<行ってみた>フレンチの名店で余韻と記憶に包まれて【レミニセンス】名古屋
ヒトサラ編集部が、気になるお店に実際に行ってみるこちらの企画。今回うかがったのは、愛知県・名古屋市にあるフランス料理【レミニセンス】。日本東西の名店【カンテサンス】や【HAJIME】などで研鑽を積み、独立オープンしたお店では2つ星を獲得した名古屋のお店。時間をかけてまでも行く魅力があるとお聞きし、実際に行ってまいりました!

ヒトサラ編集部 福島
秋になり、より旬を愛でるようになりました。1日3食のご飯は妥協せず、おいしいものがある場所へどこまででも足を運ぶ20代女子です。
こんにちは、編集部の福島です。
今回はちょっと遠出をして、名古屋にきました。東京駅から新幹線で1時間半ほど、京都駅からは30分ほどで着く近さ。お伺いしたお店は、名古屋駅からタクシーで10分ほどにある、フランス料理【レミニセンス】です。
心地よい余韻と心に残る暖かい記憶の調和をコンセプトにしたお店で、店名を直訳すると「追憶」という意味があり、食の豊かさや楽しさを提供することで、お客様の人生をより豊かにできればと願ってつけられたそうです。
窓から気持ち良い日差しが入る、明るい店内
いったいどんな料理がいただけるのか気になりますよね。コース料理の内容を少しずつご紹介していきます。
食材から料理を想像する時間も楽しさのひとつ
コースには、余韻・記憶・安堵・追憶の4つの章から構成されており、メニューには食材の名前のみ記載されています。
第一章 ~余韻~ 雲丹
まずは、北海道の新鮮な生ウニをつかったフィンガーフードでスタート。
ちょこんとした、かわいらしい見た目。くず粉と海苔をあわせて香ばしく揚げたチップの上に、ボイルしたゆり根や赤色のハーブ、乾燥させた海苔が添えてあります。海苔のサクサク感とウニの柔らかさ、異なる食感を磯の香りがふわりとひとつにまとめた一品。第一章のテーマである「余韻」はまず香りからなのだろうか……など考えながら、そのおいしさに舌鼓み。
第一章 ~余韻~ 鱒
38度の低温で火いれした、鮮やかな色の『鱒』。風味豊かな玉ねぎのピューレにごまのソースが添えてあり、上には玉ねぎのフリット、フレッシュなハーブで爽やかに仕上げられています。
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野菜スープの中で火を入れ、最後に炭火の香りをまとわせた『車海老』。ソースは、海老のおだしのソース、ウイキョウのピューレ、オレンジ色はガスパチョジュレ。海老の下には、クスクスのサラダ仕立てを。
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炭火で焼いた子持ちの『鮎』。3枚におろした鮎に肝のソースとモッツァレラチーズを挟んで揚げたものを。じゃがいものソース、マデラソースと黒トリュフの香りをあしらったソースが下にひかれています。
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つづいて『天の岩戸』。三重県伊勢神宮の近くにある湧き水をつかったスープで、名古屋コーチンからだしをとり、昆布、お塩のみでつくった体に温かく染みわたる一品です。
5品にわたる料理の余韻がなくなることなく、次章の「記憶」への導き方が本当に素晴らしい流れ。ここからは「記憶」の章へ参ります。
第二章 ~記憶~ 鰻
名古屋の名物といえば「ひつまぶし」ですが、フレンチの技がほどこされたシェフのスペシャリテ『鰻』。
炭火で白焼きをした鰻に、根セロリの2種類のソース(マスタードドレッシングをあえたもの、ピューレにし燻製の香りをつけたもの)、そしてお好みでわさびやシェリービネガーのジュレ、赤ワインソースと一緒にいただきます。鰻の身のフワフワさと皮目のパリパリ感の食感のコントラストがすごく、いろいろなソースと合わせていただく楽しさもあります。
鰻にあわせてでてきたのが、フェンネルを生地に練りこみ、贅沢にオリーブオイルで揚げた『揚げパン』。お口直しに『日向夏のシャーベット』へ
第二章 ~記憶~ 魚
つづいて、静岡県焼津でとれた『甘鯛』。鱗をつけたまま焼き上げ、魚のおだしとシラスをふんだんに使ったソースと一緒に。鱗の軽やかな食感と身の柔らかさ、そして素材の旨味が効いたソースは圧巻のおいしさです。
第二章 ~記憶~ 肉
メインは松阪牛のうちもも肉をじっくりとローストしたシンシン。つけあわせは、上から焦がしバターとパン粉をあわせたまいたけのソテー、酸味が効いたエディブルフラワーのピクルス、れんこんを。右下にある、西洋わさび、卵黄と唐辛子のクリーム、八丁味噌と黒にんにくのペーストをお好みで合わせながらいただきます。そのままでも十分おいしいですが、ソースごとに味変も楽しめ、飽きることなくおいしさが続きます。
第三章 ~安堵~ 巨峰と無花果
メインを食べ終えると、第三章の「安堵」へ。
左下のデザートは、巨峰のアイスクリームやシャーベット、ゼリーなどが入っており、さっぱりとした味わい。黒イチジクをつかったデザートは、爽やかなサワークリームやアールグレイのアイスクリームとあわせて。
終章 ~追憶~ 茶菓子
最後は、シェフが子供の頃すきだったものを集めたお茶菓子がでてきます。なんともかわいらしい見た目で、左から雪見だいふく、チョコレートケーキ、プッチンプリン、きのこの山。全部手作りで、味の再現性に驚きつつも、ちょっと大人の味にアレンジされたものもあったりと、食べる楽しさがあるデザートです。
「余韻」のテーマから始まり、最後は「追憶」で幕締め。食べ進めていくうちにシェフの考えや想い、世界観が伝わってくる料理の数々に、レストランは食事をするだけの場所ではなく、食べ終わったあとの心地よい余韻までもつくりだす、人の心を幸せにする特別な空間であることを改めて感じました。
ぜひお近くにお住まいの方、またちょっと遠方の方も機会がありましたら足を運んでみてください。
この記事を作った人
ヒトサラ編集部・福島
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