あの名店が、昼だけ営業のとんかつ専門店として復活!|四谷三丁目【車力門 ちゃわんぶ】
2017年末に惜しまれながら閉店した割烹【車力門(しゃりきもん)ちゃわんぶ】。その名店がついに復活というビッグニュースが流れたのは、2019年5月のこと。場所は以前と同じ荒木町ですが、業態はがらりと変わってとんかつ専門店に!
メニューはとんかつ定食だけ、昼の3時間のみ営業
都内屈指のグルメスポット荒木町で、旬素材を駆使した品々がいただける割烹として人気を博した【車力門 ちゃわんぶ】。店主の武澤剛志さんは、かの【京味】で腕を磨いた経歴の持ち主。同じ京味出身、黒木純さん率いる【くろぎ】の厨房に立つにあたり、2017年末に一旦、自身の店を閉めることに。
個性様々な飲食店が軒を連ねる荒木町で、以前と変わらぬ佇まいのまま再開。店内はカウンター5席、その奥の個室にテーブル2卓
それから約1年半の時を経て、待望の再開。お昼の11時~14時のみ営業の、とんかつ専門店として生まれ変わった【車力門 ちゃわんぶ】は、喜びと驚きをもって迎えられています。
脂多めか、少なめか、好きな方を選べる豚ロース肉。この日は群馬の坂東豚を使用
店に入ってすぐ目に留まるのは、豚ロース肉の大きな塊。脂が多めか少なめか、希望を伝えると、極厚に切り分けられます。聞けば、重さは300gを超えるという圧倒的なボリューム!
旨みを閉じ込めるよう薄く片栗粉をまぶし、卵、パン粉を丁寧に重ね、15分ほどかけて揚げられます。
噛み締めるほどに肉の旨みと脂の甘みが広がる。上質な豚肉の持ち味を生かした火入れ
カラリと揚がったとんかつが、柳刃包丁でさっくりとカットされていよいよ対面。まずは会津の山塩でいただけば、柔らかく歯切れよい肉質、とろける脂の甘さが際立ちます。添えられたレモンを絞って、辛子をつけてもまた良し。
メニューは『とんかつ定食』3,240円(税込)のみ。ご飯・味噌汁・キャベツがお代わりOK
何よりも特筆すべきは、自家製ソース。温められて供されるソースは風味がふわっと広がり、揚げ立てのとんかつによく馴染みます。
それ以外にも、定食のラインナップは丹精込めたものばかり。手切りしたふわふわのキャベツは、ソースをかければちょっとした一品料理に。きゅうりの浅漬けは食感が良く、箸休めにぴったり。お揚げが入った味噌汁、炊き立てのご飯も、とんかつの味わいを最大限に楽しめるように手を尽くして作られています。
一切れ、また一切れと箸が止まらないけれど、平らげてしまわないようにご注意を。とんかつのおともがまだ待っています。
「すり流し」のように仕立てたカレーで、絶品カツカレーに
こちらのとんかつ定食は、カレーで〆るのがお約束です。野菜と7種類のスパイスで作られたカレーは、和食の一品「すり流し」のように優しい口当たり。
カレーと卵とソースを合わせることで味わい豊かに、とんかつと相性抜群
ご飯にとんかつを一、二切れのせ、カレーをかけて。そこに卵を落として、ソースを少々加えるのが武澤さんオススメの食べ方。野菜の甘みとスパイスの香りに、卵のまろやかさとソースのコクがプラスされ、ぐっと奥深い味になります。
そして、「お代わりはいかがですか?」「お腹いっぱいになりました?」と声をかけてくれる心遣いが何とも嬉しい。
愛された割烹料理店の技術と心遣いは変わらず、受け継がれる
割烹料理店からとんかつ専門店へ。そう聞くと、異なる店に様変わりしたように感じるけれど、荒木町に構えた場所は変わらず、内装も以前のものをそのまま残しています。
また、かつての【車力門 ちゃわんぶ】を知る人は、強肴として登場していた牛カツを懐かしく思うかもしれません。今も、ときには米沢三元豚、ときには群馬坂東豚と、時期によってベストな素材を選び抜き、その持ち味を引き出す絶妙な火入れは武澤さんだからこそ。
脂多めの部位は脂が回らないように手早く、脂少なめの部位は余熱で火が入るように一拍置いてからカット
とはいえ、昼は【車力門 ちゃわんぶ】、夜は大門の【くろぎ】へと移り、多忙を極める武澤さん。その強力な右腕となるのが上野莉緒さんです。「これからの彼を追いかけてください」と武澤さんが太鼓判を押す、若き料理人。名店仕込みの技術を吸収すべく、営業時間外も厨房に立ち、鍛錬しています。
店主の武澤剛志さんとともに、厨房に立つ上野莉緒さん。
店先に暖簾がかかっていれば「やってるの?」と覗き込む人が後を絶たず、再開の情報を聞きつけて地方から問い合わせの電話が入ることもしばしばという【車力門 ちゃわんぶ】。その人気を支えた技ともてなしの心は変わることなく、さらに、若い世代に受け継がれていきます。
この記事を作った人
取材・文/首藤奈穂(フリーライター) 撮影/上田佳代子
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