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更新日:2021.12.06食トレンド

日本橋・兜町に人気シェフ監修の食堂【KABEAT】やスリランカ料理の【HOPPERS】など3店舗が同時オープン

再開発めざましい日本橋・兜町は、金融街のイメージを変え、食の発信拠点に変貌中。2021年12月6日(月)には人気シェフ監修の【KABEAT】やスリランカ料理の【HOPPERS】など期待の新店舗が3店同時にオープンし、食の街として一層の注目を浴びそうです!

日本橋・兜町に人気シェフ監修の食堂【KABEAT】やスリランカ料理の【HOPPERS】など3店舗が同時オープン

兜町は2020年2月にオープンしたホテルと4つの飲食店が入った【K5】を皮切りに、パティスリーの【ease】やレストランの【Neki】などがオープンし、街を盛り上げてきました。2021年12月6日(月)には、茅場町駅の真上にある複合施設「KABUTO ONE」に、【KABEAT】【HOPPERS】【KNAG】が同時オープン。一体どんな飲食店なのか、レポートします!

人気シェフが監修! 生産者を応援する食堂【KABEAT】

2021年8月に開業した【KABUTO ONE】の1階に、「日本の生産者を応援する食堂」【KABEAT】がオープン。このコンセプトに共感した若手の人気料理人の6人が、フードの監修を務めています。

    200坪という大空間にオープンした【KABEAT】。フードコートのような空間だが、席で注文するスタイル

    200坪という大空間にオープンした【KABEAT】。フードコートのような空間だが、席で注文するスタイル

【KABEAT】でフードを監修するのは、【Don Bravo】の平雅一シェフ、【O2】の大津光太郎シェフ、【The Burn】の米澤文雄シェフ、【てのしま】の林亮平シェフ、【morceau】の秋元さくらシェフ、【BIEN-ÊTRE】の馬場麻衣子シェフ。季節ごとにシェフが監修するフードを提供します。また【An Di】のオーナーソムリエ・大越基裕氏が焼酎、日本酒、ワインなどのドリンクをキュレーションします。

200坪という広々とした空間で、人気シェフのエッセンスが感じられるイタリアンや中華などが楽しめる【KABEAT】。ジャンルの異なるシェフが横のつながりをもち、生産者を紹介しあったり、同じ食材を使ったりする姿に、今どきの食のシーンが感じられました。

シェフ監修の一皿をレポート!

ジャンルが違う人気シェフの料理が一同に会すなんて、普通なら叶うことのないこと。毎日のランチで少しずつ違うシェフの料理を食べてみるのもいいし、前菜からデザートまでジャンルを横断してコースを組むという、とても贅沢なこともできてしまいます!

    今シーズン提供するフード。数か月後には新しい旬のメニューが登場する

    今シーズン提供するフード。数か月後には新しい旬のメニューが登場する

シェフがキッチンに立っているわけではないとはいえ、監修した料理はそれぞれのシェフの顔が見える味です。それぞれのシェフが監修する代表的な料理を一皿ずつ紹介していきます。

イタリアン/【Don Bravo】平雅一シェフ

調布市国領のイタリアン【Don Bravo】の平シェフが監修するのは、ピザをはじめとした素材の良さを引き出したフードです。

    平シェフの一皿:『北海道産王様しいたけとカラスミのピザ』1,760円<br />
生産者食材:福田農園(北海道亀田郡)の王様しいたけ

    平シェフの一皿:『北海道産王様しいたけとカラスミのピザ』1,760円
    生産者食材:福田農園(北海道亀田郡)の王様しいたけ

シイタケとカラスミという、海と山のものを組み合わせたピザ。シイタケはアワビのような食感を味わえるように、大ぶりにカットしたものがゴロゴロとのっています。ペコリーノチーズ(羊のチーズ)と白トリュフオイルを合わせ、さらに風味豊かに。ピザ生地は【Don Bravo】で食べるものに限りなく近く、取材時も「生地が美味しい!」という声が聞かれました。

■料理人プロフィール:平雅一さん

    【アッカ】や【タクボ】などの有名店、イタリアの星付き店を経て、調布にて【Don Bravo】をオープン。洋だけでなく和の食材を取り入れ、コースの最後にはこだわりのピザを出す、独創的なイタリアンが楽しめる。 国領の奇跡と呼ばれるほどの認知を得ている。

    【アッカ】や【タクボ】などの有名店、イタリアの星付き店を経て、調布にて【Don Bravo】をオープン。洋だけでなく和の食材を取り入れ、コースの最後にはこだわりのピザを出す、独創的なイタリアンが楽しめる。 国領の奇跡と呼ばれるほどの認知を得ている。

