恵比寿の隠れ家で味わう、土鍋で炊き上げた白米をメインディッシュにした珠玉の日本料理|【白】恵比寿
看板を掲げず、ひっそりと営む日本料理店【白(はく)】。店名は、こちらのメインディッシュである土鍋で炊き上げるご飯の艶やかな色合いと店主である白川 勝氏の名前に由来します。黒を基調とした店内は、シンプルでありながら上質さを感じる空間。おまかせコース一本で、四季の移ろいを感じる日本料理の数々を楽しんだ後、店主が厳選する極上のご飯が登場します。厳選した銘柄のお米を丁寧に炊き上げたご飯は、この上ないごちそうだと感じていただけるに違いありません。
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看板も目印も一切出さない恵比寿の隠れ家
締めではなく、メインディッシュとなる土鍋ご飯
料理に寄り添う、店主セレクトの日本酒
看板も目印も一切出さない恵比寿の隠れ家
暖簾の向こうに広がる趣漂う空間
恵比寿駅から徒歩5分の場所に佇む【白】は、同じく恵比寿に店を構える【米ル】の最上級ブランドとしてオープンしました。少々わかりづらいビルの中にある店舗は、看板などを出さないため、初めて訪れる際には不安と期待が高まるゲストも多いことでしょう。白い暖簾をくぐり、店内に入ると、落ち着いた上品な雰囲気に包まれます。
松栄堂のお香「白川」の穏やかな香りが漂う店内
カウンター席に座ると、正面のガラス扉の奥に、稲が飾られているのが目に飛び込んできます。こちらは、伊勢神宮で神具をつくる方々が育てたお米の稲穂。お店のロゴには、雪輪紋が使われていますが、こちらも店名同様にお米にまつわることから。優美に並ぶ折敷は、石川県の我谷盆です。一直線に連なる全6席のカウンターは、どちらの席からも店主の鮮やかな職人技を望むことができます。
カウンター個室は、2~4名まで利用可能
カウンター席の他に、2つの完全個室を完備。カウンター個室はL字型になっているので会話がしやすく、3~4名の接待などにも最適です。もうひとつは、向かい合ったソファ席で、よりプライベートな時間を。黒を基調とした潔い空間にお料理が映えます。
締めではなく、メインディッシュとなる土鍋ご飯
季節を感じることができる『先付』
月替わりの料理は、11~12品で構成される12,000円のおまかせコース一本です。この日の『先付』は、北海道産の毛蟹と雲丹に京都産のくみ上げ湯葉を合わせ、仕上げに菊花のジュレをかけた一皿。
鮪と白身の2種類を味わう『お造り』
お造りは、鮪と白身魚の2種類が提供されます。鮪は、軽く漬けにし、昆布醤油にわさびを添えて。この日の白身魚は、明石の天然鯛。塩麹とスダチでさっぱりといただきます。白身魚は他に、鯛や平目など、その時期の上質なものを厳選。お料理に使用する器は、アンティークから現代作家まで、店主こだわりの逸品たちを使用しています。
土鍋で炊くお米が煮え、ご飯に変わる頃の状態の「煮花」
コースの締めではなく、メインディッシュとして土鍋で炊き上げた白米が登場します。この日のお米は、通常の1.5倍の大きさがある岐阜県産の「龍の瞳」。店主自らが食べて納得した、完全無農薬の銘柄をご用意しています。他に、新潟県産の「雪椿」や宮城県産の「ひとめぼれ」、石川県産の「コシヒカリ」など、産地や銘柄はもちろん、生産者にまでこだわったお米をセレクト。青森県白神山地の水を使い、信楽の名窯「雲井窯」の中川一辺陶氏が手掛ける土鍋で炊き上げます。京都の陶芸家によるお茶碗は、薄さと軽さも店主のこだわり。
お米が炊きあがる前の「煮花」をお楽しみいただけるのもこちらならでは。日頃当たり前のように口にしているお米が「これほどまでに味わい深いものなのか」と感銘を受けていただけることでしょう。「煮花」にゲストがうっとりとしている間に、カウンター奥の炭火で魚が焼かれ、ちりめんじゃこや牛肉のしぐれ煮といったご飯のお供の数々が盛り付けられていきます。みそ汁は、日本酒「東一」を醸す五町田酒造がつくる葉隠味噌を使ったもの。最後は、卵かけご飯や、雑炊、季節によってはいくら丼など、心ゆくまで……。
「煮花」に続いて提供される『ご飯』のセット
料理に寄り添う、店主セレクトの日本酒
稀少な銘柄も多数ラインアップ
アルコールは、日本酒もワインも充実の品揃え。ゲストは思い思いのものをオーダーしますが、「お料理に合わせた日本酒を」という人も多いとか。時期によってメニューは替わりますが、「仙禽」を醸す酒蔵と中田英寿氏のコラボによって誕生した日本酒;『éks(エクス)』など、入手困難なものも用意しています。
店主の白川 勝氏は、1982年、青森県生まれ。両親が共働きで、幼い頃より自ら料理をすることに興味を持ち、料理人を志しました。
店主は、ミシュラン二つ星の日本料理店での修行経験と【米ル】で店主を務めた経験を持つ白川 勝氏。「【米ル】では、ご飯の銘柄を選んでいただけるスタイルでしたが、【白】ではその日ごとに選び抜いた銘柄をご用意してお待ちしておりますので、楽しみにご来店いただければ嬉しいです」と話します。料理の道に進み、日本料理一筋20年以上になり、お米に非常に造詣が深く、【白】でもその腕を存分に発揮し、ゲストを魅了しています。
新米の季節、ぜひ料理人が腕を掛けた極上の一膳を味わいに予約してみてはいかがでしょうか。存分にご飯の魅力に浸っていただけること間違いありません。
撮影/佐藤顕子 取材/外川ゆい
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