ヒトサラマガジンとは RSS

更新日:2024.04.09食トレンド デート・会食

世界的スターシェフ、セルジオ・ハーマン氏が監修する“没入型ガストロノミー”がアジア初上陸|虎ノ門【ル・プリスティン レストラン 東京(Le Pristine Tokyo)】

2023年12月に開業した「ホテル虎ノ門ヒルズ」の1階に、【ル・プリスティン東京】が誕生しました。長年ミシュランの星に輝くシェフ、セルジオ・ハーマン氏が展開するレストランブランドで、ベルギーの本店に続く2号店となります。「食」「ファッション」「デザイン」「アート」「音楽」という5つのエレメントが渾然一体となった“没入型ガストロノミー”を楽しめることが大きな特徴。エグゼクティブシェフを務めるのは、セルジオ氏からの信任が厚いデニス・カイパース氏です。レストランの魅力をデニス氏のインタビューと共にお届けします。

lepristintokyo

互いに高め合う料理人
セルジオ・ハーマン氏とデニス・カイパース氏

    lepristintokyo

    【ル・プリスティン レストラン 東京】を監修する料理人で起業家のセルジオ・ハーマン氏(左)とエグゼクティブシェフを務めるデニス・カイパース氏(右)

監修を務めるのは、欧州を代表するスターシェフであるセルジオ・ハーマン氏。今回がアジアへの初進出となりますが、世界の美食に興味がある食通にとっては、非常に著名な料理人であり、起業家でもあります。オランダ南西部ゼーラント州の地方都市にある実家のレストラン【アウトスラウス】をミシュラン3つ星に輝かせ、「世界のベストレストラン50」に8年間ランクインする名店にまで押し上げた人物です。セルジオ氏が、2020年のオープン初年度にミシュラン1つ星を獲得したベルギー・アントワープで展開するレストラン【ル・プリスティン】の成功を受け、【ル・プリスティン レストラン 東京】開業の運びに。

    lepristintokyo

    幼い頃からシェフになることを夢見ていたというデニス氏

アジア初進出にあたり、セルジオ氏がエグゼクティブシェフとしてオファーしたのが、デニス・カイパース氏です。デニス氏はこう振り返ります。「セルジオ氏のオランダと私がいたアムステルダムは車で3時間ほどの距離。互いに存在は知っていましたが、共に働いたことはありませんでした。ちなみに同じ1970年生まれです。ある日、セルジオ氏から電話があり『新しいチャプターを開いてみないか?』と言われました。彼はレストランを多く経験し、私はホテルでの経験も豊富なので、ホテル内のレストランとしてオープンする【ル・プリスティン レストラン 東京】は、成功するだろうと確信しました。ちょうど(ミシュランの)2つ星レストランで働いていましたが、星以外にも興味を向けている時期でした。めったにないチャンスだと感じ、来日を決めました。デニス氏とは、仕事仲間である以上に、信頼関係で結ばれたよりかたい友情を感じています。現在、この東京で働いていることに大変誇りを持っています」。

アートワークを随所に散りばめた
デザイン性豊かな空間

    lepristintokyo

    ホテルのエントランスであり、中に入るとすぐにレストランとカフェが広がる

「ホテル虎ノ門ヒルズ」は、虎ノ門ヒルズ駅に直結する虎ノ門ヒルズ ステーションタワーに誕生しました。1階の路面に面するレストランとカフェが、ホテルを象徴する顔となっています。通りに面した「Le Pristine Tokyo」の看板が掲げられた大きなメインエントランスから入ると、ホテルロビーを中央に、右手にレストラン、左手にはカフェ【ル・プリスティン カフェ 東京】を構える面白い造りになっています。

    lepristintokyo

    ベルギーの【ル・プリスティン】でも飾られているミラーボールのアートワークが印象的

店内は、非日常の洗練されたデザインで統一されながらも、肩肘張らない居心地のいい雰囲気です。インテリアデザインは、今回が日本初進出となるデンマークの「スペース・コペンハーゲン」が担当。あの【noma】の設計を手掛けたデザイナーユニットです。店内には、オランダとベルギーのアーティストによる作品を随所に取り入れています。

    lepristintokyo

    カウンター席、テーブル席、プライベートルームから成るレストランエリアは86席

21世紀初頭における最も影響力のあるデザイナーのひとりと言われる、オランダ出身のマーティン・バース氏が手掛けたレセプションデスクや照明器具のほか、現代アートのリヌス・ヴァン・デ・ヴェルデ氏、ロットガンゼン氏らの作品が置かれ、【ル・プリスティン レストラン 東京】の世界観をつくり上げています。象徴的なオブジェのひとつがミラーボールです。存在感はありますが、落ち着きのない派手さではなく、デニス氏が好む自然の木漏れ日を彷彿するような上品な光を演出しています。

