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更新日:2025.08.19旅グルメ 連載

ヒトサラ編集長の食ダイアリー~とっておきの旅と食のはなし~vol.5|イタリア・ピエモンテ州②

世界遺産にも登録されたランゲ地方の葡萄畑の美しさ。ここはバローロ、バルバレスコに代表されるワインの名産地です。今回はこちらでピエモンテのパスタつくりにも挑戦しました。

ピエモンテ州

今回登場するお店

ピエモンテ② バローロ、バルバレスコの葡萄畑

朝から車で南のランゲ地方、ラ・モッラ村を目指します。多くの観光客で賑わうイタリアを代表するワイン、バローロの生産地です。

丘に登るとネッビオーロ種の美しい葡萄畑が眼下に広がっています。中世の街並みがそのまま残り、有名なワイナリーもたくさんあります。私も過去に何度か訪れていますが、本当に美しいところです。

    イタリアの葡萄畑

今日はここでワインを試飲し、ピエモンテの代表的なパスタであるタヤリンの作り方を学びます。卵黄のたっぷり入った細長いパスタです。

料理教室は、ロッディ城という中世の建築物に併設されている綺麗なキッチンで、ミシュラン・シェフのダビデ・パルーダ・シェフが今日の講師です。

  • ダビデ・パルーダ・シェフ

  • ダビデ・パルーダ・シェフ

タヤリンは基本、水を使わず、小麦粉と卵黄でつくります。この部分はあらかじめ用意されており、私は棒を使って延ばし機械でより薄く形をつくり包丁で均一に細く切るという作業を教わりながらやります。

  • タヤリン

  • アニョロッティ

蕎麦やうどんで慣れた作業とはいえ、シェフにとなりで見られていると緊張するものですね。

もうひとつ、これもこのあたりで有名なアニョロッティという肉などを詰めた一口餃子のようなパスタもつくりました。それらとともにシェフが用意してくれた料理をいただき、ワインとトリュフの講義を受けました。

このランゲ地方は、ワインとともにトリュフも大変有名です。白トリュフの都として名を馳せるアルバでは、毎年10~11月には国際白トリュフ祭がおこなわれ、世界中から食通が集まります。

私も以前これに参加したことがあり、トリュフ狩りも体験しましたが、とてもエキサイティングでした。

トリュフ犬とハンターとともに森に入り、犬が見つけた場所をハンターが掘るという作業に着いていくだけではあるのですが、宝物を探して森に入るワクワク感は、普段の生活ではなかなか味わえないものだと思います。

  • ピアッツァ・ドゥオモ(Piazza Duomo)

  • ピアッツァ・ドゥオモ(Piazza Duomo)

近くに世界的に有名なレストラン【ピアッツァ・ドゥオモ(Piazza Duomo)】があります。

トリュフの時期に訪れるとこれでもかといわんばかりのトリュフ三昧を経験できますが、グラムいくらで、と言った勘定になり、酔ってるとこれが結構危険なのですよ(笑)

今回は「世界のベストレストラン50」の特別セッションとして日本の【フロリレージュ】川手寛康シェフと【ピアッツア・ドゥオモ】エンリコ・クリッパ・シェフのコラボランチが企画されていました。これには参加できませんでしたが、大変好評だったようです。

夕方にトリノに戻り、メディア向けのウエルカム・パーティに参加しました。

    世界のベストレストラン50、ウエルカム・パーティ

場所はパラッツォ・レアーレ。かつてトリノを首都とする王国を築いたサヴォイア家の夏の離宮ヴェナリア宮殿です。

ヴェルサイユ宮殿にも匹敵するような広間で世界中から食のメディアのジャーナリストたちが集い、今年のトレンドの話などで盛り上がります。

    世界のベストレストラン50

    世界のベストレストラン50

庭でのカクテル・パーティから室内演奏を聴きながらのデザートまで、優雅なディナーにわれわれもここちよくなるのですが、日本でこれをやれる場所ってどこになるんだろう、と考えてしまいました。

明日はスイス国境に近い山岳地方に行きます。

この記事を作った人

小西克博/ヒトサラ編集長

北極から南極まで世界100カ国を旅してきた編集者、紀行作家。

大学卒業後に渡欧、北極から南極まで約100ヶ国を食べ歩く。共同通信社を経て、中央公論社で「GQ」創刊に参画。2誌の創刊編集長、IT企業顧問などを経て、現職。

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