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更新日:2018.04.15食トレンド

独特な香りと濃厚な旨味! 池袋【AIGAE KUSAYA BAR】くさやの“クサかっこいい”世界

「くさい!」その強烈な個性のせいで食卓から敬遠されがちな「くさや」。しかし、その本領は濃厚な味にあり、一度食べるとヤミツキに。池袋の【AIGAE KUSAYA BAR】は、そんなくさやの魅力をバーという形態で気軽に楽しめる、“クサかっこいい”お店。くさいというだけで遠ざけてしまうのはもったいない! くさやの真髄をレポートしてきました。

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“クサかっこいい”メニューを提案する
【AIGAE KUSAYA BAR】/池袋

    店内はブラックとブラウンを基調にしたおしゃれな雰囲気

 お店があるのは池袋駅の東口、繁華街の中の細い路地内の雑居ビル。エレベーターで4階に上がり目の前のドアを開けると、そこは「くさや」のイメージとはあまり結びつかない(?)、おしゃれなBAR空間。ダークトーンで統一されたシックな店内、カウンター奥にずらりと並ぶアルコール類……と、都会の喧騒の中でも落ち着いてお酒と食事を楽しめそうな雰囲気です。

    豊富に用意された島焼酎は、伊豆諸島のものが約30種類

 お店を「くさやバー」という形態にしたのは、くさやがお酒と相性が良い点に注目したから。“クサかっこいい”をキーワードに、くさやをより身近に味わってもらえるよう、工夫を凝らしたメニューを提供しています。アルコール類は、ウイスキーやワインはもちろん、島焼酎は伊豆諸島のものが多く揃います。

そもそも「くさや」とは?

 くさやの味を確かめる前に、ここでひとつお勉強。くさやは、内臓を取った新鮮なムロアジやトビウオを古くから伝わる“くさや液”と呼ばれる発酵液に漬け、塩抜きや乾燥をさせて作られます。味の決め手はこのくさや液。これに漬けることによってアミノ酸をたっぷりと含んだ、濃厚かつ複雑な味を身に宿すのです。

“クサかっこいい”くさやを実食

 料理のバリエーションは、くさやに馴染みの薄い人でも食べやすいものから、少しクセのある上級者向けメニューまで豊富なラインナップ。まずはキャッチーな見た目の『くさやアヒージョ』からご紹介します。

まずは初心者向けの
『くさやアヒージョ』から

    底にくさやが敷かれた『くさやアヒージョ』980円(税抜)

 材料はにんにく、海老、ブロッコリー、しめじ、パプリカ……と、一見普通のアヒージョのようですが、底には焼いて身をほぐしたくさやが敷きつめられています。熱々のオイルとにんにくのせいか、くさやの香りはおさえられており、あまり気になりません。味は「少し塩味が強めのアンチョビ」といったイメージで、お酒との相性は抜群です。

“クサおしゃれ”な
『くさやのクリームチーズディップ』

    『くさやと燻りがっこのクリームチーズディップ海苔』780円(税抜)

 くさやとクリームチーズ、細かく刻まれた燻りがっこを冷やして固めた『くさやと燻りがっこのクリームチーズディップ海苔』。燻りがっこのコリコリした食感が楽しく、冷やされているせいか、くさやの香りはほとんど気になりません。クリームチーズのやさしい甘さと、適度な塩気をまとった、魚の旨みを凝縮したような味が楽しめます。

 メニューの中でもアヒージョと、このクリームチーズディップが人気だそうで、初めて食べた人にも「想像していたほどクサくなくておいしい!」と好評なのだとか。ビジュアルも「“クサおしゃれ”な感じです」と店長の丸山さん。くさやビギナーは、まずはこのあたりからその深淵をのぞいてみるといいかもしれません。

ボリューム満点!
こってり濃厚な『くさやピザ』

    皆でシェアして楽しめる『くさやピザ』1,780円(税抜)

 分厚いピザ生地の上に、くさやと野菜を牛乳で煮込んだものを乗せ、さらにアシタバとチーズをトッピングした『くさやピザ』。仕上げにマヨネーズをかけ、オーブンで焼き上げたら、さらに島海苔と糸唐辛子をたっぷりとふりかけて完成です。牛乳に漬けこむことでくさやの塩気がやわらぎ、食べやすさも申し分なし。チーズとマヨネーズ、そしてくさやのコクのある風味が楽しめます。