中華/【O2】大津光太郎シェフ

2020年から続けてビブグルマンを獲得したことでも話題の【O2】。大津シェフが提案するのは、正統派の中国料理に独創性を加えた料理です。

    大津シェフの一皿:『春菊とゆずの焼売』660円<br />
生産者食材:中野牧人[自然野菜のら](千葉県我孫子市)の春菊

    大津シェフの一皿:『春菊とゆずの焼売』660円
    生産者食材:中野牧人[自然野菜のら](千葉県我孫子市)の春菊

「生産地が近ければそれだけ食材もフレッシュなまま届くので、関東近郊の生産地に注目しています」と話す大津さんが使うのは、千葉県の春菊。ゆずの香りも豊かな焼売です。豚肉には、赤身と脂身のバランスがよい茨城県産の「常陸の輝き」を使っています。他にも、コロナ禍でアルコールが提供できなかった期間限定で、店舗で提供していた「にぼバターとレモンの焼豚混ぜそば」も登場します。

■料理人プロフィール:大津光太郎さん

    【トゥーランドット臥龍居】の脇屋氏の元で 15 年の修行を積む。生まれ育った、清澄白河にて【O2】をオープン。当時は珍しかった、ナチュールと中華の組み合わせと、中華であることを忘れさせる様な繊細さが特徴。

    【トゥーランドット臥龍居】の脇屋氏の元で 15 年の修行を積む。生まれ育った、清澄白河にて【O2】をオープン。当時は珍しかった、ナチュールと中華の組み合わせと、中華であることを忘れさせる様な繊細さが特徴。

アメリカン/【The Burn】米澤文雄シェフ

「食材が前面に出るような、分かりやすい料理を目指した」と話す米澤シェフ。食材の組み合わせやスパイスなど、新しい出会いがあるメニューを生み出しています。

    米澤シェフの一皿:『安曇野豚とアサリのアレンテージョ』1,650円<br />
生産者食材:安曇野エコファーム(長野県安曇野市)の安曇野げんき豚

    米澤シェフの一皿:『安曇野豚とアサリのアレンテージョ』1,650円
    生産者食材:安曇野エコファーム(長野県安曇野市)の安曇野げんき豚

「アメリカン」の枠にとらわれない米澤シェフが提案するのは、「アレンテージョ」。豚肉のバラとアサリをサフランで煮込みました。はっきりとした味わいで、ワインなどと合わせていただくのも素敵。他にも米澤シェフの料理は「山利しらすとピスタチオデュカのオイルパスタ」や「スモークオイスターとインカの目覚め」など。

■料理人プロフィール:米澤文雄さん

    イタリアンの名店で修行後、NY の 3 つ星レストラン【ジャンジョルジュ】にてスーシェフを務め、【The Burn】のエグゼクティブシェフに就任。 焦がす肉料理以外にもヴィーガンを得意とし、 数々のメディアにも出演するスターシェフ。

    イタリアンの名店で修行後、NY の 3 つ星レストラン【ジャンジョルジュ】にてスーシェフを務め、【The Burn】のエグゼクティブシェフに就任。 焦がす肉料理以外にもヴィーガンを得意とし、 数々のメディアにも出演するスターシェフ。

和食/【てのしま】林亮平シェフ

ミシュランシェフである林亮平シェフが監修するのは、いりこ出汁をベースにした料理。おでんや生姜焼きといった身近なメニューを、林シェフ流にアレンジします。

    林亮平シェフの一皿:『ふぐの唐揚げ 塩レモン添え』1,430円<br />
生産者食材:菅秀和[たてみち屋](広島県尾道市)のレモン

    林亮平シェフの一皿:『ふぐの唐揚げ 塩レモン添え』1,430円
    生産者食材:菅秀和[たてみち屋](広島県尾道市)のレモン

生産地には足を運ぶようにしているという林シェフは、今回のメニューに土からこだわって生産した[たてみち屋]のレモンをふんだんに使用しています。「安曇野豚おいりこレモン 生姜焼き」や「たてみち屋レモン にゅうめん」、そしてちょっと高級なおつまみに、サクッと揚げた「ふぐの唐揚げ 塩レモン添え」はいかがでしょう?

