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更新日:2019.04.02旅グルメ

【豆皿小皿 食卓とワイン】神戸・三宮|和洋折衷の「おばんざい×ワイン」のペアリングが楽しめる

神戸・三ノ宮の目抜き通り、トアロードの脇の裏路地に2019年2月にオープンしたばかりの【豆皿小皿 食卓とワイン】。創意が光る小皿料理と多彩なワインのペアリングを楽しめるこちらの一軒は、早くも口コミでじわじわ人気上昇中。新味に満ちた料理でいっそう杯が進む、左党垂涎のニューフェイスです。

【豆皿小皿 食卓とワイン】神戸・三宮|和洋折衷の「おばんざい×ワイン」のペアリングが楽しめる

枠に捉われない発想で、料理のジャンルを超えた“おばんざい”

洒落た雰囲気のトアロードから一筋東、雑居ビルの入口から伸びる階段を上ると一転、2階のフロアは心和む空気が満ちています。

カウンターに立つ店主の橋本竜児さんは、ホテルの日本料理店から、イタリアン、フレンチでの修業を積み、元町の人気酒場【酒商 熊澤】にて約6年を経て独立。そんな経歴からか、国産ワインと仏伊メニューの和洋折衷のペアリングの面白さに触れて以来、様々なジャンルを取り入れた味作りに目覚めたのだそう。
看板メニューでもある『日替りの豆皿小皿』にも、独自の趣向が随所に。

    店内は細長いカウンターを中心に、ゆったりとくつろげる雰囲気

    店内は細長いカウンターを中心に、ゆったりとくつろげる雰囲気

例えば、『エシャロットと塩昆布の和え物』、『切り干し大根のアラビアータ』、『豚フィレの低温ローストと山椒味噌』と、見るからに和と洋が混合した、ジャンルの枠にとらわれない料理が10種以上もズラリ。いずれもオール450円(税込)と気軽にあれこれ楽しめます。
「どこかに和のテイストも入れつつ、枠に捉われず気軽に楽しんでほしい」と橋本さん。柔軟な発想と創意が光るオリジナルメニューの数々に、知らずと杯が進みます。

グラスワインは国内外の赤・白・泡・ロゼなど日替りで10種以上と幅広いセレクト。店名にも冠した様々な豆皿・小皿に盛り込んだ多彩なおばんざいと共に楽しめます。

和洋折衷の味とワイン&日本酒のペアリングの妙

思わず目移りしてしまうメニューに迷ったら、まずは橋本さんに相談を。ここでしか体験できないおすすめのペアリングを味わうのも、楽しみの一つです。

「味噌と昆布出汁をつかったトリッパ」×「イタリアンワイン(赤)」

    『トリッパと春野菜の金山寺味噌とトマト煮込み』700円(税込)。『ロッソ・ディ・ヴァルッテリーナ』(赤)グラス750円(税込)

    『トリッパと春野菜の金山寺味噌とトマト煮込み』700円(税込)。『ロッソ・ディ・ヴァルッテリーナ』(赤)グラス750円(税込)

 イタリアンの定番素材『トリッパと春野菜のトマト煮』は、金山寺味噌を隠し味に使った橋本さんの自信作。まさに和洋折衷の一品には、イタリアの『ロッソ・ディ・ヴァルッテリーナ』の赤を合わせて。鰹節と昆布ダシで煮込んだトリッパのあっさりしたコクに、赤ワインながらジューシーで軽やかな風味がぴたりと寄り添います。

「緑豆と玉ねぎのマリネ」×「甲州ワイン(白)」

    『ムング豆とツナ・玉ネギのマリネ』450円(税込)、『くらむぼん甲州(白)』グラス700円(税込)

    『ムング豆とツナ・玉ネギのマリネ』450円(税込)、『くらむぼん甲州(白)』グラス700円(税込)

インド・中国料理などでお馴染みの『ムング豆(緑豆) とツナ・玉ネギのマリネ』なら、人気の甲州ワインの『くらむぼん』白を。柑橘系の香りが爽やかなすっきり辛口のワインは、ビネガーとの相性が抜群。歯ごたえの良いムング豆と玉ネギのほのかな甘みも相まって、さっぱりとした余韻が後を引きます。

「ポテトサラダ」×「佐賀の日本酒(純米大吟醸)」

    『豆皿のポテサラ』450円(税込)、茹で玉子は+100円。『鍋島』純米大吟醸グラス700円(税込)

    『豆皿のポテサラ』450円(税込)、茹で玉子は+100円。『鍋島』純米大吟醸グラス700円(税込)

前職の【酒商 熊澤】では、様々な国産ワインと日本酒を扱っていた橋本さん。「開店間もないのでまずは分かりやすくワインから提案しています」とのことですが、要望があれば日本酒とのペアリングも提案してくれます。

例えばこの日は、定番の豆皿の『ポテサラ』と、佐賀の人気銘柄『鍋島』純米大吟醸のペアリング。栗のような甘みがある「インカのめざめ」を使った『ポテサラ』は、スモークオイルと粒マスタードを添えて。芳しい薫香と軽い酸味で、キレのいい大吟醸の風味とポテサラの味わいが絶妙に調和します。今後は日本酒も少しずつ増えていくとのことで、さらに楽しみが広がります。

【豆皿小皿】の料理はいずれも、野菜をたっぷり盛り込んだヘルシーな一品揃い。繊細な味わいを小ポーションで供されるので、2、3人で訪れたら、シェアしてあれこれペアリングを楽しめるのも嬉しいですね。

    店で使う豆皿は橋本さんが以前から好きで収集していたもの。色も形もとりどりの器の意匠も楽しみの一つ

    店で使う豆皿は橋本さんが以前から好きで収集していたもの。色も形もとりどりの器の意匠も楽しみの一つ

また、メニューも「もっといろんなジャンルを吸収して、どんどん新しくしていきたい」と橋本さん。レバーパテに奈良漬を使ってみたり、トリッパを麻婆豆腐仕立てにしてみたりと、今も日々の新味の追求に余念がありません。探求心旺盛な橋本さんのアイデアが発揮されるのは、まだまだこれから。次に訪れたらどんなメニューが待っているのか、これから目が離せない、気鋭のニューカマーです。

この記事を作った人

文 田中慶一(フリーライター)

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