輝く新世代の女性シェフにインタビュー|【梅香 料理人】伊藤光恵さん
男性たちが中心の飲食業界で繊細な感性で活躍する“女性シェフ”に注目。彼女たちの料理にかける思いやストーリーをご紹介します。今回は、四川料理を提供する神楽坂【梅香】。独創的な料理をつくり出す料理人、伊藤光恵さんをご紹介します。
食材に優劣をつけずに敬意を払う
趙楊さんからその大切さを学びました
「学生時代、何気なく読んだ熊谷喜八さんの本に書いてあった“食を通して人を幸せにしたい”の一言が、ずっと頭の片隅にあったんです」。こう語るのは伊藤光恵さん。今や神楽坂の名店の一つに名を連ねる四川料理店【梅香】のオーナーシェフだ。
住宅街の一角に佇む飾り気のない店構え。
短大を卒業後、その言葉を胸に熊谷シェフの多国籍レストラン【キハチ】に就職する。そこで【キハチチャイナ】なら厨房にすぐ入れると聞き、中華に転身。調理場はどこも過酷だが、重い鍋と炎を操らなければならない中華は一段と厳しい。女性ならばなおさらだ。だが、伊藤さんは中華って面白いと思ったという。
いわく「鍋一つで煮る、焼く、揚げる、蒸すなどほぼ全ての調理法ができるうえ、火の周りにほとんどの調味料があるので体を動かさずに料理ができる。効率の良い料理だと思った」そうだ。
『蟹の淡雪炒め』2,490円。終始強火で炒めつつも、メレンゲ状の卵白は、その名の通り淡雪の如くホワホワでそれでいてどこかねっとりした旨味も兼ね備えている。火加減とタイミングがものをいう佳品。
修業の傍、食べ歩きで舌を磨いていくなかで出合った【趙楊】の料理に深く感動した伊藤さん。3年間勤めた【キハチ】を辞め、即刻趙楊さんに弟子入りを果たす。「まず香りの高さが素晴らしい。加えて素材一つ一つの味が、調味料に負けることなくきちんと引きだされているのには驚きました。何もかもが衝撃的だったんです」。
『牛肉山椒オイル掛け』1,950円。四川の代表的な料理の1つ『水煮牛肉』。伊藤さんが初めて【趙楊】で食べてその香りと辛さに感銘を受けた思い出の一皿。
途中六本木のワインバーで腕を振るうも、再度【趙楊】に戻り、都合6年趙楊さんの薫陶を受け、32歳で独立。11年前のことだ。「趙楊さんは、きゅうりもフカヒレも同じ愛情を持って調理するんです。技術的なことはもちろん、“食材への敬意”を趙楊さんから教えられました」。
この記事を作った人
撮影/今清水隆宏 取材・文/森脇慶子
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