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更新日:2017.06.19食トレンド 連載

まだまだ間に合う! 築地市場関係者の御用達、場内の実力店 from 「ヒトサラspecial」

連日、食のプロたちが集う東京の台所・築地市場には、約300軒の飲食店が揃います。移転の是非に関しては難しい問題をはらんでいますが、今回の延期で、もう少し現在のお店を楽しむ猶予ができました。今のうちに絶対に食べておくべき築地場内の実力店を3店舗紹介します。

築地場内の本当に美味い名店

築地場内一の人気。3時間待ちの価値ある極上寿司店【寿司大】

 河岸がまだ静まりかえったままの午前2時過ぎ。軒先にポツリ、ポツリと並び始めた客は、その後も続々と数を増し、開店直前には30人以上の大行列をつくる。営業時間は午前5時から午後2時。カウンターわずか13席の店に、1日およそ180人の客が訪れるという【寿司大】。それゆえ、3~4時間待ちは当たり前。これが築地場内一の人気店の日常である。
 無論、行列をなしてでも人々が並ぶのは旨くて安い極上の寿司を求めてのこと。築地場内にあるのだから魚の鮮度は言わずもがな。たった4000円で楽しめてしまうおまかせは、寿司10貫に巻物、玉子が付くという内容だ。
 この日、最初に出された大トロを豪快に頬張って恍惚の表情を浮かべれば、次々と繰り出される寿司ネタ。昆布締めにされた金目鯛は、しっとりと皮まで柔らかく、ふっくらとしたアナゴの絶妙な炊き加減…。素材任せではなく、どのネタにも江戸前の仕事が施されているから、しっかりと魚の旨みが引き出されているのが分かる。人気店にありがちな、せかされる雰囲気は微塵もない。最後にサービスで出される、お好みの一貫を味わえば、「またこの行列に並ぼう」と心に誓うのである。

  • お腹も財布も大満足な『おまかせ』

  • 一人客も退屈させないエンターテイメント性に満ちた接客

  • 江戸前寿司には欠かせない『赤貝』

  • ふっくらと炊かれたアナゴの食感と、甘すぎず辛すぎないツメの味わい

 

昭和初期から現在まで80年近く、市場で働く人たちに愛され続ける老舗【とんかつ八千代】

 東京の台所、築地市場。忙しなく働く市場関係者を横目に、飲食店が集まる一角へ。曇りガラスの引き戸の先、わずか12席のカウンターが築地における揚げ物の聖地【とんかつ八千代】だ。鮮魚を扱う職人が多い築地にはその反動からか、意外にも揚げ物の店が多い。しかし通り一遍の味で食のプロたちの舌は満たせない。創業昭和15年。今日の揺ぎない評判は、客に揉まれ研鑽を重ねることで、徐々に築きあげられた。
 メニューの種類は多いが、店の実力を端的に表すのはアジ、ホタテ、車エビなどの魚介フライだ。「寿司屋と同じ質のもの」という新鮮な素材を、ラード(豚脂)とヘッド(牛脂)、サラダオイルを独自にブレンドした油で香ばしく揚げる。ラードとヘッドが衣に旨みを纏わせ、サラダオイルは軽快な食感を演出。このバランスこそが、おいしさの肝。揚げ物のおいしさを改めて実感できる仕上がりだ。
 大盛りのごはんや千切りキャベツ、たっぷり添えられたタルタルソースなどは、働く人たちにスタミナをつけてもらいたいという思いから。そんな温かみある店の絶品定食、遠方から足を運んででも味わう価値がある。

  • 日曜日限定の『チャーシューエッグ定食』

  • 昔懐かしい気さくな食堂の雰囲気

  • 素材の鮮度は折り紙つき。熟練の目利きで最高の一品を選びます。

  • 伝統の業は創業80年を経た現在も健在。

 

最高級の旬の天然物をシンプルな和食で提供【あんこう屋 高はし】

『キンキの煮付』に『赤メバル煮』、『あゆ塩焼き』、『時鮭』、『とり貝刺身』……。店の壁に掲げられたメニューの大半は、その時期、旬の魚を使ったシンプルな和食。築地場内の一角で80年以上に亘り愛される【あんこう屋 高はし】は、築地でも指折りの魚の名店だ。
 赤メバルを例にとれば、取材日の煮付の価格は2000円。そう、「取材日」と書いたのはその日の仕入れにより価格が変動する時価であるのだ。
「本当は2200円でもいいんだけど、いいのが安く入ったから今日は大特価2000円。魚の価値が、分かっている人は驚くと思いますよ」とは3代目・高橋良和さん。
 赤メバルの煮付けが2000円。価格だけを見れば、少々高いと尻込みしてしまう人もいるだろうが、高い安いは食べてから。丸々と太った赤メバルは、ふっくらと炊きあげられ、ひと口味わえば繊細な身質はやさしく、メバル本来の甘い脂は舌に余韻として残る。そう、この店では、料亭などでも使用される最高級の天然物を、毎朝、良和さんが仲卸から仕入れ、提供しているのだ。さらにその後の丁寧な下処理も見事。ウロコを取り、傷みやすい血合いなどは徹底的に洗い、塩水へ。翌日まで寝かせた魚は、驚くほど旨みを蓄えるという。築地が認めた魚の名店。高い安いは食べてから、である。

  • 丁寧にぬめりを取って処理された穴子をじっくり炊く『あなごにこごり』

  • 旬の旨い魚を求め、グルメたちがこぞって通い詰める名店だ

  • 10席のみのカウンター席は、一人で訪れる人が大半

  • 店主のイチオシの自信作『赤メバル煮』

 

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