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更新日:2018.12.27健康美食 旅グルメ

納得のゆく合鴨を求めて自ら飼育を始めた、新大久保の韓国式合鴨専門店【サムスンネ】

韓国では牛、豚、鶏と並んで「オリ」と呼ばれる合鴨の人気が高い。そんな韓国式合鴨料理の専門店が、コリアンタウンとして知られる東京・新大久保にある。しかも、その合鴨は自分たちの手で飼育。自慢の合鴨を塩焼き、薬味ダレ焼き、鍋料理と多彩な調理法で味わう。

美味しくヘルシーな合鴨料理を
韓国式の調理法で味わう

新大久保でも希少な専門店

    韓国では合鴨をよく食べる。焼肉のほか鍋料理も一般的

 韓国における焼肉料理の多様性は、日本でも知られてきたのではないでしょうか。牛焼肉のみならず、『サムギョプサル』(豚バラ肉の焼肉)や、『テジカルビ』(豚カルビの焼肉)といった豚焼肉も韓国では定番。また、近年の日本で大流行している『タッカルビ』(鶏肉と野菜の鉄板炒め)も鶏焼肉の一種と言えます。でも、合鴨の焼肉となるとまだまだ知らない人も多いはず。韓国では牛、豚、鶏と並んで、「オリ」と呼ばれる合鴨(アヒル)をよく食べます。

    店名の【サムスンネ】はママさんの名前からとったもの

 東京・新大久保にある【サムスンネ】は韓国式合鴨料理の専門店。他店にはないオリジナリティのあるメニューを出そうと、2009年1月から提供を始めました。とはいえ、はじめは納得のゆく仕入れができず苦労も多かったとのこと。あれこれと試す中で導き出したのは、「ならば自分たちで育ててみよう」というアグレッシブな選択肢でした。

    店頭に掲げられた看板には「国産常陸鴨」使用の文字が

 設備を整え、必要な認可を受けるとともに、飼育に関するノウハウを研究。最初は試行錯誤の連続だったといいますが、現在は軌道に乗って他店にも卸すほどになりました。茨城県稲敷市に飼育場を構えたことから、地域の名産であるレンコンを飼料に混ぜるなどの工夫も加えつつ、現在は「常陸鴨」(ひたちかも)の名前でブランド化も進めています。
 息子さんを中心に合鴨を飼育しつつ、それをお母さんが店で調理するという家族での分業体制です。

    いちばん人気の『合鴨の塩焼き』(1人前1,620円、2人前から)は9割以上の客が注文

 専門店とあって【サムスンネ】ではさまざまな合鴨料理を提供していますが、もっとも人気のあるメニューが『合鴨の塩焼き』。合鴨本来のうまさをシンプルに味わう食べ方ですが、韓国で有名な新安(シナン)産の天日塩を店で焼いてから使うなど、密かなこだわりも詰まっています。

    酢漬けの大根と一緒に食べることでより美味しくなる

 焼けた合鴨はタレにつけた後、薄切りにした大根の漬物で巻いて食べるのがおすすめ。ほんのりと酸味のある大根が、後味をさっぱりさせてくれるため、後を引いてどんどん食べられます。あるいはタレにつけるだけでも合鴨のよさがわかりますし、ちょっと酸味の効いたキムチと一緒に食べても美味しいです。

    辛い料理が好きな人は『合鴨チュムロク』(1人前1,890円、2人前から)もおすすめ

 初めて行くならまずは塩焼きが定番ですが、ピリ辛の薬味ダレで揉み込んだ『合鴨チュムロクセット』も韓国らしい食べ方です。辛いだけでなく甘こってりとした味のタレが合鴨に染み込んでおり、長ネギ、タマネギ、ジャガイモといった野菜ともよく合います。

    『オリペクスク』(中2~3人前4,536円、大3~4人前6,480円)のお粥はエゴマの粉が入って香ばしい

 あるいは丸ごとの合鴨を煮込んだ、『オリペクスク』も食べごたえのある一品。高麗人参、黄耆(キバナオウギ)、当帰、ナツメといった韓方材を一緒に煮込んでいるので、滋養強壮など薬効の面でもおおいに期待ができます。ほろほろと柔らくなった合鴨は、少量の塩につけて賞味。これをひとしきり楽しんだ後、煮汁にもち米を加えたお粥で仕上げとします。

    『合鴨チャーシュー』(1,620円)ほか多彩な合鴨料理を楽しめる

 以上の三品はそれぞれメイン級ですが、サイドメニューとしても合鴨料理は充実。カラシ醤油につけて白髪ネギと味わう『合鴨チャーシュー』は、前菜、おつまみにぴったりですし、砂肝とニンニクを炒めた『合鴨の砂肝』(1,296円)や、『合鴨の手羽先』(中1,944円、大3,780円)など、部位ごとの特性を活かしつつ楽しめるようになっています。ひと通りの合鴨料理を味わうだけでも、何度か通う必要があるでしょう。

    美味しいだけでなく栄養もたっぷりの『コンビジチゲ』(1,296円)

 そのうえで、合鴨以外のメニューにも触れておきましょう。この店のよさは合鴨料理の素晴らしさだけでなく、料理上手なお母さんの作る家庭料理も抜群。中でも特筆したいのがこちらの『コンビジチゲ』です。コンビジとはおからのことで、もともとはおからをチゲに仕立てたものですが、最近は大豆そのものをミキサーにかけて使うことが多いです。これを牛骨スープと掛け合わせつつ、具材として豚肉と熟成キムチを加えます。

    大豆の風味とキムチのほどよい酸味が絶妙に調和する

 大豆の甘さと香ばしい風味に、熟成キムチの酸味が折り重なって深みのある仕上がり。キムチ鍋をさらにグレードアップさせたような味とも言えますが、やはり基本となるのはキムチの味だそうです。【サムスンネ】のキムチはお母さんの出身地である全羅道(チョルラド)式。アミ、カタクチイワシ、イカナゴという3種類の塩辛と、すりおろしたリンゴを使うのが特徴です。キムチの上手なお母さんの料理に外れなし。看板である合鴨料理を含めた大前提となるポイントです。

* 価格はすべて税込み

【サムスンネ】

電話:03-3207-1768
住所:東京都新宿区大久保2-18-10新宿スカイプラザ108
アクセス:JR「新大久保」駅から徒歩6分
営業時間:12:00~24:00(LO23:30)
定休日:水曜日

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この記事を作った人

八田靖史(フリーライター)

慶尚北道広報大使、慶尚北道栄州市広報大使。コリアン・フード・コラムニスト。2001年より雑誌、新聞、WEBで執筆開始。トークイベントや講演、韓国グルメツアーのプロデュース。近著に「イラストでわかる はじめてのハングル」(高橋書店)。WEBサイト「韓食生活」を運営。

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