永田町【ヌー.トウキョウ】|食材や調理法、店づくりに至るまで、“オール・サステナブル”なフレンチの店
2020年7月、永田町に誕生した【Noeud.TOKYO(ヌー.トウキョウ)】は、食材や調理方法、店舗をつくる資材やメニュー表まで、すべて「サステナブル」にこだわったフランス料理のお店です。環境問題と向き合いながらも堅苦しくなく、おいしくて楽しい時間を過ごせるのがこちらの魅力。地球に生きる人間として、「食べながら環境問題に貢献できるなんて素敵!」と思わせてくれるお店なのです。
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「オール・サステナブル・フレンチ」を提供
その時にしか出会えない“一期一会”の料理たち
食を通して感じられる「SDGs」の大切さ
店づくり、食材、調理法にまでこだわった「オール・サステナブル・フレンチ」
数年前から日本でも広く知れ渡るようになった「サステナブル」。太平洋クロマグロやニホンウナギが乱獲され、馴染みある魚たちが絶滅危惧種に指定されたと耳にし、驚いた方も多かったはず。「いま当たり前に食べているものが、数年後、数十年後には食べられないかもしれない――」と。
永田町駅9b出口を出て徒歩1分と好立地
そんな限りある食材と向き合い、“人が食べ続けるため”にどうするべきか。自然環境や身体に良い食材を無駄なく提供することを信念にもつ中塚シェフと、2つ星レストランでスーシェフの経験をもつ秋田シェフは、環境に配慮しつつもゲストが食事を楽しめる「オール・サステナブル・フレンチ」を銘打った【ヌー.トウキョウ】をオープンしました。
ただ、「サステナブル」といわれると、とても壮大なテーマに感じる方や、「ちょっとお堅いお店なのかしら?」と思う方がいるかもしれません。しかし、シェフもスタッフの皆さんもとっても気さく。
“食の環(わ)”がテーマの対面式カウンター。現在、座席数は10席から6席に減らし、感染症対策も万全です
「シェフとの対話を通して食を楽しんでほしい」と、調理台を囲むようにカウンターを設計。料理を提供する際に、食材や生産者の想い、調理法についてシェフが直接語ります。その姿はまるで生産者と消費者をつなぐ架け橋のよう。食事の流れを止めずテンポよく語るので、決して押しつけがましくないのも居心地の良さのひとつです。
定番やスペシャリテをあえてつくらない、「一期一会」の料理たち
食材はすべて国産で旬のものを使用しています。野菜であれば無農薬や有機栽培を、肉や魚であれば可能な限り自然な形で育てられたものを選んでいるそう。
料理は8~10皿のコースで構成され、その日の入荷によってメニューが変わります。おもしろいのが、ひとつの食材の様々な味わいや食感が楽しめるところ。
千葉県印西市で400年続く農家の息子が、2009年に始めた有機農家「柴海農園」のサラダカブ
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天然真鯛、サラダカブ、アカカブ
ふっくらとした食感の真鯛のロースト。付け合わせのカブは葉でくるみ高温で蒸すので、瑞々しい仕上がりに
真鯛のローストとともに盛られた先ほどのカブは、ローストだったり、バターと一緒にゆっくり炊き上げられたりと、多彩な顔を見せます。くるっと巻かれたカブはマリネですし、ソースはカブのピューレだったりとまさにカブ尽くし。1皿で様々な味わいを楽しむことができます。それは野菜を熟知した知識と腕、ひらめきがあるからこそ。もちろん、茎や葉なども使い、すべてを無駄にはしません。
また、ベジタリアンの方にも満足してほしいと、つくられたのがこちらのニンジンを使った一皿。
葉つきのニンジン。この日は千葉県産・柴海農園を使用
↓↓↓
ニンジン
塩漬けしたニンジンを低温のオイルで柔らかくなるまで茹で、燻製し、乾燥。冷凍したのちローストして仕上げた「ニンジンのロースト」
「ベジタリアンはお肉が食べられないため、せめてお肉に近づけたい 」と、ニンジンをソーセージに見立てた手間暇かけた一皿。化学調味料を使って似せるといった「ケミカルな調理」をするのではなく、食材そのものの美味しさを引き出しつつ肉に近づける「無理をしない」調理法で提供します。
そんな驚きの多い料理をはじめ、ほかにもこんなメニューが供されました。
八幡平サーモン、小松菜、オクラ、ケール、シカクマメ
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岩手県・八幡平清水川養鱒場の八幡平のサーモンに、千葉県・柴海農園の小松菜、オクラ、シカクマメ、さらにケールを添え、上にはヨーグルトソースをかけた一品
