熱戦続く平昌五輪! 観戦の合間にちょっとつまめるご当地おやつをご紹介
韓国の平昌(ピョンチャン)で開催中の冬季オリンピック・パラリンピック。各競技ともメダル争いが白熱する中、大勢の観戦客で現地は盛り上がっています。力の入る瞬間が多い中、合間でホッとひと息入れられるような、地元の特産品を用いた現地のおやつを紹介します。
平昌五輪の観戦とともに味わいたいご当地おやつを一挙紹介
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旌善の市場で味わう懐かしのキビ餅と、香り鮮烈な草餅
スルメイカの名産地である江陵ではイカスミソフトを
5種類の素材を用いたホカホカのあんまんは平昌で賞味
平昌五輪とほっこりおやつ
「旌善アリラン市場」は2と7のつく日に市が立つ
連日、熱戦が繰り広げられている韓国・平昌(ピョンチャン)での冬季オリンピック・パラリンピック。現地のグルメを紹介する企画の第4弾は、ご当地スイーツを取り上げてみたいと思います。と言っても地方都市なので、スイーツというより地元感のあるほっこりおやつ、と表現したほうが印象はピンとくるかもしれませんけどね。平昌のほか、競技会場のある江陵(カンヌン)、旌善(チョンソン)も含めて、それぞれ地元の特産品を用いたご当地ならではの甘いものがあります。
市場内は山菜天国。アザミの葉、キバナオウギが名産
まずはアルペン競技が行われている旌善から。一帯でも山深いところにあるこの地域には「旌善アリラン市場」という五日市場があり、地元の山菜、韓方材などが集まってきます。観光客にとっても定番のスポットですが、そんな市場内には郷土料理店の集まる一画があり、そこでは店頭で手軽につまめる屋台おやつも販売しています。
飲食店の店頭では、そばのチヂミやキムチ巻きを販売
こちらがそんな屋台コーナー。お母さんが焼いているのは、特産品であるそば粉をクレープ状に仕立てたもの。ここに炒めたキムチをのせてくるくると巻けば、『メミルチョントク』という郷土料理になり、あるいは白菜をのせて薄焼きにすれば『メミルジョン』というチヂミになります。どちらも地元では小腹を満たす間食として、あるいはマッコリによく合うおつまみとしても親しまれています。
アンコ入りキビ餅の『ススブクミ』も旌善名物のひとつ
こちらは『ススブクミ』と呼ばれるキビ餅。キビの粉を練って作った生地にアンコを入れ、油をひいた鉄板でペタンと両面を焼いて作ります。キビの生地が油を吸うため、ひと口目はじゅわっと油がにじんでこってり濃厚。そこへ控えめな甘さのアンコと、素朴なキビの風味が加わって、どこか懐かしさを感じさせる味に仕上がります。
市場の中央で伝統方式の餅つきを実演するサービスも
観光客が多い時期の「旌善アリラン市場」では、サービスの一環としてこんなパフォーマンスも見られます。同じく旌善の郷土菓子である『スリチィトク』作りの実演。チョウセンヤマボクチ(韓国語ではスリチィ)という野草を練り込んだ餅のことで、この地域独特の草餅だと思ってください。なお、臼を使うのではなく、大きな木の板に載せて餅をつくのが韓国式です。
チョウセンヤマボクチの葉を練り込む『スリティトク』
市場の中には専門店もたくさんあります。いちばんの老舗店として地元でも評価されるのが、1962年創業の【ミンドゥンサンスリチィトク】。アンコ入りと、アンコなしの2種類を販売していますが、初めて食べるのであれば、まずはアンコなしから試してみてください。表面にゴマ油をさっと塗っているにもかかわらず、それにまったく負けない青々とした香りを楽しむことができます。この香りを存分に楽しんだのち、おもむろに次はアンコ入りを、というのがおすすめの食べ方です。
イカスミで真っ黒な見た目に仕立てたソフトクリーム
さて、ところ変わってスケート競技が開催されている江陵。この町の注文津(チュムンジン)という港は、韓国を代表するスルメイカの名産地です。この港で販売されているのが、イカスミを使った真っ黒なソフトクリーム。【マシワオジインオパン】という店の商品で、濃厚なイカスミのコクとともに、さらりと溶ける上品な甘さが持ち味です。しかも、ソフトクリームをのせるコーンの部分が、スルメイカを模した形になっているという芸の細かさ。生地にはなんとスルメイカの乾燥粉末も入っています。
スルメイカの形に焼き上げた饅頭の『オジンオパン』
ひと口サイズのかわいらしい『オジンオパン』(スルメイカ饅頭)も人気商品のひとつ。中にはアンコとともに、細かく刻んだスルメが入っています。それとはわからないほどに少量ですが、食べていると確かにスルメの風味がほんのり。アンコとスルメ。聞いただけでは違和感があるかもしれませんが、実際に食べてみると意外にマッチしているのが不思議です。注文津港まで行く機会があれば、騙されたと思ってぜひお試しを。
平昌の蓬坪地区で味わえるカラフルな見た目のあんまん
最後は五輪開催地の平昌から。平昌郡内には蓬坪(ポンピョン)というそばの名産地があり、そば粉を用いたあんまんが作られています。写真が【蓬坪メミルハーブチンパン】という店で販売されているカラフルな5種類のセット。左奥から黒米、小麦、そば、カボチャ、ヨモギを生地に練り込んでおり、いずれにもつぶあんが入っています。
ヨモギの香りとしっかりした粒あんの甘味を楽しめる
そば入りもよかったですが、個人的にはヨモギの風味が印象的でしたね。蒸したてのホカホカを味わえば、今のような寒い時期にはたまらないおいしさです。
以上が、平昌五輪にちなんだご当地スイーツのまとめ。観戦の合間にちょっとつまめば、ホッとなごんでいい息抜きにもなるはずです。
【ミンドゥンサンスリチィトク(민둥산수리취떡)】
電話:+82-33-563-0445
住所:江原道旌善郡旌善邑五日場キル42-7
住所:강원도 정선군 정선읍 5일장길 42-7
【マシワオジンオパン(마시와오징어빵)】
電話:なし
住所:江原道江陵市注文津邑海岸路1754
住所:강원도 강릉시 주문진읍 해안로 1754
【蓬坪メミルハーブチンパン(봉평메밀허브찐빵)】
電話:+82-33-336-4946
住所:江原道平昌郡蓬坪面許生員ジャントキル11
住所:강원도 평창군 봉평면 허생원장터길 11
この記事を作った人
八田靖史(フリーライター)
慶尚北道広報大使、慶尚北道栄州市広報大使。コリアン・フード・コラムニスト。2001年より雑誌、新聞、WEBで執筆開始。トークイベントや講演、韓国グルメツアーのプロデュース。近著に「食の日韓論 ボクらは同じものを食べている」(三五館)。WEBサイト「韓食生活」を運営。
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