■料理人プロフィール:林亮平さん

    京都の名店、【菊乃井】で吉田氏を師事し、17 年の修行を積む。 その間に、機内食や豪華客船の開発なども経験。その後、青山に独立し、2020 年と 2021 年ミシュランの 1 つ星を獲得。自らの出身地である瀬戸内を伝える活動も積極的に行う。

    京都の名店、【菊乃井】で吉田氏を師事し、17 年の修行を積む。 その間に、機内食や豪華客船の開発なども経験。その後、青山に独立し、2020 年と 2021 年ミシュランの 1 つ星を獲得。自らの出身地である瀬戸内を伝える活動も積極的に行う。

フレンチ/【morceau】秋元さくらシェフ

秋元さんが提案するのは、ハッシュドビーフやキッシュなど、どこかほっとするフレンチ。ひとりで食べられる一品料理もあれば、お酒を片手につまみたくなるような料理もあります。

    秋元さくらシェフの一皿:『平飼い有精卵とアボカドのグラタン』1,210円<br />
生産者食材:井上茂樹[井上養鶏場](神奈川県相模原市)の卵

    秋元さくらシェフの一皿:『平飼い有精卵とアボカドのグラタン』1,210円
    生産者食材:井上茂樹[井上養鶏場](神奈川県相模原市)の卵

初めて井上養鶏場の卵を食べてみて、「マイルドでやわらか」だと感じたと話す秋元さん。「卵の存在感を引き立てる」ことにフォーカスしたというのが、「平飼い有精卵とアボカドのグラタン」です。アボカドをアクセントにカレー粉で味を加えました。ボリューム感を感じられるようにマカロニは多めということで、兜町で働く方のランチにも最適!

■料理人プロフィール:秋元さくらさん

    大学卒業後、航空会社で勤めていた間に世界各地を訪れ、様々な食文化を体験するうちに料理への興味が高まり、調理師学校に入学。新宿【モンドカフェ】、白金【オー・ギャマン・ド・トキオ】などで料理の腕を磨き、 2009 年に【モルソー】をオープン。 NHK の料理コーナーにレギュラーで出演するほか、 JR 伊豆クレイルのメニュー考案、レシピ本の発行など幅広く活動している。

    大学卒業後、航空会社で勤めていた間に世界各地を訪れ、様々な食文化を体験するうちに料理への興味が高まり、調理師学校に入学。新宿【モンドカフェ】、白金【オー・ギャマン・ド・トキオ】などで料理の腕を磨き、 2009 年に【モルソー】をオープン。 NHK の料理コーナーにレギュラーで出演するほか、 JR 伊豆クレイルのメニュー考案、レシピ本の発行など幅広く活動している。

スイーツ/【BIEN-ÊTRE】馬場麻衣子シェフ

代々木上原でなかなか予約のとれない【BIEN-ÊTRE】のパティシエ・馬場さんはパフェやケーキなどのスイーツを監修。意識しているのは、「フルーツそのもののフレッシュさ」と「加工した旨みの凝縮」だといいます。

    馬場麻衣子シェフの一皿:『ミルフィーユ』1,100円<br />
生産者食材:PENTA FARM(愛媛県西条市)のいちご

    馬場麻衣子シェフの一皿:『ミルフィーユ』1,100円
    生産者食材:PENTA FARM(愛媛県西条市)のいちご

「ミルフィーユ」に使うのは、愛媛県の「あまおとめ」。生産量が多くはないので、東京ではあまりお目にかかれないのだとか。甘いだけでなく酸味もしっかりしているので、他の食材と合わせても果物本来の美味しさを味わえると話します。「ミルフィーユ」はバニラたっぷりのカスタードと合わせて。「紅ほっぺ」のジェラートも添えられます。

■料理人プロフィール:馬場麻衣子さん

    海外で通訳者として活動し、帰国して飲食の世界へ転身。スペインで三つ星レストランである【サンパウ】の立ち上げに参加、シェフパティシエを務める。2010年に独立し【BIEN-ÊTRE  PÂTISSERIE】を、2017 年にはジェラートとベイクの店【FLOTO】をオープン。 全国各地の果物生産者とともに、素材を生かしたスイーツが話題。

    海外で通訳者として活動し、帰国して飲食の世界へ転身。スペインで三つ星レストランである【サンパウ】の立ち上げに参加、シェフパティシエを務める。2010年に独立し【BIEN-ÊTRE PÂTISSERIE】を、2017 年にはジェラートとベイクの店【FLOTO】をオープン。 全国各地の果物生産者とともに、素材を生かしたスイーツが話題。

日本全国の生産者を応援

現在【KABEAT】がフィーチャーする生産者は、和歌山県のしらす屋「しらす創り七代目 山利」や、千葉県我孫子で露地野菜を中心に有機栽培を行う「自然野菜のら」、固定種(在来種)と呼ばれる野菜を育てる「ALLFARM」、瀬戸内海の生口島で土壌にこだわった農業に取り組む「たてみち屋」、歯ごたえに定評のあるきのこを生産する「しぶたの毎日きのこ」、飼料や飼育環境に力を入れた平飼卵の「INOUE EGG FARM」など、各地に渡ります。

シェフが監修した以外の料理も豊富で、おつまみやサラダ、揚げ物に米料理など、ランチもディナーも重宝しそうです!

