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更新日:2018.09.13食トレンド デート・会食

緑のアーチをくぐり抜けたどり着くのは、軽やかなバスク料理を供する“幸福な食卓”|武蔵小山 【WINE&BISTRO Eme】

近年、本格フレンチシェフが手がけるビストロが続々と誕生しています。アラカルトで楽しめるカジュアルな雰囲気なのに、味は本物。今回お邪魔した武蔵小山にある【ワイン&ビストロ エメ】も、また然り。本物を知っているオトナが気軽に楽しめる、そんなお店がまた一つ増えました。

緑のアーチをくぐり抜けたどり着くのは、軽やかなバスク料理を供する“幸福な食卓”|武蔵小山 【WINE&BISTRO Eme】

グリーンウォールのファサードを抜けて、広がるのは癒しの空間

 どこか軽やかで優しく、飽きがこない。そんなフレンチが食べられるのが、今年の5月にオープンした武蔵小山の【ワイン&ビストロ エメ】。野菜を主体とした、フランス南西部バスク地方の料理や総菜と、それに合う上質なワインが楽しめるお店です。

    東急目黒線「武蔵小山」駅から徒歩2分、グリーンショップ【TRANSHIP】の奥に店を構える

    東急目黒線「武蔵小山」駅から徒歩2分、グリーンショップ【TRANSHIP】の奥に店を構える

 緑のアーチをくぐり抜け、店内へ。席について周りを見渡せば、【TRANSHIP】の植物が目に入る、癒しの空間が広がります。

    “古き良きもの”が好きな武藤シェフ。アンティーク雑貨などのコレクションも並びます

    “古き良きもの”が好きな武藤シェフ。アンティーク雑貨などのコレクションも並びます

「どうしても、お店の入り口に花や緑が欲しかったんです。グリーンがあると心が豊かになりますから」と話すのは、料理人兼ソムリエの武藤恭通シェフ。4年の歳月をかけ、やっと理想の物件に出会えたそう。

素朴だけど“しみじみおいしい”バスク料理を、タパスとアラカルトで

 バスク料理はフレンチの中でも軽やかな印象。とくに【エメ】は野菜を主体としたメニューで構成されており、それらをタパス(小皿)やアラカルトなど心地よい量で楽しめるのです。さらに、和食の出汁の取り方を応用したり、味を“重ねる”印象のあるフレンチで絶妙な引き算を施すことで、日本人好みの“軽めフレンチ”を生み出しています。

    タパスを3~4皿オーダーし、アラカルトで肉・魚料理、メインをオーダーするのが、シェフオススメの分量 ※メインは人数に合わせて量を調整してくれます

    タパスを3~4皿オーダーし、アラカルトで肉・魚料理、メインをオーダーするのが、シェフオススメの分量 ※メインは人数に合わせて量を調整してくれます

 メインは1.5人前の量を二人でシェアできるため、少しずつ食べたい女性としっかり食べたい男性、どちらの欲望も満たしてくれるデートにオススメのお店。そんな【エメ】で食べてほしい一押し料理をご紹介します。

『シャルキュトリー盛り合わせ』

    1プレート1,500円~(税抜)。バスクのシェルキュトリーと、自家製が4〜5種ほど並びます。好みで分量の変更も可能

    1プレート1,500円~(税抜)。バスクのシェルキュトリーと、自家製が4〜5種ほど並びます。好みで分量の変更も可能

 シャルキュトリー職人・ピエールオテイザ氏がつくった繊細な余韻が残る生ハム「ジャンボンアルデュード」や、噛むほどに旨みがじんわり広がる白カビのサラミ「ソシースセッシェ ピマンデスペレット入り」。それに自家製の「豚肉のパテ・ド・カンパーニュ」や、牛肉の生ハム「ブレザオーラ」が同じお皿に並びます。

「本場・バスクのシャルキュトリーと、バスクで学んだ技術を活かしてつくった自家製がこの一皿に並んでいます」と、シェフにとっても思い入れのある一皿。

『パイ包み焼き その日の厳選素材』

    2,800円(税抜)。フランスの伝統的な郷土料理「アショワ」を詰めたパイ包み焼き。秋は鹿肉を予定

    2,800円(税抜)。フランスの伝統的な郷土料理「アショワ」を詰めたパイ包み焼き。秋は鹿肉を予定

 バターが香るパイ生地はほんのり甘みを帯び、サクッと軽い食感。中には、細かく刻んだバスク豚の挽き肉と万願寺唐辛子を白ワインで煮込んだ「アショワ」を詰め、ジュード・プーレ(鶏ガラ)にクルミ油を加えて、軽やかなコクを出しています。

