東京も立派な“地方”だと再認識できる、東京の食と自然の恵みを堪能|檜原村・あきる野市
東京と聞くと「都会」をイメージする方がほとんどだと思いますが、東京の西側、多摩地方では、東京でありながらもそこで育った独自の食文化や広大な自然を感じられるスポットが多数存在することをご存知ですか? そんな新たな東京の魅力を発見するツアーに参加してきました。
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払沢の滝
古民家カフェ晴ノ舎
九頭龍神社古民家旅館 山城
井上食品
VANCOUVER COFFEE ROASTER
ビストロYOSHIZO
ブーランジェリー ラ・フーガス
秋川ファーマーズセンター
みつばちファーム
戸倉しろやまテラス
黒茶屋
ヴィンヤード多摩
払沢の滝
東京都で唯一「日本の滝百選」に選ばれた名瀑
総高度差は60メートルで、全4段からなる滝です。下から見ることができるのは落差約23.3メートルの最下段のみ
冬に結氷することでも有名な「払沢の滝」。滝までは駐車場から歩いて15分ほどの道のりですが、道は舗装されていて歩きやすく、美しい渓流沿いを歩くのもとても気持ちがいいです。
川のせせらぎや葉が擦れ合う音に耳を澄ませる
この滝から流れる水は近隣の生活水にもなっている綺麗な水で、キラキラ落ちてくる様子はどれだけ眺めていても飽きのこない美しさです。
秋川の源流を辿っていきます
【古民家カフェ 晴ノ舎】
登録有形文化財の建物をリノベーションしたカフェ
かつての造りがそのまま活かされていて天井が高く、木の温もりが感じられる空間
標高500mにある檜原村人里(へんぼり)地区にある登録有形文化財「旧高橋家住宅」内にある【古民家カフェ晴ノ舎】。江戸時代に建設されたという建物はかぶと造りで、当時の駕籠(かご)も現存しています。
『季節のランチセット』1,800円
営業時間のうち11時から15時はランチタイムで、近隣の食材を使用したランチプレートがいただけます。それだけで濃厚な旨みを持つ葉野菜や、名産のじゃがいもを含め甘みが詰まった根菜など滋味深い味をゆっくり噛み締めるひととき。
6年前に千葉県から檜原村に移住してきたというオーナーの土井さん。「想像していたよりずっと親切で温かい人々、そして食も素晴らしいです」と、檜原村の魅力を存分に伝えてくれました
【古民家カフェ 晴ノ舎】
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電話:050-3700-6315
住所:西多摩郡檜原村人里2032
店舗詳細はこちら >
古民家の宿 山城
680年の歴史を持つ古民家旅館
なんと建設されたのは1300年代のこと。歴史ある建物は文化財にも指定されています
680年の歴史を持つ建物で、昭和中期から平成20年までは民宿として営業していたのを平成21年に旅館としてリニューアルし現在に至ります。宿泊とランチを営業していますが、どちらも1日1組までで、週末の予約は開始とともに埋まってしまうほど人気です。
訪れるゲストはほとんどがリピーターで、「ゆっくりする」ために訪れる方が多いのだそう
ここは「九頭竜神社」の社務所でもあり、むしろそちらが本業。現在25代目となる神主さんが営む宿としても珍しい場所です。提供する料理は山菜を中心としたコース料理、お風呂は湧水を薪で沸かしていて、心も身体も休まりそうです。
骨組みは江戸時代のままで現存しています
井上食品
昔ながらの製法でこんにゃくをつくり続ける
「バッタ式」と呼ばれる方法で、職人が丹念に手づくりするこんにゃくは唯一無二のおいしさ
大量生産されるこんにゃくは大抵こんにゃく粉から作られますが、井上食品では昔からの製法にこだわり、今も尚こんにゃく芋から手づくりしています。こんにゃく芋は契約農家のほか自社畑でも栽培し、秋にしか収穫できないこんにゃく芋を急速冷凍して使用するので1年中製造することができます。
工場には直売所を併設し、さまざまな種類のこんにゃくを購入できます
昔ながらの製造方法は当然手間がかかりますが、そうしてつくられたこんにゃくは味わいが全く異なります。ぷるぷるで柔らかく、でも歯応えはしっかり。トロの刺身のように食べられるのは全く新たな食体験です。
「井上食品」
電話:042-598-6068
住所:東京都西多摩郡檜原村人里1800
営業時間:8:30〜17:00