【スパイスカフェ】の2号店となるモダンスリランカ料理の【ホッパーズ】

オーナーシェフの伊藤一城さんが手がけるスパイス料理の名店【スパイスカフェ】が、2号店として【HOPPERS(ホッパーズ)】を出店しました。「ハレの日のスリランカ料理」をテーマに、昼はスリランカらしい「ライス&カリー」を、夜はがらりとメニューを変えてモダンスリランカ料理をふるまいます。

    ©しもだなおと<br />
ランチの『スリランカ定食 ライス&カリー』

    ©しもだなおと
    ランチの『スリランカ定食 ライス&カリー』

ランチの「スリランカ定食 ライス&カリー」は、選べるカレーに9種類のおかずで1,650円。カレーは500円で追加もOK。

スリランカの家庭料理である野菜たっぷりのおかずをそれぞれ味わったら、混ぜ合わせて食べるのがスリランカ流。「ポルサンボル(ココナッツのフレーク)」や「バターナッツココナッツ」などココナッツベースのおかずと、「ナスのモージュ」などのほどよいスパイシーさが絶妙にマッチします。

新しい挑戦、モダンスリランカ料理とは?

ディナーで提供するのは、モダンスリランカ料理のコース。初めて聞く人が多い言葉だと思いますが、シェフの伊藤さんいわく「モダンスリランカとは、スリランカ料理を西欧や日本の調理方法でアレンジしたもの」。

「スリランカにもないですし、世界的にも検索してもほとんど出てきません。スリランカをモチーフにしたスパイスの新しい楽しみ方を表現したいです」と話します。

    ©しもだなおと<br />
「モダンスリランカコース」より一皿。スリランカ料理として新しい調理方法やソースの使い方に注目だ<br />

    ©しもだなおと
    「モダンスリランカコース」より一皿。スリランカ料理として新しい調理方法やソースの使い方に注目だ

「モダンスリランカコース」は6,600円で、「ワインペアリング」が5,500円。しばらくはお任せコースのみで、今後はアラカルトも提供する予定です。

    グレーを基調にしたミニマムな店内は、スリランカのリゾートホテルをイメージしたそう。

    グレーを基調にしたミニマムな店内は、スリランカのリゾートホテルをイメージしたそう。

他にも、今後はテイクアウトや、店名にもなっている「ホッパー」(クレープのようなスリランカの軽食)が登場する予定なのでお楽しみに!

    オーナーシェフの伊藤一城さん

    オーナーシェフの伊藤一城さん

押上に【スパイスカフェ】を2003年にオープンしてからずっと、自らが【スパイスカフェ】のキッチンに立つために出店のお誘いはお断りしてきたという伊藤さん。ですが、兜町に街としての未来への可能性、面白さを感じ、新たな挑戦として2店舗目【ホッパーズ】を出店することに。

コロナ禍を経て、「やはりレストランでの食事というのは、家ではできない体験」と改めて感じたといいます。ぜひ非日常の食事を楽しみに出かけてみてはいかがでしょうか。伊藤さんが「モダンスリランカ料理」を通して発信する、次なるスパイス体験が楽しみです。

朝から晩まで立ち寄れる【KNAG】

最後にご紹介するのは、朝8時から夜10時まで営業の【KNAG(ナグ)】。出勤前からお仕事の後まで立ち寄れるコミュニティカフェです。コートかけを意味する【KNAG】を店名に、誰もがほっと一息つける場所を提供します。

    ゆったりとしたテーブル席。奥にはひとり席も

    ゆったりとしたテーブル席。奥にはひとり席も

コーヒーは蔵前にある【Coffee Wrights】の豆を使用。ドリンクだけの利用から、トーストやスコーンといった軽食、ランチにはデリプレートや定食、おやつにはケーキなどのスイーツも。テイクアウトもOK。さらに、夜にはお酒とデリまでが揃い、さまざまなシーンで使える使い勝手のよい一軒です。

【KABEAT】施設情報はこちら

この記事を作った人

取材・文/泉友果子

メディアに勤務後、フリーランスの編集者、ライターに。街や食、旅といったテーマに携わる。

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