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韓国で流行中のプレミアム海苔巻きが、日本でさらなる進化を遂げた!

東京、表参道の【スマイルキンパ】は今年1月にオープンしたばかりの韓国式海苔巻き専門店。韓国で流行中のプレミアム路線を踏襲し、ごはんを少なめ、具を多めにしたヘルシー仕立てが特徴です。斬新な具をふんだんに用いつつ、和の要素も取り込んだ独自のアレンジも見事。

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韓国で流行のプレミアム海苔巻きを専門とする店がオープン

海苔巻きの新時代が見えた

    表参道で2018年1月にオープンした【スマイルキンパ】

 斬新であり、型破りであり、未来性を感じる海苔巻き。今年1月に東京の表参道でオープンした、【スマイルキンパ】の韓国式海苔巻き「キンパ」を食べての正直な感想です。2017年に「チーズタッカルビ」で大ヒットを飛ばした日本の韓国料理業界は、次をこの「キンパ」に照準を合わせてもよいのではないでしょうか。日韓の現状を見るに、決して大げさな話ではないはずですし、日本の寿司業界にも影響を与えるようになるかもしれません。

    全部で6種類の「キンパ」を用意。テイクアウトが中心

 まず、前提となる韓国式海苔巻きの基本から。日本の巻き寿司と大きく異なるのはまずごはんで、酢飯ではなくゴマ油と塩で味付けをします。具として入るのは7種類前後で、ホウレンソウのナムル、炒めたニンジン、卵焼き、海苔巻き用のハム、たくあん、カニカマ、エゴマの葉などなど。ほかにも炒めた牛肉を入れたり、ツナを入れたり、チーズ、キムチなど、バリエーションはかなり豊富です。

    店内のオープンキッチンですべての「キンパ」を調理

 韓国の街中には「キンパ」の専門店が至るところにあり、コンビニや屋台などでも販売されています。さっと小腹を満たす伝統的なファストフードであるとともに、遠出をするときのお弁当としても定番ですね。そんな極めて身近なローカルフードに、近年大きな変革が起こりました。

    ごはんを少なめに色とりどりの食材を巻き込んで作る

 それが2013年頃から「健康」をキーワードに、大きな盛り上がりとなったプレミアム「キンパ」の登場。ごはんの量を減らして炭水化物を控え、具の割合を増やすことで幅広い栄養価を摂取する健康路線が特徴です。パプリカなどの生野菜や、ナッツなどを加えつつ、ごはんも玄米を使用したり、無添加の調味料にこだわるなど、数多くの専門店が新しい「キンパ」を生み出していきました。【スマイルキンパ】の出発点もここにあります。

    店内はカウンター4席。イートインではスープも付く

 日本の韓国家庭料理店でも「キンパ」を出す店は増えてきましたが、韓国で進化中のプレミアムを出す店はまだまだ珍しい。そのプレミアムな魅力を広めたいというのが【スマイルキンパ】のコンセプトです。ヘルシーさを前面に出した「キンパ」の専門店。それだけでも充分に斬新ですが、そこからさらにひと工夫を加えたのが、「日本人の舌に合わせる」という部分でした。

    いろいろな種類を食べて欲しいとハーフサイズがメイン

 現在、【スマイルキンパ】のレギュラーメニューは6種類。ずらり並べると、『牛肉とたっぷり生姜8種具材のキンパ』『豚肉とにんにくの芽のスタミナキンパ』『しっとりささ身の梅キムチキンパ』『ツナと紫キャベツのマリネキンパ』『切り干し大根のナムルとクリームチーズキンパ』『出汁巻玉子、穴子と生姜たっぷりしいたけキンパ』といった面々です。「キンパ」としてはだいぶ目新しい食材も多いですが、そのあたりもプレミアム路線の流れであり、そこに乗りつつ和の食材をうまく調和させた感じです。

    人気の高い『牛肉とたっぷり生姜8種具材のキンパ』ハーフ 500円、1本 1,000円(ともに税込)

 いちばん人気は『牛肉とたっぷり生姜8種具材のキンパ』。メインの牛肉はコチュジャンのタレにひと晩漬け込み、それを同じタレで焼いてあります。一緒に煮込んだ千切り生姜とともに、香りのアクセントとなるのが大葉。ここにエゴマの葉ではなく、大葉を使ったことが和に寄せた工夫の大きなひとつ。また、すべての「キンパ」に共通することですが、表面にゴマ油を塗りつつも、ごはんは薄めの酢飯を使っています。

    梅の酸味が効いた『しっとりささ身の梅キムチキンパ』ハーフ 450円、1本 900円(ともに税込)

 そんな和の特徴をよく感じられるのが、『しっとりささ身の梅キムチキンパ』。これもまた大葉の香りを効かせてあり、また梅の酸味との組み合わせは日本人にとって間違いのないところ。キムチの風味がわずかに韓国を主張しつつも、淡泊で柔らかなささ身との相性はまさに抜群と言えます。

    『出汁巻玉子、穴子と生姜たっぷりしいたけキンパ』ハーフ 600円、1本 1,200円(ともに税込)

 そして、極め付きが『出汁巻玉子、穴子と生姜たっぷりしいたけキンパ』。甘く仕上げた出汁巻玉子と穴子に、シイタケのうま味が加わって、これはもう文句のつけようのない和のうまさ。これを「キンパ」と名乗ってよいのか悩むところですが、他のメニューでも味付けにナンプラーが使われているなど、ワールドワイドに可能性を広げた中のひとつが和だとも解釈できます。

    スタッフのみなさん。お気に入りの「キンパ」を持って

 韓国の流行を巧みに取り入れつつ、ヘルシー路線に軸を置きつつ、味のバラエティは独創性をもって無限に広げる。韓国料理の「キンパ」として新しいのはもちろん、日本の海苔巻きとしても新たな可能性が生まれたように思えます。現在の6種類に加え、新商品も模索中とのこと。今後どんな方向性が生まれてくるのか、心から楽しみにしたいと思います。

【スマイルキンパ(SMILE KIM BAP)】

電話:070-3793-0016
住所:東京都渋谷区渋谷2-8-12ラ・グリスィーヌ1階
アクセス:東京メトロ「表参道」駅B1出口から徒歩8分
営業時間:11:00~19:00
定休日:土・日・祝日
http://smilekimbap.jp/index.html

■八田さん韓国グルメ

この記事を作った人

八田靖史(フリーライター)

慶尚北道広報大使、慶尚北道栄州市広報大使。コリアン・フード・コラムニスト。2001年より雑誌、新聞、WEBで執筆開始。トークイベントや講演、韓国グルメツアーのプロデュース。近著に「イラストでわかる はじめてのハングル」(高橋書店)。WEBサイト「韓食生活」を運営。

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