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更新日:2020.07.12グルメラボ

”地球を味わう”レストラン体験【ANTCICADA(アントシカダ)】日本橋馬喰町

日本橋・馬喰町に6月オープンした【ANTCICADA(アントシカダ)】は、昆虫をいち食材として大切に扱い、未知の可能性を感じることができるレストラン。地球上の生き物を心から愛する冒険家たちによって、一つひとつ丁寧に作られるコオロギラーメンや昆虫食のフルコースを堪能できます。

アントシカダのロゴマーク

“地球にいる”ことを感じるレストランとは

    アントシカダの席

    落ち着いた雰囲気の店内。BGMには、育てているコオロギの鳴き声が聴こえてきます

馬喰町駅から徒歩5分、「ここか!」と「A」の文字を見つけ、木のドアノブの扉を開けると 【ANTCICADA】代表の篠原祐太さんが笑顔で迎え入れてくれました。ここは、リーダーの篠原さんを筆頭に、自然に対して情熱があるメンバーが集結し、まだ馴染みがない昆虫や木の実などを食材として魅力的なお料理でたのしませてくれるレストラン。毎週日曜日は『コオロギラーメン』、毎週金曜日と土曜日はディナーコースがいただけます。

  • アントシカダの店内オブジェ

    コオロギをイメージしてつくられたというドライフラワー

  • アントシカダの調味料発酵中

    店内の棚には料理に使用する発酵・熟成中のハチや木の実などが飾られている

シェフを務めるのは、表参道【L'Effervescence(レフェルヴェソンス)】やデンマークの【Relæ(リレ)】で経験を積んだ白鳥翔大さん。食材のルーツや個性をきちんと理解することを大切にし、それらを最大限に活かした料理を提供しています。食材は日本全国や海外にまで足を運んで選び抜いたり、農家さんから直接仕入れたりとかなりのこだわりよう。また、食材の廃棄がでないようにと、お酒につけてみたり調味料にしてみたりと試行錯誤し、あらゆる形で味わえるように工夫しています。「昆虫も野菜のように旬があるので、時期や環境にあわせてお料理は季節ごとに変えていこうと思ってます。」と白鳥さん。

終始わくわくするディナーコースの全貌

それでは、早速気になるディナーコースの一例をご紹介します。はじめにでてきたのは、コオロギスナックとコオロギビールのペアリング。今までコオロギを食べることを考えたことが無かった私は、どんな味がするのか全く想像もつかず、ドキドキしながらコオロギスナックを一口。

    コオロギビールとコオロギチップス

    コオロギラーメンを作る際に出るコオロギの出汁をとったスープをアレンジした『コオロギスナック』と、コーヒーのような深みの余韻が残る『コオロギビール』

『コオロギスナック』は、一度乾燥をさせて揚げていることで食感はとても軽く、噛めば噛むほど、海老やカニといった甲殻類のような旨味が出てきます。アクセントに、チポトレというメキシコの燻製唐辛子などが散りばめられています。香ばしさのある『コオロギビール』は意外にも飲みやすく、相性抜群のペアリング!

    ザザムシ料理

    甘じょっぱく煮たざざ虫と旬の野菜を使った一品。ミントの香りがさわやかに鼻を抜けます

    タガメジン

    旬のゴーヤを使った料理。ペアリングにはフルーティーな『タガメジン』

鮎のコンフィとゴーヤに、揚げたキヌアを纏わせた一品。ゴーヤの部分を持って一口で含むと「サクッ、プチッ、カリッ、ふわ」っと、いろいろな食感が弾けます。ゴーヤの苦味が残った状態でタガメジンを飲むと、ラフランスのようなフルーティーなタガメの香りが広がり驚愕。

    夏を感じさせる涼しげな一皿『お蚕さん』

    夏を感じさせる涼しげな一皿『お蚕さん』

次に出てきたのは『お蚕さん』という蚕のさなぎをメインにハーブなどを使用した、お花畑の中にいるような盛り付けがかわいらしいサラダ。蚕の濃厚な甘みと、ハーブの香りが口の中で絶妙にマッチします。蚕を実際に育てているというスタッフの豊永裕美さんが実際に成虫になった蚕をみせながら、その生態や味などを教えてくれます。食材とリアルに触れ合いながら食べられるものこの店ならではの体験。