【VANCOUVER COFFEE ROASTER】
世界各国から厳選したコーヒーを自家焙煎
2023年9月オープン
元々神奈川県の藤沢市にあった同店が、あきる野の地に新たなコーヒーカルチャーを根付かせるべく開業しました。コーヒーを提供するカフェとしてのみでなく、あきる野市で唯一コーヒー豆を自家焙煎するロースタリーとしての機能を持ちます。
レコードからBGMが流れる店内で一杯ずつ丁寧に抽出
同店ではエチオピア、ケニア、グアテマラなど世界各地から厳選したスペシャリティコーヒーを楽しめます。この日は7種類の豆から選ぶことができ、コーヒーが苦手な人にもオススメしたいというエチオピアのウォッシュドをオーダーしました。コーヒー特有の重たさはなく、紅茶のような軽やかさやローズヒップを思わせる酸味と柔らかな甘みを感じます。
基本のメニューは1カップ880円、2カップ1700円
【VANCOUVER COFFEE 東京】
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電話:070-1201-8355
住所:あきる野市戸倉557-1
店舗詳細はこちら >
【ビストロYOSHIZO】
地元食材を使った料理が楽しめるイタリアン
テーブル席中心の店内。この日も地元の方々で賑わっていた
地産地消を謳っているわけではなく、当然のように地元の食材を提供するイタリアンとして地元の人に愛されている【ビストロYOSHIZO】。通いたくなるようなアットホームな雰囲気で手頃な価格でありながら料理は本格的です。
『季節野菜の小さなバーニャカウダ』750円
バーニャカウダは地元で西洋野菜をつくっている農家のネギやカブ、紅芯大根などが持つ力強い味わいを堪能できます。ペアリングには、あきる野産のモンドブリエを100%使用した「ヴィンヤード多摩」の白ワインを合わせます。
『マルゲリータ』1,580円。ピザ生地はイタリアの「真のナポリピッツァ協会」が定める条件に倣い、一枚一枚手で伸ばしています。耳はふわふわで中はしっとり。同店の一番人気です
【ブーランジェリー ラ・フーガス】
川沿いに佇む一軒家のブーランジェリーカフェ
映画に出てきそうな雰囲気の一軒家が目印。フランス・アルザス地方をイメージして一から建設したのだそう
元々東京の梅ヶ丘で14年間パンづくりをしていた店主の仁礼さんが、焼きたてパンをそのままそこで味わってもらいたいと、カフェスペースもできる広々とした空間を求めてここあきる野の地にやってきたのが2007年のこと。パン職人としてのキャリアは38年にもなるベテランです。
種類豊富な焼きたてパンが所狭しと並びます
フランスパンなどのベーシックなものから地元の旬食材を使った季節ものまで幅広いラインアップ。買ったパンを持ち帰るのはもちろん、奥のカフェスペースでいただくこともできるほか、11時から14時の間はスープやマリネなどがついたランチメニューも用意しています。
手前の『焼きリンゴのガレット』(280円)は冬限定。紅玉をバターでソテーして、自家製カスタードなどと合わせています。奥は秋限定の『いがぐりパン』(350円)。和栗ペーストと渋皮付きの栗が丸ごとデニッシュに包まれています
秋川ファーマーズセンター
都内最大級! 近隣で採れた農産物の直売所
新鮮な農作物が豊富に揃い、地元の方や観光客で賑わっています
畑に囲まれるかたちで立地する「秋川ファーマーズセンター」。そんな近隣の畑で採れたものをはじめ、たくさんの新鮮な野菜や果物が棚を賑わせています。特に2月中旬~4月上旬が旬の特産品「のらぼう菜」を見つけたらラッキー。その他にも「秋川牛」や「東京しゃも」など、地元ブランドの精肉なども取り扱います。
「秋川ファーマーズセンター」
電話:042-559-1600
住所:東京都あきる野市二宮811
みつばちファーム
あきる野の山間で養蜂した自家製のはちみつを
はちみつになる前の状態。これを遠心分離機にかけて採蜜する
あきる野をはじめ八王子などの5つの養蜂場を持ち、多くのみつばちが花々の蜜を集めてできた天然のはちみつを買うことができます。花を追いかける転地養蜂ではなく、同じ場所で花が咲くのを待つ定置養蜂の方法をとり、春には桜、藤、そのあとにアカシア、エゴノキなどから採取し、100%天然熟成で仕上げています。
採れたての蜂蜜。サラッとしたテクスチャでとてもフルーティ!