鰻、ビーツ、わさび菜、赤玉ねぎ
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静岡県産のうなぎに千葉県産のビーツやわさび菜、赤玉ねぎを添えた一品。うなぎの上にビーツの葉や茎、わさび菜をのせ、ソースは赤ワインを煮込んでてりやき風に
甲州地鶏、白菜
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体に負担のかからない無投薬で育てられた甲州地鶏を使用した「地鶏のロースト」。こんがりと焼き上げ、あえて苦みを出した白菜との相性も抜群です
山羊のミルクを使ったデザート 様々な食感
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京都府・るり渓やぎ農園の山羊ミルクを使ったデセール。山羊乳を煮詰めてつくったソースにヨーグルト、同じくヤギミルクのムースとアイス、ディスク状のソルベを添えています
この日は、アペリティフ、野菜料理2種、魚料理3種、肉料理1種、デザート2種、コーヒーでした。ドリンクは専任のソムリエが好みや料理に合わせてくれるアルコールペアリング(6,000円/税サ別)があるのでぜひオーダーを。お酒が苦手な方にはノンアルコールペアリング(4,000円/税サ別)もあります。
料理を通して感じられる「SDGs」の大切さ
【ヌー.トウキョウ】は、食材の生育環境や、地産地消・旬産旬消による「フード・マイレージ(食料の量×輸送距離)」を考慮。さらに、フードロスに配慮した「無駄のない」調理、そしてその食材のもつ環境と味を生かした「無理をしない」料理を心がけています。
お店の壁は京都西陣にある聚楽第跡地付近の古い蔵を解体し、保管していた「聚楽土」をリサイクル
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仕入れる食材によって日々変わるため、メニューリストは紙ではなくQRコードで用意
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スマホやタブレットでQRコードを読み取ると、料理名ではなく食材名と産地が書かれています
「未来の子供たちのために‟どういう食材を食べることが環境にも健康にもよいのか”を人々に感じでもらえるように、食を通して伝え続けたい」と中塚シェフと秋田シェフ。ぜひ一度、お店に足を運んで、食を通してサステナブルを体感してみてください。
※営業時間に関しましては、直接お店にお問い合わせください
●料理
コース(フレンチベース)8〜10皿、1万3,000円(税・サ別)
※アレルギー、ベジタリアン対応
●ドリンク
アルコールペアリング 6,000円、ノンアルコールペアリング 4,000円、単品あり(税・サ別)
●席数
カウンター6~10席、個室4~6人
※個室は2名から予約可能なので、今の時期は少人数の忘年会などにオススメです
●予約
要予約
料理人プロフィール
中塚直人シェフ
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1980年、神奈川県生まれ。エコール辻フランス料理専門カレッジを卒業後、京都のフランス料理店を経て「Tagaya」に入社。タガヤ在籍中に出資を受けフランスへ渡仏し【Auberge La Feniere】、【Le Hameau Albert 1er】で修業。帰国後、【神戸セントモルガン教会】でシェフを務めた後、自身の希望だった野菜を中心としたレストラン【Noeud.TOKYO】をオープン。
秋田絢也シェフ
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1977年、福岡県生まれ。福岡のフレンチレストランや【京都ホテルオークラ】を経て、 2006年「Tagaya」に入社し、渡仏の為2007年に退社。以降は、【Les Terrasses d’Uriage】、【Domaine des Hauts de Loire】など、世界各国で研鑽を重ねる。【Le Clos des Sens】、【L'Atelier d'Edmond】では、スーシェフとして活躍。2020年【Noeud.TOKYO】シェフに就任。
嶋亜希子(ヒトサラ編集部)
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