【題名のないパン屋】味噌を練り込んでつくる食パン!? 平和島に高級食パン専門店がオープン
2019年4月24日、大田区の平和島に新たに高級食パンのお店が開店、その名も【題名のないパン屋】。店名もユニークなら、そのパンの製造もユニーク。なんと、食パンの製造に“味噌”を使っているのだそうですが、はたしてそのお味は……。
コッペパンブームの仕掛人がプロデュース
平和島駅から歩いて5分。穏やかな空気が流れる住宅街の一角、「美原児童公園」の目の前に、2019年4月24日、高級食パン専門店【題名のないパン屋】がオープンしました。
この店のプロデュースを手がけた岸本拓也さんは、全国各地にさまざまな人気のベーカリーをプロデュースした、ベーカリー専門のプロデューサー。
今回の新店もそうですが、店名センスがとてもユニークで、清瀬市と菊名市【考えた人すごいわ】、札幌【乃木坂な妻たち】、中野【うん間違いないっ!】、神奈川【これ半端ないって!】、鹿児島【偉大なる発明】など。パンの味もさることながら、一度聞いたら忘れないような独特の店名で、各地で好評を博しています。
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ベーカリー・プロデューサーの岸本拓也さん。コッペパンブームの仕掛け人として、「ガイアの夜明け外食王3」(テレビ東京系列)にも出演
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味噌を使ってつくられる食パン
販売しているのは3種類の食パンのみ。味噌を使った『無の極み“味噌”』840円と、それにレーズンを練り込んだ『無の極み“ぶどう”』980円、そして味噌を使わない『無題の熟成(プレーン)』800円(すべて税込)
3種類の食パンのなかでも、やはり一番肝入りの商品が『無の極み“味噌”』。味噌を練り込んでいる、といっても、製造の過程で配合しているので見た目は完全な食パン。しかし使われているからには、「しょっぱいのかな、味噌の香りがするのかな」と思いきや、食べてみるとまったくそんなことはありません。
プレーンな『無題の熟成』も食べるとすごくわかりやすいのですが、むしろ味噌を使っている『無の極み“味噌”』のほうが甘みと食感のみずみずしさが強く感じられます。耳までしっとり、非常に口どけが良く、その食感とやさしい甘みのバランスはじつに絶妙です。
使っている味噌は、江戸味噌といって、江戸で生まれたといわれる味噌。通常の味噌に比べ、水分がやや多めで味噌そのものに甘みがあるそう
江戸味噌を、絶妙な分量で配合することで食パンの仕上がりに甘みとしっとりとした食感が増すそう。
ですが、なぜ【題名のないパン屋】では食パンに江戸味噌を使おうと思ったのでしょうか。それは、このベーカリーを経営する会社に理由があります。
じつは、135年続く和惣菜店が
新規事業として立ち上げたベーカリー
1884年に創業し、大森で佃煮製造業を開始。現在では、大丸松坂屋百貨店(東京)や京王百貨店(新宿)、小田急百貨店(新宿)をはじめ、14店舗の惣菜店を展開
【題名のないパン屋】を経営するのは、じつは大田区・大森で135年続く「佃浅(つくあさ)商店」という和惣菜店で、食パンに使われている江戸味噌は、惣菜づくりに代々使われてきたものなんだそう。
2017年、7代目の杉原健司さんが事業を継いだ際、パンと和惣菜の組み合わせにチャレンジしたいと、これまでやっていなかったベーカリー事業への参入を決意。後に、プロデューサーである岸本拓也さんと出会い、今回のオープンに至ります。
つまり、江戸味噌と食パンは、和惣菜店としての強みをベーカリー事業にも継承したいという思いから生まれた組み合わせだったのです。
和惣菜との相性を追求した食パン
厚切りの食パンに、厚焼き玉子をサンド。甘めに焼いた厚焼き玉子と、やさしい甘みのパンの組み合わせは、もはやスイーツ(販売はしていません)
そうした背景もあり、【題名のないパン屋】で販売する食パンの味は、“和惣菜との相性”を追求してつくられています。
たとえば、プレオープンの日に和惣菜との組み合わせ例として、出されたのは“卯の花”や“ナスのそぼろ煮”、“ザーサイと大根と蒸し鶏の和え物”、そして甘く焼いた玉子焼きをはさんだ“玉子サンド”など。食パンのやさしい甘みと和惣菜のやさしい塩気がとてもいいバランス。
日常見かける食品の掛け合わせなのに、いままで食べたことのないような味わいに、不思議な感覚を覚えます。
現状、店舗ではお惣菜の販売などは行っていませんが、気兼ねなく自宅で、さまざまな惣菜と合わせてみるのも楽しいかもしれません。
この記事を作った人
ヒトサラ編集部
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