『天然海老のビスクのクレームブリュレ』

  • 900円(税抜)。友人である甲殻類専門店【うぶか】の料理人、加藤さんから教わったという海老出汁の取り方をビスクにアレンジ。車海老のほのかな甘さと、キャラメリゼのほろ苦さや香ばしさが融合した一品です

『テッドドフロマージュ 豚のカシラのコラーゲンたっぷりの煮凝り』

  • 1,800円(税抜)。3~4日掛けて丁寧につくり上げた、テッドドフロマージュ。豚の頭肉に加え、コリコリとした耳や舌、ほろっとほぐれる頬などさまざまな部位を入れることで、食感の違いが楽しめます

 ワインソムリエの資格を持ち、ブルゴーニュで働いた経験のある武藤シェフ。オンリストのこだわりは、“つながり”。ブルゴーニュやオセアニアなど、あらゆる国を巡り、さまざまな人や想いに直接触れ、自身が“良い”と思ったものを選んでいます。

    (右)『オリジナルHerbワイン』フロール/ハイビスカスの2種で提供(写真はフロール)グラス 900円 (中央)『イルレギー・ブラン・ミニャベリー』ボトル8,200円 (左)『イルレギー ロゼ アルギ』グラス1,100円、ボトル6,200円(すべて税抜)

    (右)『オリジナルHerbワイン』フロール/ハイビスカスの2種で提供(写真はフロール)グラス 900円 (中央)『イルレギー・ブラン・ミニャベリー』ボトル8,200円 (左)『イルレギー ロゼ アルギ』グラス1,100円、ボトル6,200円(すべて税抜)

 また、「オリジナルワインが欲しかった」と、白ワインにラベンダーやオレンジブロッサム、ローズなどのハーブの香りを移した『オリジナルHerbワイン』も提供。ドライなので味の邪魔はせず、ほのかにハーブが香ります。

多彩なキャリアを持つ武藤シェフの、想いが詰まった念願のお店

 代官山の【タブローズ】で料理人としてのキャリアをスタートさせた武藤シェフ。フランスの三ツ星レストラン【ラムロワーズ】や、ワインの郷・ブルゴーニュなどで研鑽を積み、バスクではシャルキュトリーについても学びます。フランス以外にもニュージーランドや台湾へ渡り、異国の文化や料理に触れてキャリアの幅を広げ、帰国後は代官山の老舗レストラン【マダム・トキ】の副料理長に。メニュー開発から仕入れ管理、人材育成まで幅広く携わります。

    横浜出身の武藤恭通シェフ。料理と同じく、温かくて柔らかな印象

    横浜出身の武藤恭通シェフ。料理と同じく、温かくて柔らかな印象

「いつかお店をもちたい」と、シェフを始めた2007年頃から店づくりのために“想い”を書き留めてきました。――入り口には花や緑を飾り、近所の人が気軽に立ち寄れるようなグロッサリーを併設。コースではなくアラカルトでカジュアルに楽しめ、平日はスーツでビシッと決めている大人が、休日にポロシャツ・短パンでふらっと立ち寄れる、“いいものを知っている大人がラフに過ごせるお店”がつくりたい――、それは、今まさに目の前にある【エメ】そのものだったのです。

  • 入り口に一番近い席からの景色。ガラス越しに【TRANSHIP】の緑豊かな光景が目に入ります

  • ノートには11年の歳月をかけて積み上げてきた、店づくりのアイデアが書き綴られています

 そんな思いを形にした、日本人が喜ぶバスク料理とワインが楽しめる【エメ】。再開発が進み、注目度が増す武蔵小山は、目黒駅から東急目黒線で2駅と比較的アクセスもよいので、これをきっかけに新規開拓してみませんか?

グリーンショップ【TRANSHIP】

  • 週末のみ営業するグリーンショップ。
    毎週品ぞろえが変わります。
    電話:03-6421-6055
    住所:東京都品川区小山3-11-2-1F
    店頭営業:金・土・日曜のみ
    営業時間:11:00〜19:00

この記事を作った人

撮影/今井裕治 取材・文/嶋亜希子(ヒトサラ編集部)

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