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更新日:2021.08.12食トレンド デート・会食

カウンターで“出来立て”を味わう、夜のデセール専門店|【Patissiere MAYO】六本木

仕事帰りに、ディナーの後に、つくり立てのデザートが楽しみたい! そんな願いを叶えてくれる一軒が2021年2月にオープンしました。フレンチやイタリアンの名店で腕を振るった宮田真代さんが独立、六本木に構えた【Patissiere MAYO(パティシエール マヨ)】です。カウンター8席のみで完全予約制。開店半年足らずながら、予約サイトでは受付開始から瞬く間に満席になってしまうほど。

【Patissiere MAYO】『ピーチメルバパフェ』

格別のおいしさを堪能できる“出来立て”デザート

【Patissiere MAYO】があるのは、六本木駅から徒歩3分ほどのビルの2階。いくつかの飲食店が入っているビルではありますが、路面に看板が出ていないのでどこか隠れ家のような落ち着きがあります。ドアを開ければ、さながらバーのようなシックなトーンのインテリア。カウンター越しに迎えてくれるのが宮田真代さんです。

    【Patissiere MAYO】の内観

    黒を基調にした空間に、スポットライトが手元を照らす全8席のカウンター

L字カウンターが囲むキッチンで、つくり上げられる様を目の当たりにできるのが【Patissiere MAYO】の最大の特徴。まずは、宮田さんのよどみない手つきで完成していくデザートを目で楽しんで。それから口には運ぶと、“出来立て”でしか味わえないおいしさに驚かされるほど。

    【Patissiere MAYO】『できたてしょーとけーき(桃)』

    使われたフルーツを表す色合いのプレートにのせて。『できたてしょーとけーき(桃)』1,430円(税込)

出来立てデザートの醍醐味を堪能できるのが『できたてしょーとけーき』です。華美なデコレーションはなく、潔いくらいシンプルな佇まい。スポンジ生地と生クリーム、旬のフルーツのみで仕上げています。そっとナイフを入れないと倒れてしまいそうな、ふわり柔らかな一品は「飲めるショートケーキ」と評する人もいるほど。

    【Patissiere MAYO】『できたてしょーとけーき(桃)』

    出来立てだから可能な生クリームの口溶け、フレッシュな桃のジューシーさ

生クリームは2種類をブレンドすることで軽やかさとコクを引き出し、その日に焼き上げたスポンジは柔らかくも風味がしっかりと立っています。そして、宮田さんが気を付けているのは「熟し加減」というフルーツは、口の中でクリーム、スポンジと一体になり、瑞々しい甘さが広がります。この時期は、和歌山の桃農家・豊田屋さんから届いたものを。

    【Patissiere MAYO】の『ピーチメルバパフェ』

    『ビルカール・サルモン ブリュット ロゼ』3,300円(グラス)を添えて。『ピーチメルバパフェ』2,750円(税込)

ヴィジュアルに心躍るパフェは、定番の『ティラミスパフェ』と季節素材のものがあります。季節の一品は旬の桃を使い、ピーチメルバの要素をパフェ仕立てに。カリカリのキャラメルアーモンドにラズベリー、バニラアイス……そこに葛のもちっとした舌触りと、桃と合わせてコンポートにする茗荷のほのかな風味がアクセントになっています。さっぱりとした素材から重ねていくことで、最後まで口当たりよく食べ進めることができる工夫もなされています。

    【Patissiere MAYO】『焼きたてフィナンシェ』

    たこ焼き風にあしらった楊枝は、関西出身の宮田さんらしいユーモア。『焼きたてフィナンシェ』1,100円(税込)

オーブンから香りが立ち昇るや、我も我もとオーダーが続くという『焼き立てフィナンシェ』。焼き上がりの香り高さをダイレクトに楽しめるのは、オープンキッチンならでは。天板ごと登場するフィナンシェは、表面はカリッ、中はしっとり。シチリア産アーモンドプードルとフランス産発酵バターを使用し、しっかりとした味わいの余韻が楽しめます。熱々の1個目から、粗熱が取れた6個目に至るまで、変化していく味もまた一興です。

多彩に取り揃えたお酒で、大人ならでは楽しみを

    【Patissiere MAYO】お酒

    カウンター内のワンコーナーにはお酒のボトルがずらりと並ぶ

フルーツカクテル、シャンパン、デザートワイン、ウイスキー、ラムなどを取り揃えています。『ピーチメルバパフェ』にはロゼのシャンパン、『ティラミスパフェ』にはブランデーを合わせてみると、また新たな味わいに。【Patissiere MAYO】では、1日の締めくくりにデザートとお酒を、という大人ならでは楽しみ方を提案してくれます。

もちろん、ソフトドリンクも各種あります。日本茶は煎茶にほうじ茶、番茶、紅茶まで、コーヒー、フルーツジュースなど、お好みのものをどうぞ。

旬の味わいを伝える、厳選したフレッシュ素材

    【Patissiere MAYO】桃 食材

    和歌山・豊田屋さんから届く桃。宮田さんが状態を見極め、適したデザートに仕上げる

【Patissiere MAYO】のデザートは、宮田さんの技術と経験はもちろんのこと、季節素材もおいしさを生み出す一つの要素。

和歌山の豊田屋さんからは、旬を迎えた桃の中でも、その時期にベストな品種を厳選して送られてくるそうです。春には鳥取産いちご、夏は宮崎産マンゴー、秋には丹波の栗、冬は長野産りんご、などなど日本各地からこだわりの素材が届きます。

    【Patissiere MAYO】『自分で作る よしこさんのハーブティー』

    その場で摘むからこそ、鮮烈な香りが楽しめる。『自分で作る よしこさんのハーブティー』1,210円(税込)

デザート以外にも、フレッシュな味わいを楽しめるのが『自分で作る よしこさんのハーブティー』。ブーケのように生けられたハーブをお客さん自身が摘んで、ハーブティーとしていただくことができます。長野で大切に育てられたハーブの香り、好きなものを摘み取って作る楽しさが、他にはない一杯です。

栗のシーズンには、お客さんが自分で絞るモンブランが登場予定だとか。そんな楽しい仕掛けがあるのも【Patissiere MAYO】の魅力です。

    【Patissiere MAYO】宮田真代さん

    デザートに対峙する真摯な姿勢と、気さくな人柄がチャーミングな宮田真代さん

オーダーが入ってからつくられるデザートを目の当たりにする高揚感、出来立てならではの刹那的な味わい、ワンランク上のドリンク、遊び心あふれるプレゼンテーション、そしてカウンター越しに楽しむ宮田さんとの会話。デザートの楽しみ方をぐっと広げてくれた【Patissiere MAYO】。予約殺到の限られた席をなんとか確保して、旬の移り変わりごとに訪れたい一軒です。

この記事を作った人

取材・文/首藤奈穂(フリーライター) 撮影/佐藤顕子

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