ヒトサラマガジンとは RSS

更新日:2018.09.28食トレンド 旅グルメ

イタリアンか!? 和食か!? はたまたフュージョンか? ミシュラン一ツ星の実力店【alla prima(アラプリマ)】|韓国

韓国の家具屋が立ち並ぶウルチノ地区の路地裏にあるレストラン【alla prima(アラプリマ)】。「ミシュランガイド・ソウル」の2018年版では一ツ星を獲得したことでも知られる気鋭のレストランは、そのジャンルレスなスタイルで高い評価を受けています。

アプリで見る

ジャンルにとらわれない、素材を引き立たせるための料理

「実は、あまり韓国料理には興味がないんです」

 そういって、いたずらっぽく笑うのは【alla prima】のシェフ、キム・ジンヒョク氏。ただ、それを「韓国料理が嫌い」という意味で捉えるかは別の話。キム氏の言葉を要約すれば、韓国料理だけが料理のすべてではない、といったニュアンスの方が近く、日本での修業経験や、イタリアンやフレンチも学んできたからこそ見い出せた、信念でもあります。

    シェフのキム・ジンヒョク氏。自身を「飽きっぽくて、すぐ次にチャレンジシたくなる性格」と分析する

「ミシュランでは僕の店を“イノベーティブ”という位置付けで紹介していますが、自分の中で料理のジャンルはさほど重要ではないんです。フレンチでもイタリアンでも和食でも中華でも構いません。自分がよいと思えばアジアンでも何でも取り入れたいと思っています」

 では、シェフが料理に対して重きを置くものとは何なのか。

それは、ずばり食材にあります。キム氏は同じ食材だからといって、同じ調理法を施すことはありません。日本に走りや旬、名残があるように、キム氏はその食材の微妙な変化を感じ取りつつ、食材の魅力を最大限に活かすために、ジャンルを超越して最適な仕事を施すことを信条としています。

一期一会の料理は、時にひと皿に他ジャンルが融合することも

 もちろん、素材を大切にしていることは、料理を味わえば明白です。たとえば、ある日に供されたモンブランのようなひと皿は、イチジクにフォーカスして仕立てた料理。イチジクの独特のフレーバーを表現するために、デザート風に仕立てようとシナモンを使い、さらに、キャビアとカニ身を添えて、塩味と旨味をプラスしました。キム氏の狙いは、味を複雑化させるとともに、「イチジクの香りや風味をさらに引き立たせたかった」といいます。

    イチジクのフレーバーをキャビアの塩みと蟹肉の旨みで見事に引き立たひと皿

 続いて供された鱧の料理は、吉野葛で葛打ちした和食スタイル。鱧の骨と鶏節、ドライトマトでとった出汁を合わせ、チェジュ島の木の芽をちらすことで、鱧の旨さに見事な出汁感と風味を寄り添わせています。

  • 鱧料理の繊細な出汁からは、多分に和食文化の影響を受けたことが感じられる

  • 緑の夏野菜仕立てのガスパチョ。セロリのアイス、蒸し鮑、肝ペーストなどがひと皿に

 このように、ひと皿ごとにジャンルを飛び越えこともあれば、時にはひと皿の中で他ジャンルが融合することもある。それが【alla prima】というレストランの料理なのです。

    入口側はオープンキッチンを目の前にするカウンター、奥には贅沢なテーブルレイアウトの空間が広がる

 ゲストのなかにはフュージョンという人もいれば、イタリアンという人もいて、時に和食ベースの料理と感じる人がいるのは、ジャンルにとらわれない、食材を活かすための料理だから。それは、まさに一期一会の味。この店には、訪れるたびに新たな味と出会える楽しみが待ち受けています。

キム・ジンヒョク氏 プロフィール

  • 日本の調理師専門学校を卒業し、道場六三郎氏の【ろくさん亭】で修業するなど、日本の食文化にも影響を受ける。イタリアンやフレンチも経験し、2014年に独立、【alla prima】をオープン。2016年に現在のウルチノ地区に移転、新生【alla prima】としてリニューアルした。

【alla prima】

電話:+82 2 511 2555
住所:13 Hakdong-ro 17-gil, Gangnam-gu, Seoul
営業:12:00~13:00(L.O.)/18:00~20:30(L.O.)
休日:日曜

この記事を作った人

撮影/原 務 取材・文/吉田慎治

この記事に関連するエリア・タグ

人気のタグ

編集部ピックアップ

週間ランキング(12/10~12/16)

エリアから探す