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更新日:2021.06.01食トレンド デート・会食

「鳥さわ」が手掛けたイタリアン! 完全紹介制の新店が早くも話題沸騰 |恵比寿【Lemon】

紹介制・電話番号非公開というクローズドな空間ながらも、おいしいもの好きの間では話題沸騰の【Lemon】。その理由は、予約困難な店である【鳥さわ】グループのオーナー、中澤章さんが手掛けたイタリアンだから。「【鳥さわ】系列の紹介制イタリアン」という好奇心と胃袋をくすぐる最旬店が2021年4月3日にオープンしました。

恵比寿のLemon

名店出身、若きシェフによる素材を生かしたコース料理

【Lemon】が店を構えるのは、恵比寿の通称「新橋グルメ通り」。飲食店が軒を連ねる表通りはシャッターで閉ざされていて、ここがレストランだとは思いもしないはず。エントランスは、ひっそりとした裏道へ。目印は、ぽつんと灯る行燈と表札のように置かれたレモンです。

    見落としてしまいそうな、ビル裏口のエントランス。営業時は、ドア横にレモンがちょこんと置かれている

    見落としてしまいそうな、ビル裏口のエントランス。営業時は、ドア横にレモンがちょこんと置かれている

知る人ぞ知る隠れ家にたどり着いてからが、お楽しみの本番。カウンターに囲まれた厨房で迎えてくれるシェフが北野敏庸さんです。

広尾の日赤通りにある【イル・テアトリーノ・ダ・サローネ】でシェフを務めていたときに、同店を訪れた中澤さんと親交を深め、【Lemon】の開店に至ったという北野さん。鳥さわ×イタリアンという意外な組み合わせを実現させた北野さんの料理は、おまかせコースで展開します。

    スターターはシンプルな生ハム。その時にベストなものが供されるので、産地や熟成度はさまざま

    スターターはシンプルな生ハム。その時にベストなものが供されるので、産地や熟成度はさまざま

1皿目は生ハム。この日はウンブリア州ノルチャ産、14ヶ月熟成のものを。脂はさらりとして、豚の甘みが生きた味わいは、シャンパンなどの食前酒に最適です。極薄くスライスされた生ハムから透ける色絵が美しい皿は、中澤さんが買い集めていた古伊万里。

    奇をてらわない美しい前菜。「【鳥さわ】の新店だからといって特別なことはしない」と言う北野シェフ

    奇をてらわない美しい前菜。「【鳥さわ】の新店だからといって特別なことはしない」と言う北野シェフ

本場・プーリア州から届くブラータチーズは、アメリカンチェリーと合わせてカプレーゼに。クリーミーなブラータに甘酸っぱい果汁が弾けるチェリーは、もちろん相性抜群。
これまでにミニトマトをはじめ、清見オレンジ、宇和ゴールドといった旬の野菜やフルーツを使ってきた一皿です。

    素朴な郷土料理をアレンジしたメニューは、熱々のココットで登場。卵をとろりと崩し、絡めながら食せばワインが進む

    素朴な郷土料理をアレンジしたメニューは、熱々のココットで登場。卵をとろりと崩し、絡めながら食せばワインが進む

とんかつの名店も贔屓にする「中屋パン粉工場」のパンの耳を取り入れた、熱々のメニュー。
本来は残り物のパンをトマトソースで煮込んだ郷土料理「パッパ・アル・ポモドーロ」をベースに、アスパラソバージュとベシャメルソースを添え、卵を落としてグラタン仕立てに。

    コクのある鳥ミンチのボロネーゼは、たっぷりのスープとともにいただけばするりとお腹におさまる。料理はすべて12,000円のコースより

    コクのある鳥ミンチのボロネーゼは、たっぷりのスープとともにいただけばするりとお腹におさまる。料理はすべて12,000円のコースより

3品から選べるパスタが〆となるうれしいコース構成。

そのうちの一つ、ボロネーゼは【鳥さわ22】でもお馴染みのにゅうめんと同じ鶏がらスープと青のりを使い、【Lemon】ならではの一品にしています。濃厚な鶏がらスープを煮含めた太めのパスタ、鶏ミンチにはブロード、白ワイン、香味野菜などを加えて旨みをぎゅっと凝縮させ、青のりがほっと落ち着く味わいにまとめ上げています。

