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更新日:2024.06.03食トレンド

今やネット予約必須! 大人が憧れる高級・ご褒美ラーメン店5選

一見シンプルなようで、そのアレンジの幅や種類の豊富さでおいしさが無限に広がる“ラーメン”。年々ミシュランガイドでも注目され、カジュアルに楽しめるお店から高級店と呼ばれるお店までその形態もさまざまです。今回はそうしたラーメン店の中から、ラーメン評論家であり日本ラーメン協会発起人の一人でもある大崎裕史さんに、今アツい、憧れの高級ラーメン店を教えて頂きました。

ラーメン

お話を伺ったのは…

  • 大崎裕史

    大崎裕史(おおさきひろし)さん

  • ラーメン評論家。日本ラーメン協会発起人の一人。東京ラーメンフェスタ実行委員長。1959年、ラーメンの地、会津生まれ。2005年に株式会社ラーメンデータバンクを設立、取締役社長に就任。2011年に取締役会長へ。「自称日本一ラーメンを食べた男」(2024年4月末現在約13,500 軒、約29,000杯実食)として雑誌やテレビに多数出演。著書に「無敵のラーメン論」(講談社新書)「日本ラーメン秘史」(日本経済新聞出版社)などがある。

【らぁ麺 飯田商店 湯河原本店】/湯河原

    わんたん入り醤油らぁ麺

    『わんたん入り醤油らぁ麺』2,150円

神奈川県湯河原にありながら、整理券方式を経て今では週に一度のネット予約で“席の争奪戦”になっており、「日本一予約の取れないラーメン店」とも言われている。年に1度発売される『TRYラーメン大賞』(講談社刊)では4連覇で殿堂入りしている名店中の名店。今や価格もいち早く“千円超え”を果たし、“上質かつ高級”なラーメンを提供している。

店内に入ると高級割烹か高級鮨店かのようなカウンターが広がる。ラーメン店では最少人数での経営が多いが、ここでは多くのスタッフがきめ細かく動き、接客も抜群。東京から2時間かけて異空間で味わう最高級のラーメン。私も年に1回行けるかどうかなので、行ったら2杯食べて帰る。

味や食材は頻繁に変えており、年に数回、食材の研究と開拓のために店を休み、全国を旅して生産者を回ってくる。なので、ここで食べられること自体が大きなご褒美。もちろん食べたら身も心も満足になること間違いなし。

【中華そば 銀座八五】/東銀座

    ラビオリグルマンディーズ中華そば

    『ラビオリグルマンディーズ中華そば』(1日30食限定)2,200円

2018年12月8日オープン。ミシュランガイド2年連続一つ星、ビブグルマン含めて4年連続掲載の人気店。11時からは当日の並び順で30人ほどを案内。日によっては午前6時から並ぶ人も居るとか。12時半からは週に一度のネット予約者の時間で、総数で当日分のスープがなくなり次第受付を終了。

昨年の9月1日から新メニュー『ラビオリグルマンディーズ中華そば』を発売。これは「味玉中華そば」にラビオリを1個追加したもの。グルマンディーズとは、フランス語で「食いしん坊」「食道楽」「ごちそう」などの意味がある。フレンチ出身の店主だけある。

スープは、業界を騒がせた「タレ無し」(ラーメン店では一般的な“タレ”を使わない)スープ。タレが無くても旨さは抜群で申し分なしで、ため息が出るほど。麺は浅草開化楼のスーパー製麺師による特注麺。スープに合わせて作った麺なのでスープとの相性も抜群。

ラビオリはワンタン風。中に挽肉や野菜以外にトリュフやフォアグラを使った具が入り、フレンチ風。1個ではあるがボリュームもあり、満足感もある。半分くらい食べたところで中身をスープに放流し、味変するのも楽しい。

