V12達成! ミシュラン三ツ星を12年間とり続けるシェフ【カンテサンス】岸田周三氏 | 第3~4話
国内外から注目を集める一流シェフや料理人、食に精通するスペシャリストをゲストに招き、食のトレンドをお届けするインターネットラジオ番組『ヒトサラ シェフズテーブル』。Vol.37~38のゲストは、先日発表された「ミシュランガイド東京2019」にて12年連続で三ツ星を獲得した【カンテサンス】の岸田周三さんの後編をお届けいたします。
今回のゲストは、サステナブルシーフードなどの環境問題にも積極的に取り組むフレンチ界のトップシェフ、【カンテサンス】の岸田周三シェフ。
三重【ラ・メール】、東京【カーエム】での修業を経て、フランスに行く必要性を感じた岸田シェフ。26歳のときに航空チケットだけを手に、宿泊先すら決めずに向かったフランスでの5年間には、決まっていた未来なんてひとつもなかった。そんななかブラッスリーから一ツ星、二ツ星、三ツ星と自分が見るべき世界、学ぶべき料理をしっかりと見続け、最後に行き着いた店は【アストランス】。彼はこの店で、現在のスタイルに大きく影響を与えたというシェフ、パスカル・ガルボ氏と出会う。【カンテサンス】のイメージは、すでにフランスにいる頃から固まっていたという岸田シェフ、フランスで何を得たのだろうか。
第3話:チケット一枚で渡仏
好きな料理と星の数は比例しない
――フランスでは何カ所ぐらいお店を移りましたか。
岸田:パリで3軒。それから南仏に1軒行って、最後にパスカル・ガルボさんがオープンした【アストランス】というパリの店に戻ってきました。
――次の店に行こうっていうのは、自発的に動くわけですか。
岸田:そうですね。最初はブラッスリーで働いていたのですが、次に一ツ星、その次に二ツ星。で、最後に三ツ星という風に全部回りました。星の差は何かっていうのを、自分自身で見てみたい、感じてみたいというのがありまして。そこで気づいたのは、好きな料理っていうのと星は必ずしも比例しないっていうことです。三ツ星まで働いたあとに、最後に【アストランス】っていうお店で働きましたが、当時まだ一ツ星しかなかった。でも「今働いている三ツ星よりも美味しいな」ってずっと思っていて、三ツ星を辞めてでもどうしても働きたくて、何度も食べに行きお願いをしました。
【アストランス】パスカル・ガルボ氏の魅力
――【アストランス】で、一番良いと感じられたのは、どんな部分ですか。
岸田:すべてのクオリティが全然違うと思っていました。本当に小さな店なんですけど。20席ちょっとしかないような。でも、食材も三ツ星より良いものを使っていたし、技術も非常に高かったです。最初、ついていけないぐらいレベルが高くて。
――圧倒的な技術の差っていうのは、どこにあるのでしょうか。
岸田:パスカルは元々【アルページュ】という三ツ星レストランで二番手を5年くらいやっていた方なんです。【アルページュ】のアラン・パッサールさんは低温キュイソンといわれる低温調理法を考案し、一番基礎となる部分を初めて発信した方ですが、当時、実際にそれを店で調理していたのは肉の担当者だったパスカル。必要ないことは一切しないし、必要な部分にはすごい時間をかける。いわゆるセオリーとは違ったやり方をしていましたね。衝撃的な違いがありました。
第4話:レストラン【カンテサンス】
フランスでの修業経験を終え、岸田シェフはいよいよ自身のお店を白金台にオープンさせる。そこは岸田シェフの哲学が明確に表現されたレストラン。オープンから1年半で、『ミシュランガイド東京』の創刊とともに三ツ星を獲得。以降、星を落とさずに走り続けられるその理由は一体どこにあるのだろうか。そして岸田シェフが明確に捉える、フレンチの現在、そして未来とは。レストラン【カンテサンス】の日常、そして「岸田哲学」の根幹をひもとく。
充実した時間が、自分の料理を形づくった
――パスカルさんとの相性が非常に良かったということもあると思いますが、そこで自分の料理として確立されたものはありましたか。
岸田:ありましたね。クラシックな料理をずっと勉強してきたので、彼の現代的な料理に初めてふれ、大きな衝撃を受けました。今の僕の料理のベースになっているものには、パスカルの影響があると思っています。自分の料理を確立した、という意味では、やはりそこで過ごした時間が充実していたからだと思います。
――獲得されたものを日本に持ち帰り、最初は白金台にお店を出しました。今のように、ダークブラウンの空間で料理だけに向き合うような、最初からそんなイメージでしたか。
岸田:それはもう、全部決まってましたね。フランスにいた時から、目をつぶったら全部イメージできるくらい、きっちり考えて、何席で、いくらで、と。
料理へのオーダーについて
――【カンテサンス】を予約するときに、例えば「鯛は焼きじゃなくて蒸したものにしてほしい」とか、そういうオーダーは受け付けてくれるんですか。
岸田:全部お伺いはします。どんな要望だろうとお伺いします。ただ、僕のほうが、冷蔵庫の状況っていうのはよく理解しているはずだし、食材に対しても、僕のほうが絶対考え尽くしているはずなので、「僕におまかせしてくれたほうが、絶対よいものは出せますよ」と言います。それでも、どうしてもというならば、理由をお伺いしたうえで、お応えするっていうのはもちろん可能です。「絶対僕の料理のほうが美味しい」とは言いますけど(笑)
ゲストプロフィール
物事を突き詰めて考えるストイックさが、より高みを目指す岸田シェフの料理を進化させているのだろう。論理的な口調からもその哲学が伝わってくる。
1974年生まれ、愛知県出身。高校卒業後、三重県志摩観光ホテル【ラ・メール】、東京都渋谷区【カーエム】を経て渡仏。数々の名店で研鑽を積み、パリの三ツ星【アストランス】ではパスカル・バルボ氏に師事、スーシェフまで務める。2006年に帰国、【レストラン カンテサンス】を立ち上げ、2007年、『ミシュランガイド東京』で三ツ星に輝く。以降、毎年連続して三ツ星を獲得、料理界を牽引するトップリーダー。
【Quintessence】
電話:03-6277-0090
住所:東京都品川区北品川6-7-29 ガーデンシティ品川御殿山1F
アクセス:JR山手線「品川駅」または「五反田駅」から徒歩13分。京急本線「北品川駅」からの場合は徒歩7分。
時間:ランチ 12:00~15:00 (L.O.13:00)
ディナー 18:30~23:00 (L.O.20:00)
定休日:不定休 ※HPをご確認ください
この記事を作った人
ヒトサラ編集部
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