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更新日:2017.09.17旅グルメ グルメラボ

昼はテリーヌを溶かした「ラーメン」、夜は本格「四川料理」を提供する二刀流中華料理店【馬鹿坊】

フレンチの調理法テリーヌとラーメンという一見相容れない組み合わせを見事にまとめあげた【馬鹿坊】店主・劉宝俊(リュウ・バオジュン)さん。ランチは独創性溢れるテリーヌラーメンを、ディナーでは本場仕込みのインパクトのある辛さが楽しめる四川料理が味わえます。

昼はテリーヌラーメン、夜はシビ辛な本格四川という個性派中華料理店

    ランチタイムは1階カウンターのみのラーメン店、ディナーは2階のテーブル席も使える四川料理専門店に

 店主は中国の遼寧省、大連で生まれた劉宝俊さん。家族みんなで家業であるレストランを営むという育ちゆえ、小学校5年生ごろには厨房に立つように。劉さんにとって、料理人になることは自然なことだったのです。

    ラーメンや四川料理について熱く語ってくれた店主の劉宝俊さん。フレンドリーな笑顔も魅力です

 実家で数年修行したのち、目指したのは故郷から2500kmも離れた四川省重慶、いわずと知れた激辛四川料理の聖地です。そこで2年半みっちり本場の四川料理を学んでから来日した劉さん。当然、本場仕込みの腕を買われて働き出したのは四川料理の専門店でした。しかし、劉さんは個性豊かなラーメンの世界に心惹かれていくようになっていったのです。

唯一無二の味わいを求めて辿り着いた「テリーヌラーメン」

    淡白な鶏胸肉とコクのあるレバーを合わせた、テリーヌを溶かして味わう『とり塩そば』800円(税込)

 醤油から豚骨ラーメンまで多彩なラーメン店を渡り歩いて、独自のノウハウを築き上げていった劉さん。今回取り上げる新しいラーメンのヒントは友人のフレンチシェフとの世間話のなかにありました。そのヒントとは濃厚でリッチな口溶けがおいしいフランス料理の前菜「テリーヌ」です。そこから、テリーヌ&ラーメンという唯一無二のマリアージュへの研究が始まりました。

    濃厚豚骨に自慢の麻辣醤と芝麻醤が効いた『坦々まぜそば』1,000円(税込)

 試行錯誤の末、スープは鶏白湯に。そのスープにどういったテリーヌを合わせるべきか、数ヶ月にわたる試作と試食の連続が始まりました。数十回もの試作を経て、淡白な鶏胸肉とコクのある鶏レバーを使いレアに仕上げた冷製テリーヌに辿り着きました。そのまま楽しんでもよし、鶏白湯の旨さを引き出すためにスープにテリーヌを溶かしながら味わってもよし。まさにフレンチとラーメンのマリアージュです。

本場仕込みのシェフならでは。本格的な四川料理をディナーに

    豚肉の甘みとエビのコクを四川独特の辛味が引立てる『あばらと海老の鷹の爪炒め』1,400円(税込)。唐辛子は食べてはいけません

 ラーメンとともに、劉さんが力を入れているのが四川の本場重慶で修行を積んだ四川料理を提供すること。劉さんが修行した重慶の四川料理は盆地ならではの湿度が高く夏と冬の寒暖の差の大きい気候を乗り切るため、唐辛子や山椒を使った料理が主体に。痺れるような辛さが醍醐味といえるでしょう。

    看板メニューの『四川麻婆豆腐』1050円(税込)は舌がびりびりと痺れる本場仕込みの味わい

 劉さんは中国へ帰るたびに、この料理に欠かせない香辛料を仕入れるため重慶を訪れます。その香辛料でつくる自家製の辣油が味の決め手。『四川麻婆豆腐』に使われるのは、その山椒と唐辛子を独自のレシピで痺れるような辛さに仕上げた麻辣味噌です。ほかにも『よだれ鶏』や『イベリコ豚のクミン炒め』など、四川色の強い料理が日替わりで登場します。

    パクチーならではの独特の風味が存分に楽しめる『パクチーサラダ』900円(税込)

故郷・大連で叩き込まれたレシピを使った、やさしい味わいの『黄金炒飯』

    具材は刻んだ九条ネギのみとシンプルな黄金炒飯1000円(税込)

 中国では昔から薬味としてどの地方料理にも使われている香菜(シャンツァイ)。今ではパクチーというタイ語の名前で広く知られています。九条ネギやタマネギの香味と赤ピーマンの苦みなど繊細な風味が塩と隠し味の砂糖というシンプルな味付けで引き立ちます。

 上質な胡麻油と米油の香ばしい風味が華を添えるパクチーサラダは箸休めにぴったり。パンチのある味で刺激を受けた舌をやさしくほぐしてくれます。店主がこどもの頃から馴染んだ大連仕込みの味わいです。鹿児島産のこだわり旨赤卵(うまあからん)でやさしくコーティングされた炒飯は〆にうってつけです。

 以上、昼はテリーヌラーメン、夜はシビ辛な四川料理。どちらも本格派の二刀流中華料理店のレポートでした。

【馬鹿坊】

  • 電話:06-6372-3368
    住所:大阪府大阪市北区浮田1-4-10
    アクセス:地下鉄谷町線「天神橋筋六丁目駅」徒より歩5分、地下鉄谷町線「中崎町駅」より徒徒歩5分
    営業時間:11:00~15:00(L.O.14:30)、18:00~23:00(L.O.22:30)
    定休日:火曜

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この記事を作った人

撮影/春堂マミ 取材・文/ナカシママサヨシ(フリーライター)

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