【麺や 紀茂登】/茅場町

    特製

    『特製』3,500円

2023年8月3日オープン。元は神戸にあった日本料理店で今は神楽坂に移転。ネットで予算を見ると6~8万円の高級日本料理店。そんなお店がラーメン専門店をオープンし、話題騒然。ネットでの予約制で30分交替。高級感のあるカウンター10席。開店してすぐに行ってから、日々進化するのですでに7杯食べた。

銘柄鶏の丸鶏を中心に高級食材も活用しながら“他では食べられない一杯”を提供。ある日のスープの材料は、クエ、アワビ、カツオ、地鶏三種(熊野地鶏、天草大王、岡崎おうはん)から。芳醇&豊潤な旨味がど~んとやってくる。麺も頻繁に変わるがかなり“ラーメン”寄りの麺になってさらにおいしくなった。

そしてもうひとつのオススメが「おかわり和え麺」。もっちもちの極太麺を紀茂登流のタレで食べさせる。一般的な和え麺は半分くらい食べて、残しておいたスープに入れて食べるというパターンだが、これはこれだけで完結する「おかわり麺」。余裕があれば烏龍茶も推奨。贅沢したい日は追加で東京Xバラチャーシューもいい。高級日本料理店がつくるバラチャーシューも乙な物だ。

【Japanese Ramen 五感】/池袋

    特上醤油らぁめん

    『特上醤油らぁめん』1,800円

2023年4月12日オープン。開店二日目に食べに行き、感動。すぐに行列店になり、ミシュラン掲載やネット予約に移行することを予想したら1年経たずにそれらの予想が全部的中。今は週に一度のネット予約のみ。

オススメは特上。醤油か塩かはお好みで。どちらもおいしい。スープは無化調でさらに「無酵母エキス」まで明記している。地鶏だしは名古屋コーチン、岩手産いわいどり、鳥取大山どり、みつせ鶏と羅臼昆布。貝だしは天然蛤、天然浅利、しじみ、ホタテ貝柱など。国産天然物にこだわっており、原価も手間もかけており、この値段はそれでも安いと思えるほど。

チャーシューは3種類、豚ロース(炭火焼、薫香)、鶏むね肉(炭火焼、低温調理、仕上げに再炭火焼)、鴨ムネ肉(炭火焼)。ワンタン(岩手鴨ミンチ)、味玉(奥久慈)、メンマ(糸島)、麺(大成食品特注品)、醤油(本醸造5種類)、九条ネギ、輪島の塩、国産柚子。器は四季火土のオーダーメイド。もはやおいしい食材がたくさん入った“丼一杯のフルコース”。ハレの日に食べるラーメンとも言える。

【Ramen Break Beats】/祐天寺

    特上塩らぁ麺

    『特上塩らぁ麺』2,100円

2022年1月8日オープン。こちらも開店して二日目に食べに行き、ミシュラン掲載を予想。こちらは1年後になったが最新版で掲載。すぐに行列になり、今は週に一度のネット予約制。

この店では醤油にしても塩にしても“特上”しか頼まない、と決めた。特上にしかのらない具もあり、それらが素晴らしくおいしいので、それを食べ逃すことはかなりもったいない。コース料理を食べているかのような感覚と満足感。ラーメンでこういう気持ちにさせてくれるお店はそんなに多くはない。盛り付けの最新版は揃えた麺が見えるようになっており、見た目もさらに綺麗になった。そしてそれぞれのトッピングも、複数種類のチャーシューも、どれもがこのラーメンには必須と思える出来映え。だから私はここでは「特上」しか頼まないことにしたのだ。

スープは無化調で醤油と塩ではまったく別のスープを取っており、醤油は地鶏と昆布、塩ではしじみやホンビノス貝の旨味と鶏だしをブレンド。タレには羅臼昆布、海人の藻塩などを使用。特上でも醤油と塩のトッピングは変えている。麺は三河屋製麺だが醤油はもっちり麺で、塩では低加水麺を合わせている。まるで別店かのように違ったタイプのラーメンを提供。

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