“完全密封”の個室、
専用VIPルームで焼く『熟成生くさや』

    専用“VIPルーム”は、においとともに音も遮断されるのでカップルにもオススメ

 ユニークなのが“焼きメニュー”に限り、店内に設けられた専用の「くさやVIPルーム」でゲストが自ら焼くということ。料理によっては調理過程で強烈な匂いが出てしまうという課題がありますが、このVIPルームがそれを解決しています。更には店の入り口付近にファブリーズが置かれているので、服についたにおいが気になる方も安心です。

    まずは焼く前の状態で運ばれてくる『熟成生くさや』1,280円(税抜)

 この「くさやVIPルーム」で焼く『熟成生くさや』は、旨味を凝縮させるため、通常は24時間のところ倍の48時間もくさや液に漬け込んでいます。乾燥させずにそのままの形で瞬間密封しているので、身がパンパンで、箸で崩して食べられるほどふっくらとやわらかいくさやに仕上がっています。

 焼き方は簡単で、中央に設置されたロースターの上にくさやを乗せて、スイッチを回して待つだけ。手渡されたストップウォッチでカウントダウンします。丸山さんによると「焼き加減はお好みですが、ややレアに焼き上がる10分がオススメです」とのこと。

    くさやはセルフで焼く。ロースターは同時に両面を焼くことができるので、外はパリッと、中は身がふっくらと仕上がる

 焼き始めると、密閉された個室にくさやの強烈な香りが漂います。しかし、きれいに焼き上がった『熟成生くさや』は、箸でほぐせるほどにやわらかく、その強烈な香りの奥に熟成された旨味が感じられます。

    ややレアに仕上がる分数の、10分間焼いた『熟成生くさや』。表面はパリッと、厚い身はふっくらやわらかく、ジューシー

「生くさやを食べたことがある方は少ないと思います」と丸山さん。食欲を刺激する香ばしいにおいと、魚の旨味がぎゅぎゅっと凝縮されたくさやの真髄が十分に堪能できる、まさに“くさやの中のくさや”といった趣です。塩味はやや強めで、ご飯のお供にももちろん、お酒が進むこと必至!

 島焼酎も合いますが、テキーラなど強めのお酒と合わせてみるのも面白いでしょう。ちなみにここのテキーラのグラスの縁には、ライムの代わりにくさやが添えられており、異彩を放ちまくりのビジュアル。くさやの真髄を堪能したあとは、くさや入りのお茶漬けで締めるのがオススメです。

  • くさやがガッツリささった斬新すぎる『テキーラ』600円(税抜)

  • 〆にぴったりの『くさや焼おにぎり茶漬け』780円(税抜)

存続の危機?!
くさやの魅力を知ってもらいたい

【AIGAE KUSAYA BAR】がオープンしたのは2017年の12月。きっかけは、八丈島でくさや工場を営む【藍ヶ江水産】のオーナー・加藤幸さんの「存続の危機に瀕するくさやの魅力を、もっと多くの人に知ってもらいたい」という想いでした。

 30年前に約30社あったという製造業者は、独特なにおいのするくさや自体のイメージの悪化や、後継者問題、消費者の高齢化などの影響で現在は半数の15社にまで減少。また、くさやの命ともいえる“くさや液”は一朝一夕には作れないため、新規参入が難しく、業界的には厳しい状況だといいます。

    店長の丸山聖矢さん。「“食べてみたらおいしい”という反応が多くうれしいです」

 ただ、お店にはくさや初心者の若者も多く訪れるといい、「くさやをもっと多くの人に知ってもらいたい」という想いは着実に実を結びつつあるのかもしれません。
「新しい “KUSAYA” を嗅ぎに、味わいに、来てほしいです。臭いものの蓋を取って、“クサかっこいい”感じでお待ちしております」と店長の丸山さん。ぜひ一度、この“クサかっこよさ”を体験しに足を運んでみてはいかがでしょうか。

AIGAE KUSAYA BAR

  • 電話:03-6912-6636
    住所:東京都豊島区南池袋2-16-1 長岡ビル4F
    アクセス:池袋駅から徒歩6分
    営業時間:15:00~翌3:00(L.O.翌2:30)
    定休日:無休

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