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創意あふれるおまかせコースと気取らぬ割烹スタイルが評判の、人気和食店の新展開【味勧屋(みかんや)】

飲食店がひしめく神戸・東門街界隈で、人気の日本料理店が昨年、姉妹店をオープン。コースのみの本店とは異なり、アラカルトも注文できるカジュアルなスタイルで、本格和食が気軽に味わえると評判に。おまかせコースから定番の一品料理まで、幅広い楽しみ方ができる一軒です。

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姫路の人気店が移転後、姉妹店を新たに展開

 飲食店がひしめく路地に、趣ある格子の引き戸。中に入ると、土壁に網代の天井、白木のカウンターには割烹着姿のスタッフが立ち、清々しい雰囲気に包まれます。

    職人技が光る、数寄屋造りの凛とした空間が、路地のざわめきを忘れさせてくれる

「黙って料理が出てくるより、話をした方がお互い楽しめますから、断然カウンターが好きですね」という店主の阿部譲さんは、10年前、修業先の姫路で日本料理【百屋】を創業。地元の支持を得て、4年後に神戸に移転したベテラン料理人です。

    料理はすべて1万円のコース(税込)より。先付の賀茂茄子の煮こごりと、サンマの佃煮粉ガツオ和え

【百屋】では品書きはコースのみでしたが、「ちょっと一杯、気軽に飲みたい」、「少しずついろいろ食べたい」との声に応えたのが、17年に開いたこちらの姉妹店。おまかせコースのほか、旬の魚介を使った一品や気取らぬ惣菜などアラカルトも注文できる、よりカジュアルな割烹スタイルで早くも人気を博しています。

隅々まで創意と工夫を散りばめた品書きに
会話も弾む、新味に満ちた一品が充実

 老舗の懐石から自家菜園を持つ和食レストラン、鉄板焼まで、幅広いジャンルのお店で修業を積んだ阿部さん。この店の品書きにも、修業時代の経験が存分に生かされています。

「何かしら工夫したものをお出しできれば。暇さえあれば新しい品書きを考えています」という、阿部さんの創意を味わうなら、まずはおまかせコースを。全8品の充実のコースには、随所に細やかな趣向が凝らされています。

    自家製胡麻豆腐の甘みと、トロリとしただしが溶け合う椀物

 賀茂茄子を揚げ浸しにして旨みを丸ごと閉じ込めた煮こごりや、自家製の胡麻豆腐がふわりと溶ける椀物、さらに6種の造りは、それぞれに味付けを変える手間の掛けよう。マグロには独特の風味が後を引くオリジナルの納豆醤油、鯛は煎ったカラスミと和えて、ウニは磯の香を増す海苔の佃煮を添えて、といった具合。しかも調味料に使う素材のほとんどが自家製というから驚きです。

    お造り6種盛り。写真はマグロ、鱧、カツオ、剣先イカ、鯛、ウニ

 また、ご飯と一緒に出される赤だしもひと工夫が。思わず目を見張るまろやかなコクは、「味噌ラーメンにバターを入れるなら、赤だしにも合うはずと思って」と阿部さん。目立たぬ一品にまで、まさか仕掛けがあろうとは。コースの随所に、思わず“”新鮮な趣向が盛り込まれています。

お酒も会話も進む、割烹ならではの楽しみを満喫

 料理だけでなく、実は製菓の経験もある阿部さんだけに、抹茶と共に供される和菓子までお手製。この引き出しの多さを前にすれば、自然と会話も弾み、播磨の蔵を中心に揃える日本酒も心地よく杯が進みます。

    釜で炊き上げる季節のご飯。赤だしに加えたバターのコクが新鮮

    和菓子と抹茶。写真の月見団子は、蒸した芋を裏ごしし、醤油とコアントローが隠し味

 自ら茶道も学び、和食の良さを伝えていきたいという阿部さん。「手の込んだ料理もいいですが、実は煮物が得意で」と、コースを楽しむ隣では、おばんざいをアテに一杯というお客も。日々、新しい味を追求するコースと、滋味あふれる定番の一品で和食の醍醐味を満喫できる一軒。日々進化する魅惑の品書きは、楽しみが尽きません。

【味勧屋(みかんや)】

電話:078-219-8558
住所:神戸市中央区中山手通1-6-4
アクセス:
営業:11:30~13:30(L.O.)、17:30~22:00(L.O.)※昼は要予約
定休日:日曜

この記事を作った人

取材・文/田中慶一(フリーライター)

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