今回ご紹介できたのは、ほんの一部。厨房には【鳥さわ】の店舗からやってきた焼き台もあり、肉や魚の炭火グリルも登場します。

幅広く揃えたワインと、大人仕様のノンアルコールがおすすめ

ドリンクは【鳥さわBAR】で腕を振るっていた國井健奈生さんが担当。
アルコールはビールやウイスキー、リキュール各種を扱いつつ、料理と合わせて楽しむ方が多いのはやはりワインだそう。

    自然派ワインからスタンダードで飲みごたえあるものまで揃えたワインは、グラス900円~、ボトル7,000円~

    自然派ワインからスタンダードで飲みごたえあるものまで揃えたワインは、グラス900円~、ボトル7,000円~

自然派を中心に、ナチュール特有の風味が苦手な人にも好まれるクラシックな味わいのものまであるラインナップ。料理に合わせて、その日に用意されたグラスワインを楽しんでも、60~70種類を取り揃えたなかからお好きなボトルを開けても良し。

    「Tangerine」はるかジュース900円、ノンアルコールカクテル800円~

    「Tangerine」はるかジュース900円、ノンアルコールカクテル800円~

もちろん、ノンアルコールのドリンクにもこだわりがあります。國井さんがこれぞと見込んだのは、愛媛県宇和島市「Tangerine」のジュース。日向夏の自然交配種「はるか」を絞った無添加ジュースは、爽やかな甘さにほろ苦さが効いています。

気分を上げるならモクテルを。タイムで香りづけした自家製レモンシロップをソーダで割った一杯は、すっきりとした飲み口が食事のお供にぴったりです。

アラカルトも登場予定! さまざまなシーンに使える隠れ家的レストラン

コンクリートの梁や配管がむきだしになったダークトーンの空間に、レモンイエローのナフキンやカトラリーがアクセントになったインテリア。

    オープンキッチンとL字カウンターのメインフロアは、黒とコンクリートの基調に黄色が映える

    オープンキッチンとL字カウンターのメインフロアは、黒とコンクリートの基調に黄色が映える

キッチンの臨場感を楽しむなら9席あるカウンターへ。気心の知れた友人やとっておきのデートにおすすめです。落ち着いた時間を過ごすなら個室へ。キッチンと直結しているので、特別感のあるプライベートな会食にどうぞ。

    メインフロアを通らずに入れる完全個室だからプライベートな時間も守られる

    メインフロアを通らずに入れる完全個室だからプライベートな時間も守られる

今後は中庭を造り、テラス席を設ける予定とのこと。さらに、コース料理だけではなく、遅い時間にはアラカルトを提供するようにしたいと言う北野シェフ。リラックスしたシーンにも気軽に訪れたくなる【Lemon】も待ち遠しい。

    京都【リストランテ キメラ】や広尾【イル・テアトリーノ・ダ・サローネ】などの名店を経た北野敏庸シェフ

    京都【リストランテ キメラ】や広尾【イル・テアトリーノ・ダ・サローネ】などの名店を経た北野敏庸シェフ

紹介制というハードルの高さはありながら、足を踏み入れてみれば、ふっと肩の力が抜けるような心地よさは、北野シェフや國井さんら、スタッフが創り出しているようです。

「【Lemon】という店名の由来は?」と誰もが聞きたくなる疑問には、「5回通っていただけたら教えます(笑)」と遊び心あふれる回答が。そんなお題を課されずとも、通います!
プレミアムシートを求めて、訪れたい隠れ家が誕生しました。

シェフプロフィール:北野 敏庸

    1991年生まれ、兵庫県出身。辻調理専門学校を卒業後、京都【リストランテ キメラ】を経て、サローネグループに入社。2018年より【イル・テアトリーノ・ダ・サローネ】シェフを務める。2021年、恵比寿【Lemon】のオープンに伴い、同店のシェフに就任。

    1991年生まれ、兵庫県出身。辻調理専門学校を卒業後、京都【リストランテ キメラ】を経て、サローネグループに入社。2018年より【イル・テアトリーノ・ダ・サローネ】シェフを務める。2021年、恵比寿【Lemon】のオープンに伴い、同店のシェフに就任。

この記事を作った人

撮影/佐藤顕子 取材・文/首藤奈穂(フリーライター)

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