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更新日:2020.12.05グルメラボ

73歳、note始めました| “予約ゼロ”のピンチを切り抜けたSNS術【鮨 ほり川】下北沢

コロナ禍で“予約ゼロ”のピンチを機に、73歳にして初めてnoteに挑戦した【鮨 ほり川】の店主の堀川文雄さん。元アルバイトの秋谷麻美さんから若者目線のアドバイスを受けながら二人三脚でSNSに注力したところ、予約が少しずつ入るように。話し合って投稿しては、その反応を日々チェックするお2人に、投稿する際に工夫していることを伺いました。

鮨ほり川店主の堀川文雄さんと元アルバイトの秋谷麻美さん

【鮨 ほり川】にて。店主の堀川文雄さん(右)と、元アルバイトでフリーランススタイリストの秋谷麻美さん(左)

45年間で最大のインパクト“予約ゼロ”のピンチを切り抜ける

東京・下北沢で1975年に開店以来、経営の低迷は「コロナ禍が最も影響が大きい」と話す【鮨 ほり川】の店主・堀川文雄さん。常連の多くは40代以上で会食利用がなくなったことから危機感を抱き、元アルバイトで親交が続く秋谷麻美さんに相談した。そこで、もともと利用していたツイッターとインスタグラムに加え始めたのが、noteだ。

    堀川さんの運営するnote『73歳すし屋のnote【現役】』

    堀川さんの運営するnote『73歳すし屋のnote【現役】』

緊急事態宣言での休業中に1本目を投稿するや否や、noteのプロデューサーなどに紹介されたことで話題に。しかし休業が明けても予約が入らなかった、5月下旬。「思い切って、正直に『予約がゼロです』とツイートしてみようと話し合ったんです。そうしたら、1万以上の『いいね』がついて、noteにも流入し、予約が少しずつ入るように。ドラマみたいな展開に、2人で本当に喜びました」と秋谷さん。

SNSの声から生まれた『ほり川スペシャル』

    ほり川スペシャルで選べるつまみ

    『ほり川スペシャル』で選べるつまみ

SNSで話題になったことで、「高くて行けないけど応援してます」「回らないお寿司は高そうで怖い」という人たちの声に気づいた。堀川さんは「フォロワーで最も多いのが、25~35歳。今までは仕事関係での来店が多いのに比べ、若い人たちは領収書を切るのではなく自分のお金で寿司を食べにくる」と、今までの平均単価より安い8,000円の『ほり川スペシャル』を考案した。握りや刺身、鍋などのコースを、お得に分かりやすく提供する。現在、来店客の9割が注文するメニューだ。

    フルーツ寿司

    女性客の一言がきっかけで生まれたフルーツ寿司。果物の甘味と酢飯の塩気が絶妙に合う

職人と、元アルバイトで相談。2人でこんな工夫をしています

SNSは秋谷さんに投稿を手伝ってもらいつつ、堀川さん自身も若いスタッフにやり方を聞きながら投稿している。話し合って投稿しては、その反応を日々チェックするお2人に、投稿する際に工夫していることを伺った。
 

①自信のあるものを投稿する

    鮨ほり川のnoteとInstagram

    「SNSで発信したからといってすぐにお店に来てくれるわけではないけれども、どこにも負けないものを発信し続けることが大切」(堀川さん)

『ほり川 スペシャル』はもちろん、店の自慢メニューをツイッターとインスタグラムで投稿し、時々noteにまとめている。SNSに詳しいお客さまからのアドバイスで、写真としてもインパクトがあるマンゴー寿司を投稿したところ、反応がよかったそう。
 

②女性客、ひとり客への一言を

    鮨ほり川のInstagram

    “敷居が高くて入りづらい”というイメージを持つ女性客やひとり客へ、一言添えた投稿が間口を広げる

noteの活用後はお客さまの男女比率が逆転して、女性が7割に。「カウンターのお寿司屋さんって、女性がひとりでは行きづらいですよね。ツイッターでもインスタグラムでも、投稿には『おひとりさま歓迎』と書くようにしています」(秋谷さん)。「私が話したことを秋谷さんに文章にしてもらうことで、SNSで発する言葉が柔らかいというのは女性客増加に影響しているかも」(堀川さん)。
 

③noteとツイッターは併用する

  • 鮨ほり川のTwitter画面

  • 「noteの記事を拡散するにはツイッターが必要だし、ツイッターの投稿がバズってもnoteがないと受け止める場所がないんです。ツイッターとnoteはセットだと思っています」(秋谷さん)

また、投稿にコメントがあればリツイートしてコミュニケーションを図っているという。

「コロナ禍で切羽詰まって、とにかく変わらなきゃダメだと考えました。でも、店を長年やっているからこその固定観念があって、どう変わればいいかは難しい。だから若い人の意見を聞くのを大切にしています」(堀川さん)

この記事を作った人

撮影/田尻陽子 取材・文/泉友果子

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