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更新日:2021.06.03食トレンド

知ってるおいしさと違う! さらりと入ってじんわり旨い麻婆豆腐【古月 新宿店】|シェフがオススメするお店に行ってみよう

シビれや辛味がフィーチャーされがちな麻婆豆腐ですが、今回紹介するのはそれに対をなす、やさしさすら感じる麻婆豆腐。編集部イチ、麻婆豆腐が大好きな郡司が、新宿御苑脇の【古月 新宿店】のランチで初めて出会うタイプの麻婆豆腐に衝撃をくらってきました。

【古月 新宿店】麻辣豆腐 ランチ

さて、今回も「シェフがオススメするお店」サイトからピックアップした、お店と料理を紹介します。

新宿御苑近くの中国料理店【古月 新宿店】をオススメしてくれたのは、広尾のイタリア料理店【草片 cusavilla】の中東 俊文シェフ。京都の名店【草喰 なかひがし】の店主の元に生まれ、自身も旬の野菜を中心としたイタリア料理で東京の食通に支持されている料理人です。

【古月 新宿店】をオススメする料理人
【草片 cusavilla】中東さん

【草片 cusavilla】中東さん

薬膳中華なので体にやさしく、二日酔いでもしっかり食べられます。辛いものは苦手なのですが、山椒が効いたここの『四川マーラー豆腐』はお気に入りです。

じつは最下部のプロフィールにも書いているとおり、わたくし、大の麻婆豆腐好き。

気になるお店に訪れるのはもちろん。ピーシェン豆板醤、豆チ、花椒油、花椒の実などの本格調味料を家に常備し、葉ニンニク(ふつうのスーパーに置いてない)を手に入れて本格麻婆豆腐づくりに挑むくらいには、大好物なのです。

なかでも、花椒のシビれが強めなストイック系の麻婆豆腐で、白米を食べるのが最高。

……ということで、今回は大好物の麻婆豆腐を求めて、喜び勇んで【古月 新宿店】のランチにうかがってきました!

  • 赤い外観に、食欲を刺激される

    赤い外観に、食欲を刺激される

  • 窓から見える御苑の新緑が気持ちいい

    窓から見える御苑の新緑が気持ちいい

お店に入ると、中国の伝統的な模様、意匠、飾り、中国茶器などの小物が飾られ、BGMに流れる二胡(イーウー・中国の弦楽器)の曲線的な音色も相まって、シノワなムードが盛り上がります。

お昼どき、窓から差し込む自然光が店内を明るく照らし、その雰囲気はさながら台湾の茶芸館のよう。

お昼のメニューは
『今週のランチセット』1300円
『冷やし担々麺セット』1300円・夏季限定(〜8月末)
『ランチコース』3500円
の3種類。

おめあての『四川マーラー豆腐』が食べられるのは、メインにサラダ、ご飯、香の物、スープ、デザートが付いた『今週のランチセット』。週替わりのメインを3種類から1つ選ぶのですが、『四川マーラー豆腐』だけは毎週かならずラインナップされています。

注文。

さぁ、一体どんな刺激的な麻婆豆腐が出てくるのか……!

今まで出会ったことがないタイプの麻婆豆腐

    見た目はすごく辛そう……

    見た目はすごく辛そう……

土鍋のなかでは小さな泡がぐつぐつ、湯気がふわ〜っと立ち上ります。
もう見た目からしてたまりませんが、ゼロ距離で食欲を刺激してくるような香りもまたいい。

ウナギの蒲焼の香りでごはんを食べるケチな人が出てくる古典落語がありますが、この麻婆豆腐ならイケそうな気がしてきました。

しかし! 今はそんなことをする必要もないので、大きめの豆腐にいい量のひき肉が入るようにレンゲですくって、いざ実食……!

    ぱくっ

    ぱくっ

んん……ん………………んん?

お…………おお…おおおぉぉ!

なんか、自分が知っている麻婆豆腐と違う! でも、すっごくおいしい〜!!!

なにが違うって、その口あたりのやさしさ。見た目からは想像できないくらい、一口が「さらっ」と入ってくるんです。そして、噛んでいると奥に潜んでいた旨みがじわわっと徐々に勢力を拡大していきます。

こんなにスムーズに食べられる麻婆豆腐は出会ったことがないぞ!?

かすかに、辛味やシビれも感じますが、ささやかでむしろ心地いいぐらい。

  • 麦ごはんなのをいいことに、おかわり

    麦ごはんなのをいいことに、おかわり

  • 山椒をかけると、シビれではなく爽やかさが増すのが不思議

    山椒をかけると、シビれではなく爽やかさが増すのが不思議

よく見かける麻婆豆腐は、あのとろみのおかげなのか全体の味が均一なことも少なくないです。

ですが、こちらの麻婆豆腐は、豆腐は豆腐、ひき肉はひき肉。それぞれの素材感がしっかり残っています。それらが口中調味で一体となっていくときの、味よ、香りよ……あぁ、おいしい。

いろいろな麻婆豆腐を食べてきましたが、こんなタイプの麻婆豆腐は初めて。「辛さにやみつきになる」とはよく言いますが、この麻婆豆腐は辛さではなく、その口あたりと旨みの連続性に次の一口が止まらなくなります。

刺激強めなストイック系が大好きだった自分も、その逆をいく麻婆豆腐のおいしさを知ってしまいました。

今なら、中東シェフが冒頭のコメントで、「二日酔いでもしっかり食べられる」と言っている理由がわかる気がします。(すいません、最初は二日酔いに麻婆豆腐食べたくないと思ってました)

    デザートは『烏龍茶のゼリーと陳皮(ちんぴ)のおしるこ』

    デザートは『烏龍茶のゼリーと陳皮(ちんぴ)のおしるこ』

とはいえ、チリも積もれば山となるがごとし、かすかな辛味とシビれはちょっとずつ蓄積して、一皿食べ終わるころに体はぽかぽか。

それを、きれいにリフレッシュしてくれたのが食後に出てきた『烏龍茶のゼリーと陳皮(ちんぴ)のおしるこ』。
あずきのやわらかい甘みと、ひんやりとした烏龍茶のゼリーの爽やかな苦味に“涼”を感じる、夏に食べたいやさしいデザートです。

あぁ、おいしかった! ごちそうさまでした!

* * *

自分がいままで好きだと思っていたものと真逆の味に出会い、奥深い麻婆豆腐の世界に、また一歩足を踏み入れた気がします。

店を出て「新宿御苑でも散策して帰るか〜」と思い入口に行くと、「感染拡大のため、当面の間閉園」という看板が……!

新宿御苑には、一歩も足を踏み入れられませんでした。

  • なんと……

    なんと……

  • 公園の沿道に咲いていたアジサイ

    公園の沿道に咲いていたアジサイ

この記事を作った人

ヒトサラ編集部・郡司

旅行ガイドブックの編集者だったが、外食・居酒屋好きが昂じてヒトサラへ。居酒屋文化とシューマイ、痺れる麻婆豆腐が大好き。

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