ボリュームたっぷりの“愛情盛り”【丸八とんかつ 支店】大井町 | ヒトサラ Bグルマン部 #8
“B級グルメ美食家”が集い、愛するお店を熱く語る「ヒトサラ Bグルマン部」。今回のテーマは「“男の”インスタ映え」とんかつ編です! とんかつ担当のトンカティスト寺見氏が、“ハードフォトジェニック”な食べ物を追い求めて行きついた先は大井町【丸八とんかつ 支店】。路地裏に佇む街のとんかつ屋より、ハートフルにお届けします。
Bグルマン部 今回のテーマ
「“男の”インスタ映え」
どうも、「ヒトサラ Bグルマン部」とんかつ担当のトンカティスト寺見です。
最近、とんかつを食べ終えた後のお皿に残った衣をソースにまぶし、ご飯にかけて食べる「エアとんかつ」を編み出しました。思った以上にご飯がすすむことが判明したので、衣をふりかけにしたら新しいビジネスになるんじゃないかと、本気で考えている今日この頃。
今回のテーマは「“男の”インスタ映え」ということで、とんかつ投稿のみで運営している私のインスタグラム「トンカティスト アカウント」でも反応がいいお店【丸八とんかつ 支店】をご紹介!
“キレイ”や“オシャレ”といった従来のインスタ映えとはひと味違う、グルマン目線でお届けします。
お母さんの“愛情盛り”は定番!
【丸八とんかつ 支店】大井町
お世辞にもおしゃれとは言えない外観。しかし「“男の”インスタ映え」にそんなものは1ミリたりとも必要ないのだ
今回は大井町の【丸八とんかつ 支店】をご紹介したい。
比較的年季の入ったお店が多いこの界隈で、「とんかつ」と言えばこの【丸八】の名が挙がる。「支店」という店名のとおり、「本店」が同じ大井町内にあり、元々は本店で修行したご主人が独立して開業したのがこの支店なのだ。
支店が近くにお店を構えることを許されるのは、本店の懐の深さと、支店ご夫婦の人柄が成せる技ではなかろうか。なんにせよ、これからも大井町のとんかつ界をリードしていって欲しい双頭に変わりはないのだが。
(ここで補足。前回ご紹介した【とんかつ 丸一】とは、店名は似ているが特に関連性はない。美味しいとんかつ屋にはなぜか「丸●」という名が多い。)
店内は1階のカウンターがメインだが、複数人やお酒を飲む場合は、2階の座敷席も利用可能だ
主流の『とんかつ』はしっかりと本店の技を継承しつつ、特筆すべきは豊富なメニューのレパートリーだ。本店にはない『豚生姜焼き』や『ハンバーグ』などバラエティに富んでいて、そのボリュームも申し分なし。まさにグルマンにはたまらないお店なのだ。
甘辛のソースをたっぷりとからめた『ハンバーグ定食』1,200円(税込)。“肉圧”がすごい
そして料理の絵力と人情味に裏打ちされた“愛情盛り”もこの店の魅力だ。山盛りのご飯やキャベツ、丸々太った揚げ物たちに、並々とつがれる豚汁。このボリュームたっぷりな料理こそが、店の愛情の深さを表している。
それに加え、お父さんとお母さんの笑顔と会話が溢れる、見た目だけでない“心が宿った”フォトジェニックなとんかつが、ここにはある。
“ハード・フォトジェニック”すぎる
シェフのおすすめ『おろしとんかつ』
“シェフのおすすめ”と銘打たれた『おろしとんかつ』。一般的に『おろしとんかつ』を頼むのは「今日はあっさりといきたいな」という人だろうか。
だが、この店のそれはレベルが違う。重いのだ。ただし、「重い」は後に「想い」に変わる。
『おろしとんかつ』は“シェフのおすすめ”なのだが、よく見ると“ツェフのおおすめ”と書いてある……(笑)
初めてこの『おろしとんかつ』を頼んだ日のことを今でも鮮明に覚えている。
注文を受けた後、お母さんはカウンター先でずーーっと大根をおろしていた。その時間の長さと分量の多さに、「何人分かまとめておろしてるんだろうな」と思っていた。が、揚げたてのとんかつの上にその大根おろしを乗せ始めたとたん、様子が一変する……。
『おろしとんかつ定食 ヒレ』2,100円(税込)。“ドーン”という言葉がここまで当てはまる『おろしとんかつ』が他にあるだろうか
結果が写真の通りである。
とんかつ見えませんけど…。上に乗っている黄色い物体はなんですか? しょ、生姜なんですね…。ネギこぼれ落ちてますよ……。
どうやらご夫婦には大盛りにしているという認識はあまりなさそうである。あふれるサービス精神と愛情がとんかつの上にライドオンした結果が、この“ハード・フォトジェニック”かつ“ハートフル”な『おろしとんかつ』になったのであろう。
横から見ると大根おろしの層が厚い、厚すぎる。その姿、そびえ立つ雪山の如し
少し重いかな、という不安を払拭してくれるのがそのお味。【丸八】特有の、サクサクかつふわふわな“衣ミルフィーユ”(しっかりと後述する)に、分厚くカットされて幸せそうな豚肉、荒々しい大根おろしと生姜、暴れ狂うねぎ……。それらにポン酢をかけることにより全てが調和し、胃の中にフェードインするのだ!
