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更新日:2017.08.31食トレンド 旅グルメ

モダンとシェフの思い出が化学反応を起こす 、革新的カントニーズ【Bo Innovation】

40歳からキャリアをスタートさせたシェフが、ミシュランの三つ星まで獲得した店。と聞けば、疑問符が付きながらも、期待に胸を膨らませるのではないでしょうか。しかし、味わえばその疑問符は一瞬にしてなくなります。シェフの半生が息づく革新的カントニーズを堪能あれ!

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​​見た目も発言も経歴も異色なシェフが、カントニーズに革命をもたらす

 ​奇抜なファッションにエッジをきかせた発言、古典的な広東料理とは一線を画す料理とプレゼンテーション。かつては「アジアのベストレストラン50」にもランキングされ、『ミシュラン香港』では三つ星まで獲得した【Bo Innovation】。そんなレストランのシェフが、40歳から料理人としてのキャリアをスタートさせたと聞けば、どう思うでしょう。中には、色物的なレストランと勘違いする人もいるかもしれません。ですが、それは誤りです。シェフのアルヴィン・ラン氏は、まぎれもない天賦の才を持つ料理人。世界的に見れば、イタリアにも39歳から料理を始め三つ星まで上り詰めた【アンティカ オステリア デルポンテ】など、稀な例もありますが、アルヴィン氏の特筆すべきは独学で料理を学び、三つ星まで獲得したこと。セルフプロデュースの上手いシェフですが、料理の腕前も超一流なのです。
 では、そんなシェフがつくる料理とは一体!? これがまたコンセプチュアルで、食べ手をワクワクさせるのです。

    入り口から店内へと続く壁。シェフの香港に対する思い出を壁画で表現した

​シェフの世界観の息づく料理が、あの手この手で繰り広げられる

​​ コースに登場する一品目から、ゲストはアルヴィン氏の世界に引きずり込まれます。双六盤を模したお皿には3種のフィンガーフード。そしてその脇には香港のストリートフードをアレンジしたエッグワッフル。その真意をアルヴィン氏に聞けば「私の料理は、自分の記憶に刻み込まれた香港に対するイメージを表現しているんです。これは、幼きころの香港そのもの」だといい、さらに「それをどう味で表現し、プレゼンテーションするか。自分の料理は舌で味わって感じるものでなく、直接脳を刺激する料理」と続けます。

    双六盤に香港のストリートフードをアレンジしてサーブ

 フォアグラが供された一品は、豚バラと梅菜という高菜にも似た漬物とともに醤油で煮込んだ『梅菜扣肉』という、シェフが幼い頃から大好きという料理をアレンジ。その料理を分解、フォアグラなどを使い、再構築したのだといいます。上品な和菓子のようにも見えるのは、小籠包のイメージ。ポークでしっかり出汁をとったスープを海藻由来のオブラートで包んだ分子ガストロノミーのテクニックを使った料理で、ぷちんとオブラートを破れば、まさに小籠包の世界が口中を支配します。一事が万事、そうして繰り広げられる料理が、息つく暇なく繰り出されるのです。アルヴィン氏は、色物でもなんでもなく、紛れもない天才型のシェフなのだと。

    小籠包を分子料理のテクニックを持ちいて表現した一品

アルヴィン・ラン氏

40歳からのキャリアスタート。そして、ミシュランの三つ星を獲得

 40歳を過ぎてから料理人になったというものの、幼い頃から自ら料理をしなくてはならない環境に育つ。当時、人気だった料理番組で料理を学び、それが現在の遊び心や自由な発想を生み出す要因になった。伝統的な中国料理を現代の高度なテクニックを使ってつくるイノベーティブな広東料理が真骨頂。2014年から2年連続で『ミシュラン香港』で三つ星を獲得した。

【Bo Innovation】

ボー イノベーション
☎+852 2850 8371
Shop 8, 1/F, The Podium, 60 Johnston Road, Wan Chai, Hong Kong
営業:12:00~L.O.14:00、19:00~L.O.22:00、土曜・祝日18:00~L.O.22:00
休日:日曜

この記事を作った人

撮影/鈴木拓也 取材・文/吉田慎治

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