更新日:2017.05.27グルメラボ 連載
今日のヒトサラ:6月9日――本日はロックの日。となれば『肉じゃが』が食べたくなりませんか?
ロックミュージシャンンの代表と言えばミック・ジャガー。となれば、やはり『肉じゃが』の日じゃないでしょうか。
もう記事のタイトルで、ネタばれしているのは、百も承知。強引に行きます、今日は。だって、それこそロックスピリッツです!
そもそも、69⇒ロックというのも語呂合わせでしかありません。私事ですが、最初に勤めた音楽系出版社では、創立記念日として休みでしたが、登記簿を見たら、設立は12月でした…会社員として休みがあるのは嬉しいことですが、どういうこと? その強引さこそがロックスピリッツかもしれません。
ロックを代表するアーティストとしては誰がいるのか? 昨年他界したデヴィッド・ボウイだ、いやフレディ・マーキュリーだ、などなど人によってそれぞれでしょうが、ここでは便宜上、ローリング・ストーンズのミック・ジャガーとします。そうしないと、話がまとまらないので。だって、語呂合わせとして、『肉じゃが』と似ていることは、ファンやマニアだけなく、小学生でも気づくこと。肉フレンチの大家、【マルディグラ】の和久シェフも『ニック・ジャガー』という隠れた銘皿のレシピを雑誌に公開していたこともあります。
『肉じゃが』の発祥は、舞鶴? 呉?
今では国民食とも言える『肉じゃが』ですが、その歴史はそれほど長くはなく、1880年ごろ。明治の軍人・東郷平八郎がつくらせたのが起源という説が主流を占めます。留学先のイギリスで食べたビーフシチューの味を非常に気に入り、日本へ帰国後、艦上食として作らせようとしたが、ワインもドミグラスソースも無かったので、東郷の話からイメージして醤油と砂糖を使ってつくったのが始まりという説です。
その時期に東郷がいた場所が、京都府の舞鶴鎮守府だったのか、それ以前の広島県の呉鎮守府だったか決定的な資料がないので、舞鶴市は1995年に「肉じゃが発祥の地」を宣言、それを受けて1998年には呉市も「肉じゃが発祥の地?」として名乗りを上げました。その決着が付かないまま、現在ではそれぞれの街で、ご当地グルメの『肉じゃが』が考案され、地域おこしに使われています。
『まいづる肉じゃが』
舞鶴市の提供されているご当地グルメで、材料に男爵いもを使うことが特徴。市民有志によって「まいづる肉じゃがまつり実行委員会」が結成され、市内の多くの飲食店で販売されています。
そんな『まいづる肉じゃが』のインスパイアされた一皿でオススメなのが、【レストラン 海望亭】の『海望亭肉じゃが御膳』。肉じゃがをステーキ風に仕立て、じゃが芋をペーストした甘辛のオリジナルソースが味の決め手です。
『くれ肉じゃが』
呉市で提供されているご当地グルメで、こちらは材料にはメークインを用いていることが特徴。地元の市民団体を中心に「くれ肉じゃがの会」が結成され、会員店舗で販売されるようになっています。
そんな呉で食べたい『肉じゃが』は、居酒屋アレンジでいただく【瀬戸内バル 五十六】の『肉じゃがデミ煮込み』。どんなお酒のアテにも最高ですね。
撮影・取材・文/杉浦 裕