「あっさりしたものが好き」と宣う草食系男子諸君、今こそ【丸八】の『おろしとんかつ』にトライすべし。
サクサクでふんわりした至極の食感
【丸八】名物“衣ミルフィーユ”
王道の『上ロースかつ定食』1,700円(税込)。衣は【丸八】特有の“ミルフィーユ状”の層になっている
【丸八】のとんかつは特有の衣で覆われている。一番分かりやすいのが看板メニューの『上ロースカツ』だ。まずは一般的なとんかつと同様、片栗粉、玉子、パン粉につける。そして【丸八】のとんかつはその後に、もう一度玉子とパン粉を片面につける。ゆえに、片面だけ黄色い層が重なっているのがご覧いただけるだろうか。
黄色い玉子の層が独特の軽やかな食感を生み出す。【丸八】に来ると、とんかつは衣が大事なんだと改めて気付かされる
この二層構造の衣を私は勝手に“衣ミルフィーユ”と呼んでいる。サクサクの衣の食感と、玉子のふんわりとした食感が増すのだ。筆者はかなり多くのとんかつ屋を食べ歩いていると自負しているが、このタイプの衣は【丸八】の支店と本店でしかお目にかかったことがない衣である。
ほかのメニューもスゴイ!
ハード・フォトジェニックが止まらない
『生姜焼き定食』1,300円(税込)は、尋常じゃなくご飯をすすませる“ライス・クラッシャー”だ
見た目にも食欲をそそる『生姜焼き』は、とんかつ屋の豚肉だけあってとにかく分厚くてデカい。そして甘辛く味付けされており、ライスを瞬殺する“ライス・クラッシャー”とでも名付けようか。とんでもなくご飯がすすむのだ。ちなみにライスは2杯目までは無料。かなりの大食漢でもない限り2杯で十分お腹一杯になるはずだ。(実際に3杯目までたどり着いた人を筆者は見たことがない)
老若男女から子どもまで楽しめるメニューが満載。だからこそ街で愛される
これだけでも、腹ペコ男子の諸君なら家の近くにあってほしいお店だと思うだろう。だが、【丸八とんかつ 支店】の魅力はこれだけではない。
テレビが王様、
昭和の食卓はハートフル
いつも優しくて、笑顔と楽しい会話が絶えないお父さんとお母さんのツーショット。これこそが【丸八とんかつ 支店】名物だ
このお店、とにかく愛情たっぷりなのだ。もう8年前になると思うが初めて訪れた時から何も変わらない。割腹のいいお父さんと、優しくて本当にお客さんのことを見ているお母さん。とにかくお話好きなお二人の会話に、初めて訪れる人も常連も分け隔てなく引き込まれる。それが心地よいのである。
店内に置いてあるテレビをご夫婦とお客さん、みんなで見ながらあれや、これやと語る雰囲気は、「テレビが王様」だった昭和の家族団らんを思い出させてくれる。まるで実家に帰ってきたかのように、本当にすんなり溶け込める、そんな落ち着きと安心感があるお店なのだ。
桜が見頃な春先に来店した際、わざわざお母さんが店の照明を上げて夜桜をライトアップしてくれた
男性だけでなく、家族連れや女性のひとり客も多数訪れるお店なので、安心して暖簾をくぐってお父さんとお母さんの笑顔を見に行ってほしい。本当に居心地のいいお店なのだ。
今宵もハートフルなとんかつと、笑顔が絶えないこの店に、たくさんのお客さんが癒されるに違いない。
ソースがかかったとんかつは、食す前の最終形態。衣にしみ込んだソースは罪深いほどに豚肉の旨味を引き立ててくれる
最後に、やっぱりとんかつはご馳走だ。今後も、庶民の味方であり高嶺の華でもある「とんかつ」の魅力をお伝えしていけたらと思う。
それでは次回もとんかつ屋でお会いしましょう!
【丸八とんかつ 支店】
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電話:03-3471-5689
住所:東京都品川区南品川6-11-28
アクセス:JR線・りんかい線・東急大井町線「大井町」駅から徒歩4分
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営業時間:11:00~14:30(L.O.14:00) 17:00~21:30(L.O.21:00)
定休日:月曜日・火曜日
※閉店時間を過ぎてもお客さんが帰るまで待ってくれるが、お父さんとお母さんに悪いので閉店時間になったら帰りましょう! -
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この記事を作った人
トンカティスト 寺見
「ヒトサラ Bグルマン部」とんかつ担当(トンカティスト)。B級グルメをこよなく愛し100%外食で過ごす生活を続け、人生残り何回食事できるかをカウントダウンしながら生きています。大分県出身・37歳(独身)
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