<タイ・ローカルフード紀行 VOL.010>さっぱりヘルシー『フィッシュヌードル』
魚のすり身からつくった珍しい麺が評判を呼び、常に混み合っている小さなレストラン。海の恵みがぎゅっと詰まった一皿は、ダイエットにもぴったり?
麺はうどんのような見た目。口にすると、むちっとした歯ごたえ、そして、ふわりと潮の香りが漂うのです。
「う、海だ……」
きっとそう感じるに違いないこの麺、魚からできているのです。麺大国のタイでもあまり見ることのない『セン・プラー』で有名なのは、バンコク都心部のBTS(高架鉄道)トンロー駅そばにある【セーウ】です。
店頭で忙しく働くスタッフの皆さん。外国人の応対には慣れている
セン=麺、プラー=魚。白身魚をすり身にして、これを細長く伸ばして麺にしていく『セン・プラー』は、独特の弾力と香りで評判なのですが、出しているお店は多くはありません。日持ちしないからです。
お店は常に混雑。お昼どきははずしたほうがいいかも
タイの屋台や食堂といえば、麺はどこにでもありますが、そのほとんどはバミーという小麦麺か、クイッティオという米麺です。どちらもおいしいのですが、レア感でいえば魚麺が勝ります。
『セン・プラー』60バーツ(約200円)。英語では Fish Noodle with Soup
そしてこちらの【セーウ】は、魚麺をはじめとした自家製の練り物が評判で、客がばんばん回転していきます。お昼どきは並ぶこともあるほどです。だから具材が古くなることもありません。足の速い食材をふんだんに用意できるのは、味がいいからなのです。
大きな寸胴で煮込まれた豚骨ベースのクリアスープには、魚麺のほかにも具がたっぷり。2種類のワンタンははちきれそうなほどに身が詰まっています。歯ごたえたっぷりのつみれも、魚でつくったもの、エビでつくったものなどいくつか入っています。
別途頼みたい肉団子『セーウ・ポーク』60バーツ(約200円)
そして特筆モノは、豚の肉団子。これ、噛むほどに旨味があふれてくるんです。しかもでっかい。このジューシー肉団子もやっぱり人気で、別皿で注文できます。直径10センチくらいの大物もごろごろ。ほかにエビ団子や、つみれ盛り合わせなども注文できます。
スープの味つけも、トムヤムやイェンタフォー(紅腐乳)があるし、また麺は小麦のものも用意されています。そのほかに、つみれを雑炊に入れるオプションメニューも。
しかし炭水化物カットの低糖質ライフを送っているなら、ふつうの麺ではなくだんぜん『セン・プラー』がおすすめです。カロリーが低く、しかも満足感いっぱいになれるでしょう。ただしこのお店、マンゴープリンやブラウニーなどのスイーツでもタイ人女子に評判なので、そちらの誘惑を断ち切るのはたいへんかもしれません。
トンローはバンコクでも若者の多いハイソなエリアであるほか、日本人をはじめ外国人在住者がたくさん暮らす街。だからメニューには写真と英語完備で注文しやすいのも嬉しいです。
【Zaew(セーウ)】
電話:02-391-0043
住所:Between Sukhumvit Soi 55 and Soi 56 on Sukhumvit Road, Bangkok
営業:7時~16時
定休日:不定休
この記事を作った人
取材・文/室橋裕和(フリーライター)
タイに10年在住し、現地日本語情報誌を中心に活動。帰国後は雑誌や書籍、ウェブなどの執筆・編集にあたり「アジアのいま」を発信している。タイ料理ではラープ・ペット(アヒル肉とハーブのサラダ)をカオニャオ(もち米)と一緒に食べるのが大好き。
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