特に自慢なのはアカシアの蜂蜜。中でも『金色の蜜』と銘打って販売している蜂蜜は「どこへ出しても自慢できる」と社長が太鼓判を押すほど、糖のバランスが大変優れた蜂蜜です。直売所のほかカフェ営業もしています。
カフェでははちみつジェラートが楽しめます。社長イチオシは『ヘーゼルナッツジェラート』
「みつばちファーム」
電話:042-519-9327
住所:東京都あきる野市上ノ台37-3
戸倉しろやまテラス
廃小学校を活用した観光施設
教室のほか家庭科室などもそのままの姿を残している
廃校となった小学校を再利用し、地域の自然環境を活かした様々な体験を提供している「戸倉しろやまテラス」。近隣農家の野菜収穫体験や、「金剛の滝」までのトレッキング体験などを提供するほか、宿泊施設としてや会議室など利用方法は多岐にわたります。
かつての職員室は「食飲室」という名のレストランに。週替わりの『給食プレートランチ』などを提供しています
「戸倉しろやまテラス」
電話:042-595-1234
住所:東京都あきる野市戸倉325
【黒茶屋】
300年前に建てられた庄屋づくりの建物で山里料理を堪能
水車が回るエントランスを抜けた先にあるこの階段がお店の玄関です
300年以上前に檜原村で養蚕のために使用されていた建物を移築して再利用。太い梁や長い廊下など至る所から長い年月の営みを感じます。秋川沿いの高低差がある地形を活かした敷地内には料亭のほか、おやき屋や土産店、茶房など多くの施設が点在しているので、散策マップを片手に散歩するのもオススメです。
あやめコースからの一品『若鶏朴葉焼』。ほろ苦い味噌と絡めて焼き上げます
料理はコースで山里料理を提供。澄んだ水と深い緑に恵まれたこの地で採れた旬の食材を使用し、はるばる足を運んでくれたゲストに季節を感じてもらうおもてなしを大切にしています。
秋川の恵みをダイレクトに感じられる『山女魚唐揚げ』
ヴィンヤード多摩
主にあきる野産の自社ブドウを使用するワイナリー
東京都で自社畑を保有するワイナリーは希少
あきる野市で約70aの自社畑を保有しているワイナリー「ヴィンヤード多摩」。ワイン好きが高じてワイナリーを開いたというオーナーの森谷さんは、なんと現役の歯科医師。ワイナリーを運営しながら、現在も自身のクリニックで患者さんと向き合う日々を送っています。
左から「東京ブラン2023」、「東京ルージュ2023」、「東京ロゼ2023」。どれも共通して自社農園で育てたあきる野産ブドウを100%使用したフラッグシップワインです
障がいを持つ方への就労場所としてブドウ畑を提供することも、森谷さんがワイナリー開業するに至った大きな理由の一つだと言います。実際にここでは、障がいを持つ方々がブドウの手入れを担当しています。「農福連携」を日々実践しながら大好きなワインをつくる森谷さんの想いが1本1本のワインに詰まっています。
ワイナリーに併設された直営店でワインの購入ができる他、テイスティングメニューもあります
「ヴィンヤード多摩」
電話:042-533-2866
住所:東京都あきる野市上ノ台55
これだけの観光資源を持っている多摩エリアですが、その魅力を知る人はまだ多くありません。旅行となると移動時間もかかりますが、ここ多摩エリアは都心から少しだけ足を伸ばす距離なので、週末のショートトリップにもオススメ。東京が誇る食と自然を堪能しに訪れてみてはいかがでしょうか。
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