    lepristintokyo

    カウンター席に座れば、目の前で料理が完成する様子を楽しむことができます

レストランは、非常に広々とした贅沢な空間。ライブ感のあるオープンキッチンを中心に、ゆったりとくつろげるテーブル席、プライベートな時間を過ごすことができる個室を完備するので、多彩なシーンで重宝しそうです。

    lepristintokyo

    個室は6名がけの完全個室のほか、空間を仕切ることができる20名ほどの半個室も

デニス氏曰く「ゲストとの距離の近さが魅力です。キッチンがオープンなので、ゲストの様子や食事の進み具合なども見渡すことができます。また、ゲストからもキッチンをよく見ることができるので、調理する臨場感や音や香りもお楽しみいただけることでしょう。ゲストの方との会話も楽しんでいきたいと考えています」。

優美なビジュアルと
好奇心を掻き立てる味わいの数々

    lepristintokyo

    『牡丹海老のクルード クレームクリュ アボカド インペリアルキャビア』

料理は、セルジオ氏ゆかりの地であるオランダ南西部に位置するゼーラント地方と日本の厳選された食材を融合させ、ヨーロッパの伝統料理を現代風にアレンジ。「何を食べているのか分からないような難しい料理は好みません」とデニス氏が語る通り、優美なビジュアルでありながら、素材の持ち味を存分に感じられる仕立てになっています。『牡丹海老のクルード クレームクリュ アボカド インペリアルキャビア』は、ベルギー・アントワープの本店でも提供しているシグネチャーメニューです。日本の牡丹海老とキャビアを贅沢に用いて仕立てています。

    lepristintokyo

    『ヴァン・ジョーヌ カスタード ムール貝 雲丹 酢橘』

    lepristintokyo

    北海道産のフレッシュな雲丹をはじめ、厳選した日本食材を使用しています

ゼーラント地方は、豊かな土壌に恵まれ、オランダ最大の農業地帯でもあり、みずみずしい甲殻類の産地としても知られています。海水と淡水が混じり合う沿岸で獲れるウナギ、オイスター、ムール貝は、特にこだわりのある食材です。『ヴァン・ジョーヌ カスタード ムール貝 雲丹 酢橘』は、国産の上質なムール貝を使用し、セルジオ氏が父から受け継いだクラシックなムール貝のソースによって完成します。儚く繊細なく口当たりと奥深い味わいを楽しむことができます。

    lepristintokyo

    『鹿肉の炉端焼き風 松の葉の香り 菊芋 マルメロ 黒胡』

メインディッシュの肉料理には、北海道産の鹿肉を使用。大きな塊のまま火入れを行うことで、旨みを閉じ込めて柔らかな食感に。鹿の肉汁を使った黒胡椒のソース、菊芋とマルメロと共にいただきます。キンカンやカボチャといったその時期ならではの付け合わせが、季節の移ろいを感じさせてくれます。

    lepristintokyo

    細部まで緻密に盛り付けることで、目を惹く存在感ある一皿が完成します

テーブルウェアには、セルジオ氏が日本の侘び寂びにインスパイアされてデザインしたオリジナルコレクション「INKU(インク)」を採用。ベルギーの「SERAX (セラックス)」が製陶したもので、自然な風合いで華やかな料理を引き立てています。「リラックスしてお過ごしいただけるレストランですが、すべてハイクオリティなものをセレクトします」とデニス氏。

    lepristintokyo

    右は『ル プリスティン イタリアンサワー』、左は『ル プリスティン トリュフ ネグローニ』

料理に寄り添うドリンクにも【ル・プリスティン レストラン 東京】らしさを感じることができます。シグネチャーカクテル『ル プリスティン トリュフ ネグローニ』は、数種のヴェルモット、ジン、ビターズをブレンドし、イタリア産のブラックトリュフで香りづけしたエレガントな1杯。ノンアルコールでは、栄養価が高いスーパーフルーツのサジーを使用した『ル プリスティン イタリアンサワー』がおすすめです。

世界が注目するセルジオ氏が監修する料理を、東京に居ながらにして味わうことができるのは幸せな限り。「食」「ファッション」「デザイン」「アート」「音楽」によって完成する “没入型ガストロノミー”をぜひご体験ください。

この記事を作った人

撮影/三橋 優美子 取材・文/外川 ゆい

この記事に関連するエリア・タグ

編集部ピックアップ

週間ランキング(11/7~11/13)

エリアから探す