を入れ、『COCOFARM & WINERY ヴェルジュ風ぶどう酢ソーダ』、『スイス村ワイナリー 信州直しぼり ももじゅうす』、『シンビーノ ジャワティストレート ホワイト』などをラインアップ。お酒が弱い方やアルコールを控えたい日でも魅力的なノンアルコールメニューがあるので、ワイン同様にお楽しみいただけることでしょう。

    【PEBBLE BEACH KITCHEN】のシェフを務める吉田 達郎氏

    【PEBBLE BEACH KITCHEN】のシェフを務める吉田 達郎氏

バーテンダーとして働く父の影響を受け、料理人を志した吉田氏。その経歴は青森県の老舗「八戸グランドホテル」にはじまり、タイに渡って和牛の肉割烹のオープニングの総責任者を務めるなど多岐にわたります。「考えなくてもおいしい料理が信条」と語る通り、シンプルななかにもオリジナリティがあり、また食べたいと感じるものばかり。

今回ご紹介したのは【PEBBLE BEACH KITCHEN】を象徴するアラカルトメニューですが、実はコースメニューも充実しています。青森短角牛を堪能できるコースや、色々味わいたい向けの少量多皿のコース、フリーフロープラン付のショートコースなど実に多彩。接待や記念日にはコースを、家族の集まりにはアラカルトを、と多彩なシーンにマッチするのも嬉しいところ。現在、ディナー営業のみですが、ランチも応相談。

店を出る時には「また“ペブビ”に来たいね」と自然と思ってもらえるような店づくりを意識しているといいます。料理、ワイン、サービス、空間、いずれもゲスト目線で求めるものを追求したからこそ、居心地のいい【PEBBLE BEACH KITCHEN】。ぜひ大切な方と訪れてみてはいかがでしょうか。

この記事を作った人

撮影/玉川博之 取材・文/外川ゆい

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