    フェモラータオオモモブトハムシ

    まるで杏仁豆腐の味がする「フェモラータオオモモブトハムシ」を使った一品。ちゅるんとゼリーのような感覚で、一口でどうぞ

聴き馴染みのない「フェモラータオオモモブトハムシ」は、まるで杏仁!? プチっと弾けるような食感のあとすぐに、口いっぱいに杏仁のような香りと甘みが広がります。この大きさからは想像できないインパクトに驚きます。この虫は【ANTCICADA】スタッフで実際に捕獲し、茹でたあとに冷蔵庫に4日間ほど寝かせて甘さを引き出したそう。盛り付けられた木は、実際にこの幼虫がいたクズの茎。よく見ると幼虫が住んでいた穴を見つけられます。

  • コオロギタコス

    焼いたキウイやカツオが乗った『コオロギタコス』

  • 枝を持ってかぶりつく、『熟成鹿肉』

    枝を持ってかぶりつく、『熟成鹿肉』

10日間熟成された鹿肉は、簡単に噛みちぎれるほど柔らかく、自家製のイナゴ醤油を使ったソースの甘みと酸味が肉の旨味と混じり合います。枝を持ってお肉を一口噛みちぎったあと、香り高いモクレンのピクルスをかじり、フウトウカズラの粒を口の中で噛み砕くと、お肉の食感が楽しめつつも口の中にはピクルスの香りが残ります。

ペアリングには『夜の森』と名付けられた、ごぼうを漬け込んだウォッカベースのカクテルをおちょこでいただきます。ごぼうのしっとりと湿ったようなスモーキーさや、枝を持っていただく鹿肉は、夜の森の中で過ごしているような気持ちにさせる、まさに五感で楽しむワイルドな一皿です。

    コオロギラーメン

    『コオロギラーメン』は、上品な甘みを持った「ヨーロッパイエココオロギ」と、旨味の強い「フタホシコオロギ」の2種類のコオロギからトッピングが選べます

いよいよ〆の『コオロギラーメン』。スープを一口飲むとコオロギのコクに驚きます。コオロギを練り込んだ麺は細麺で喉越しが良く、後味までおいしい。ペアリングには「にいだしぜんしゅにごり」に50度まで熱したボウモアのウイスキーを入れたカクテルを。甘酒のようにトロッと甘みのあるこのお酒が、スープの輪郭をよりはっきりとさせてくれます。コース料理のラーメンは、重たすぎないよう、単品で提供するラーメンよりもややあっさりと仕上げているそう。

  • かき氷

    質の高いタガメを贅沢に使ったかき氷。下にはアボカドとレモン

  • 蚕の糞茶

    蚕が食べるクワの葉の違いで味に変化が出る『蚕の糞茶』

コースを食べ終わると、昆虫を食わず嫌いで拒んでいたけれど、圧巻のおいしさに驚き、食べ進めているうちに「なぜあんなに抵抗していたの?」と自問していました。昆虫、肉、野菜などを食材として選ぶところから、盛り付けの最後のひとつまで、大切にこだわり抜いているシェフたちの姿勢から、地球の恵みを再確認することができました。

コオロギビールやタガメジン。これからの【ANTCICADA】の可能性

    豊富な知識を持つ、勢いと期待に溢れる【ANTCICADA】チーム

    豊富な知識を持つ、勢いと期待に溢れる【ANTCICADA】チーム

馴染みのなかった生き物を身近に感じさせてくれる【ANTCICADA】は、私たちが生き物を食材と呼び、味わっていることの重要さを今一度教えてくれます。お店を出たあとは、素晴らしいひとときだったなと余韻にしばらく浸ってしまいました。そんな【ANTCICADA】は、まだまだ未知に溢れた地球を楽しませてくれるでしょう。これからの彼らの活動に注目せずにはいられません!
  

おうちで簡単!コオロギラーメンセット

  • スープ、チャーシュー、メンマ、コオロギ練り込み麺、コオロギトッピング、薬味がセットに。賞味期限は冷凍保存(-15℃以下)の場合、30日。2人前:2,200円~ ※甲殻類アレルギーの方はご遠慮ください。

この記事を作った人

yae

東京都生まれ。4年間NYで過ごしファストフードやインスタント食品ばかり食べて体調不良になったのがきっかけでオーガニックやベジタリアン、ビーガンの食に興味をもつ。東京に戻り3年目の今、ものの価値やあり方を見極められるよう、絵画や文を通して表現している。

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