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更新日:2017.05.04グルメラボ

漫画のレジェンド達が食べていた、少年漫画黎明期の伝説の梁山泊「トキワ荘」の食事メニュー

昭和30年代前半頃、東京都の椎名町にある「トキワ荘」というアパートには、後に漫画界のレジェンドたちが修行時代を過ごしていました。デビュー間もない頃の貧乏だった彼らが普段食べていたメニューとは、どんなものだったのでしょうか。

漫画のレジェンド達が食べていた、少年漫画黎明期の伝説の梁山泊「トキワ荘」の食事メニュー

フランスパンのメンチカツ挟みは、仕上げの‟パン!”が決め手

「ドラえもん」の藤子・F・不二雄、「まんが道」の藤子不二雄Ⓐ、「サイボーグ009」の石ノ森章太郎、「おそ松くん」の赤塚不二夫らをはじめとした、のちに漫画界のレジェンドとなる漫画家達が数多く生活していた事であまりにも有名なトキワ荘。後に人気漫画家となった彼らは、当時の食事の様子も自らの作品の中に数多く描き記しています。

トキワ荘の代表的な朝食は、ナイフで二つに割ったフランスパンにメンチカツを挟んだもの。メンチカツを挟んだ後に‟パン!”と叩けば完成。安価で手軽でおいしくて栄養もあるメニューです。

トキワ荘の宴会メニューの主役「チューダー」は、薄めに作るのが流儀

 トキワ荘で宴会を行った時のメニューも、彼らの漫画に描かれています。宴会メニューの一例を挙げると、コロッケ、鮭缶、マグロフレーク、トマト、キャベツ、メンチカツをつまみに、「チューダー」で乾杯です。トキワ荘名物「チューダー」とは焼酎をサイダーで割ったもので、彼らの宴会の定番ドリンクでした。焼酎とサイダーの比率は1:9でお酒は少なめ、サイダー多めがトキワ荘の流儀でした。

 仕事の少ないときは、日々の食事に困る事も少なくなく、キャベツが特売の日には生キャベツ、キャベツ炒め、キャベツの味噌汁。大根が安い日は、大根の煮付け、大根おろし、大根の味噌汁といった、厳しい食生活を強いられる事もあったようです。

今も当時の味を守るラーメン屋【松葉】は、漫画家志望者の聖地

 まだ日本が貧しく物のない時代、トキワ荘の近所にあるラーメン屋【松葉】のラーメンは、彼らにとって引越しのお祝いなど特別な時に食べるご馳走でした。

 この【松葉】は、代替わりはしましたが、現在も当時と変わらぬ味を守って営業しています。レジェンド達が食べたものと同じ味が楽しめると言う事で、漫画家志望者にとっては聖地のような場所となっています。
 
 店内に置かれたノートには、有名プロからアマチュアまで数多くの漫画家関係者がトキワ荘やレジェンド達、そして伝説のラーメンへの思いがイラストでつづられています。

 彼らが道を切り開き発展させた漫画は、今日では海外にも数多くの読者を抱えるようになり、日本が世界に誇る一大文化にまで発展しました。
 
 お気に入りの漫画を読んだ後には、今日の漫画文化隆盛の礎を作ったレジェンド達に思いを馳せてみるのも良いかも知れません。漫画好きが集まった時は「チューダー」で乾杯なんていかがでしょうか?

この記事を作った人

取材・文/斎藤 健(フリーライター)

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