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2017.03.01旅グルメ 連載

  • フランス料理

一つ星獲得の注目店【the kitchen at bacchanalia】は、客席と厨房の間仕切りをなくしたボーダレスな設計で人気に

今、シンガポールで面白いと評判の店へ。ミシュラン一つ星にも輝いた【the kitchen at bacchanalia】は、すべての席がシェフズテーブル仕様に。厨房の活気やできたての味わいをまさに手渡しで楽しめる店が話題だ。

30席すべてがシェフズテーブル。キッチンから運ばれるできたて料理を、熱々の内に頬張る至福を提供

 キッチンと客席の間に遮るもののない店。それこそがミシュランシンガポールで一つ星を獲得した【the kitchen at bacchanalia】です。店に入るやいなや、目の前でシェフが盛り付けの真っ最中。「ようこそ!」「こんにちは」と、調理中の料理人が気さくに話してくれる中、ゲストはその臨場感を横目に、キッチンの隣に広がる客席へと案内されていくのです。
 ここで供されるのは香りや温度、厨房の臨場感を大切にしたフランス料理の数々。「できたての最高の状態を味わって欲しいから」とは、ルーク・アームストロングシェフ。香りを最大限に引き出した一皿は、湯気がたっぷり立ちのぼり、客席でもその香りを楽しめます。シェフが最高の状態に仕立てた料理の数々は、キッチンの臨場感そのままに、客席へと運ばれていくのです。まさに店名に偽りなし、bacchanaliaという店は、すべての席がシェフズテーブルとなっているのです。

    まさに目前でシェフが仕上げの真っ最中。【the kitchen at bacchanalia】ではそんなシーンが毎夜繰り広げられています

客席とのボーダーをなくすことで、厨房の熱気をそのままテーブルへ届けることに成功

 とにかくできたての食感やフレーバーを大切にするというのがルーク・アームストロングシェフの料理。ホワイトビーツをメインにした一皿では、ビーツとナス、ウニなどをラードで巻き、キャビアをあしらいます。添えられたカベルネ・ソーヴィニヨンでつくるソースは溶け出したラードと合わさり、まさに絶妙の食感に。そこにはビーツのコクとソースの酸味、キャビアの塩気に、ラードのコクとその一瞬だからこそ楽しめる味わいが現れます。「とにかくラードが溶けるまえに食べて欲しいんだ」。ルークシェフのそのひと言は、まさにこの設えだからこそ成せる技。すべての料理がそうした一瞬を大切に仕上げられ、ゲストもその一瞬を楽しみに訪れるのです。

    Beetroot

ルーク・アームストロング氏

できたての香りと食感、温度を大切に、オープンキッチンで躍動する若きスターシェフ

オーストラリア出身、29歳。レストランの見習いを経験後、シェフのすすめでイギリスへ。ミシュラン一つ星の【pied a terre】や【The Ledbury】で研鑽を重ね、オランダの星付き店【Michelin-starred Oud Sluis】でも活躍。自分の目の届くキャパシティの店で力を発揮したいと2016年より【the kitchen at bacchanalia】へ。ワールドワイドな活躍で、独創的なフランス料理を提供。

【the kitchen at bacchanalia】

☎+65 9179 4552
住所:39 Hongkong St, Singapore 059678
営業:12:00〜14:30、18:00〜22:30
休日:日曜・月曜

この記事を作った人

撮影/菅野祐二 取材・文/大西健俊