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更新日:2019.09.09食トレンド

気鋭のパティシエの独自の世界に浸る|恵比寿【山─yama─(やま)】

フランス・パリで日本人シェフの店として注目を集め、ミシュラン一ツ星を獲得したレストラン【Sola(そら)】。その吉武広樹シェフの右腕として携わり、シェフパティシエを務めた勝俣孝一さんが、2019年7月8日、東京・恵比寿にデザートのコースが食べられるレストラン【山─yama─(やま)】をオープンしました。名店出身パティシエの、極上のスイーツを是非。

気鋭のパティシエの独自の世界に浸る|恵比寿【山─yama─(やま)】

パリの有名店出身のパティシエが作る、「お菓子屋の料理」

恵比寿駅近くのとあるビルの地下1階。看板もないその店の中に足を踏み入れると、天然大理石のカウンターに6席のみの小さな空間。そこで私たちを明るく迎えてくれるのが、この【山—yama—(やま)】のオーナーシェフ・勝俣孝一さんです。

    ブドウと穂紫蘇以外の材料はほとんど使っていない『ピオーネと穂紫蘇』

    ブドウと穂紫蘇以外の材料はほとんど使っていない『ピオーネと穂紫蘇』

勝俣さんはパリで人気を博した【Sola】でシェフパティシエを務めた後、日本で独立。自身の店は「平地とは違う、普通とは違う店でありたい」と、【山】と名付けました。テーマは「お菓子屋が作る料理」。食材の使い方や香りの使い方、技術など、料理人とは違ったアプローチで数々の料理を紡ぎ出していきます。

    シグニチャーデザート『バシュラングラッセ』は「バニラの概念が変わる」豊かな味わい

    シグニチャーデザート『バシュラングラッセ』は「バニラの概念が変わる」豊かな味わい

【山—yama—(やま)】では15時からデザートのみの「小さなおまかせコース」(4,500円)、19時から料理とデザートの「ディナーコース」(10,000円)を提供。納得できる食材だけを贅沢に使用し、余計なものを加えず、細やかな調理で奥深い味わいを引き出しています。

    最後のデザートは、ジュエリーボックスに入った贅沢な香りの『トリュフ』

    最後のデザートは、ジュエリーボックスに入った贅沢な香りの『トリュフ』

例えば『ピオーネと穂紫蘇』は、ブドウと穂紫蘇以外に使っているのは水とグラニュー糖とゼラチンのみ。その分、コンポートとゼリー、グラニテにして合わせるというように手間暇をかけて、ブドウの美しい味わいと色を表現しています。目の前で料理を仕上げながらそれぞれに込めた思いを語ってくれる勝俣さんの話に耳を傾けながらいただけば、より美味しく味わえるはず。

実家や友人の畑で採れたハーブも、この店の顔のひとつ

【山—yama—(やま)】では地元・山梨県の食材を積極的に使っていきたいという勝俣さん。特に、自身の実家の畑と友人が運営する「HERB STAND Presented By MY HERBS」で採れた新鮮なハーブたちは、この店にとってなくなはならない存在です。

    勝俣さんの地元で育てられた、力強く美しいハーブたち。珍しいものも多い

    勝俣さんの地元で育てられた、力強く美しいハーブたち。珍しいものも多い

料理やデザートに使われているのはもちろん、ぜひ味わいたいのが、ワイングラスで飲む「アンフュージョン」。たっぷりのハーブを15秒ほど蒸してさっと濾した、上質な香りの上澄みをいただくような至福の1杯です。その他、シャンパンやワイン、日本酒などのお酒も充実。食事の時間をより豊かに彩ってくれます。

    自慢のハーブを最高に贅沢に味わえる「アンフュージョン」。ワイングラスで

    自慢のハーブを最高に贅沢に味わえる「アンフュージョン」。ワイングラスで

    シャンパンは15種類ほど。特別な夜にはぜひ注文したい、こだわりの品揃え

    シャンパンは15種類ほど。特別な夜にはぜひ注文したい、こだわりの品揃え

料理だけでなく、ここだけの空間全体を楽しんでほしい

名店で磨いてきた高い技術で、上質な食材をシンプルに、華やかに味わわせてくれる【山】。そんな【山】ですが、楽しみたいのは料理だけではありません。

    お菓子屋さんのショーウインドウを覗いているかのような、ディナーコースのアミューズ

    お菓子屋さんのショーウインドウを覗いているかのような、ディナーコースのアミューズ

食器は勝俣さんが日本各地で惚れ込んだ窯元などにオーダーしたオリジナルのものやアンティーク。照明もここにしかない1点もので、おしぼりには香りのデザイナーにオーダーした特別な香りを忍ばせています。

    照明や食器、おしぼりの香りまで、心奪われるポイントがたくさん詰まった空間

    照明や食器、おしぼりの香りまで、心奪われるポイントがたくさん詰まった空間

「料理がおいしいのは当たり前なんです。料理はもちろん空間全体を楽しんでいただきたいですね」という勝俣さんのこだわりが詰まった空間は、特別なデートや女子会にもオススメ。他にはない素敵な体験が待っています。

    人との繋がりを大切に、故郷の食材や惚れ込んだ道具を大切に使う勝俣さん

    人との繋がりを大切に、故郷の食材や惚れ込んだ道具を大切に使う勝俣さん

勝俣 孝一シェフ

  • 1985年山梨県富士吉田市生まれ。エコール辻東京を卒業後、【名古屋マリオットアソシアホテル】を経て銀座【マルキーズ】のシェフに就任。続いて南青山【アンカシェット】(現在は閉店)でさらなる研鑽を積んだ後、渡仏。2015年12月よりパリにオープンした吉武広樹シェフの【Sola】のシェフパティシエを務める。オーストラリアでも研鑽を積み、帰国後独立。2019年7月恵比寿に【山—yama—(やま)】をオープン。

この記事を作った人

取材・文/河﨑 志乃、写真/佐藤顕子

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