更新日:2018.09.29旅グルメ
“ハイブリットキュイジーヌ”でソウルに新たな潮流をもたらした【RYUNIQUE(リュニーク)】|韓国
ソウルを代表するトレンドエリア、カロスギルにある【RYUNIQUE(リュニーク)】。シェフのリュウ・テファン氏は、コンテンポラリースタイルを韓国のグルメシーンに取り入れたファーストジェネレーションとしてその名を知られた存在です。韓国に新たな潮流をもたらした名店の魅力をお届けします。
生産者のもとへ訪れ、そこで受けるインスピレーションを料理に還元
2015年の「アジアのベストレストラン50」では27位に選ばれた【RYUNIQUE】。その評価点は、ずばり明確なコンセプトと、それが高次元で皿の上に表現されていることにあります。
シェフのリュウ・テファン氏。日本での修業も氏に大きな影響を与えたという
シェフ、リュウ・テファン氏がコンセプトにかかげるのは、韓国の食材を使い、フレンチと和の技法を交えてつくりあげる「ハイブリットキュイジーヌ」。それを可能にするのは、日本をはじめとしたシェフの多彩な修業経験と、食材への飽くなき探究心にあるといえるでしょう。
食材はリサーチチームとともに、韓国全土から探し出す。写真は烏骨鶏を使ったメインのひと皿
リュウ氏は、ソウルにおいて確固たる地位を築いた現在も、休日には生産者のもとへ足を運び、話を聞き、その情熱に触れては、自分の料理へと還元するのだといいます。
「たとえば、生産者のもとへ足を運ぼうが、運ばまいが、厨房に届く食材としては何一つ変わらない。しかし、現場に行けば、生産者がいいものをつくるためにいろんなこだわりをもって栽培したり、家畜や家禽を育てている。その過程や環境、情熱を知ることが自分にとってはすごく大切。それが自分の料理のインスピレーションにつながるんです」
そればかりか、リュウ氏は生産者とともに共同であらたな野菜などの開発も積極的に行っているといいます。「いまは料理に使う食材の80%ぐらいが韓国産。まだまだ、いろんな食材が韓国にはあるし、それを発掘していきたい」。そんな言葉からもリュウ氏の食材への情熱を伺い知ることができます。
和仏の技法に、韓国食材と韓国料理のエッセンスを仄かに加えて
そんな韓国の食材を生かすも殺すも、もちろん調理次第。リュウ氏はフレンチと和食の技法を駆使して、それらの魅力を引き出していきます。
日本語を流暢に操るリュウ氏は日本での修業経験も豊富。服部調理師専門学校を卒業し、西麻布の寿司店などで5年間を過ごしたのち、ロンドンの三ツ星【Gordon Ramsay】などでフレンチを学んだ実力の持ち主なのです。
ドライキムチやジャガイモを使いトンボに見立てたスペシャリテ。頭の部分はコチジャンを添えたトマトのピュレ
この日登場したひと皿は、ハタハタをプレスして薄焼きにしたもの。イクラが添えられた添えられたソースはマヨネーズ風で、日本の「タタミイワシ」に感化されたのは間違いなさそう。かと思えば、烏骨鶏を使ったメインは完全にフレンチ仕立てで、ソースにカンジャン(韓国醤油)わずかなコリアンテイストもプラスしていました。
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ハタハタをタタミイワシ風のプレスした一品。奥には烏骨鶏のペーストを添えた
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一帯はソウルのトレンドスポットながら店が路地裏にあるため、落ち着いた雰囲気が漂う
和あり、フレンチあり、時に韓国のほのかなエッセンスも加える。カロスギルの路地裏にある静謐なレストランでコースを堪能すれば、韓国の食材をめぐる小旅行にでも出かけた気分になります。
リュウ・テファン氏 プロフィール
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日本の調理師専門学校を卒業し、西麻布の鮨店やシドニーの【Rockpool Bar & Grill】、ロンドンの三ツ星【Gordon Ramsay】などを経て独立。「アジアのベスト50レストラン」2015では27位に選ばれた。
【リュニーク】
電話:+82 2 546 9279
住所:40 Gangnam-daero, 162-gil Gangnam-gu, Seoul
営業:12:00~14:00(L.O.)/18:00~20:00(L.O.)
休日:月曜
この記事を作った人
撮影/原 務 取材・文/吉田慎治
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