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更新日:2024.10.25食トレンド 連載

麻布台ヒルズ【SUMI】(ジャヌ東京)~ヒトサラ編集長の編集後記 第72回

話題の麻布台ヒルズにはたくさんの有名なレストランがありますが、なかでもあの「アマン」が、姉妹ブランドのホテル「ジャヌ東京」を世界に先駆けてオープンさせたニュースは多くの関心を寄せました。「ジャヌ東京」には8つのレストラン&バーがあり、ホテルのコンセプトと連動して、それぞれが個性的な飲食空間を形成しています。今回はホテル別棟3階の炭火焼きダイニング【SUMI】をご紹介します。

SUMI

【SUMI】は18時半からの一斉スタートということでしたので、少し早く行ってバーでアペリティフを取ることにします。バーの名前は【ジャヌ バー】。ホテルのレセプションからラウンジを進んだ奥にあり、待ち合わせにはちょうどいい空間です。

東京タワーの夕景を眺めることができる【ジャヌ バー】では東京の街をイメージしたシグネチャーカクテルなども用意されており、それをいただいてから【SUMI】へ向かいます。いったん外に出て別棟まで歩くのですが、その理由は後でわかるようになりました。

    SUMI

【SUMI】はカウンターがメインの炭火焼きダイニングで、コース仕立てになっているため一斉スタート。ディナーは18時半からと20時半からの1日2回です。

目の前で次々とテンポよく用意される臨場感を楽しみながらの食事です。料理長は国内で修業されてきた大塚久輝さん。「素材にはあまり手を加えず、本来の味をひき出すことをモットーとしながら、見た目の美しさや香り、食感など細やかな点にも気を配ります」と話します。

シャンパーニュをいただきながらコースの説明を受けます。これから焼いてきますと、藁と食材をみせてくれます。

黒豆茶をいただき、先付はとろ茄子を焼いたものにウニ、ミョウガ、岩もずくが和えられています。お酒のコースはワインや日本酒をペアリングしたものにしてもらいました。

そして枝豆のすり流し。ひろうすにショウガが乗せられています。

カウンターで煙が大きく上がりました。やはりこの煙を処理するダクトはホテルの中では難しいでしょう。別棟になっている理由がわかりました。

    SUMI

イカを塩で食べ、藁で炙ったマグロはワサビをたっぷり乗せていただきます。炭の香りがやはり魅力的です。お酒が進みます。ワインはミネラル感のあるル クロワ ド シャトーカルボニュー。

炭火であぶった鱧を梅肉ソースで。サラダの玉ねぎが甘くいいハーモニーです。

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凌ぎで焼きトウモロコシの釜炊きごはんが少し用意されます。遊穂の純米酒が合わされます。

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料理長が目の前でパルミジャーノ・レッジャーノをすって仕上げたのは、ズッキーニの芯をくりぬき鶏肉を詰めてつくね風にしたもので、これも香り高い一皿になっていました。

それともう一皿は、若鮎とイチジクです。炭で炙ったイチジクの上品な甘みが黄身酢に合います。お酒は大信州の以和為貴。

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さっきから目の前で焼かれていた伊勢海老が出てきました。鬼殻焼きですね。万願寺とともに海老味噌餡掛けでいただきます。

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メインの前に料理長が打った蕎麦を出してくれました。山形のだしが添えられています。昆布だしの水そばです。香りのしっかりした田舎そばでさっぱりして、さてメインの登場です。

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メインは鰻の蒲焼、黒毛和牛フィレの炭火焼です。ワインはナパのカベルネ・ソービニヨン、アナベラ。ワインと合わせて半分ほどいただき、残りをご飯でいただきます。明太子などの添え物も来たので、おかわりをしてしまいました。

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温かいお茶を選べるということで、煎茶や番茶の中からほうじ茶をいただきます。ほうじ茶は目の前で炒ってくれます。

そしてデザート。実山椒のアイス、マスカルポーネの最中、きなこのティラミス、ほうじ茶プリン。それぞれ少しずつを炒りたてのほうじ茶といただきました。


こんな都心のど真ん中の優雅な空間で、炭で焼いた料理をゆったりといただけるのはなかなか貴重な体験でした。入店した時はまだ明るさが残っていた外の景色もすっかり暗くなり、東京タワーがひときわ明るさを増しています。

外に出ると虫の音が聞こえ、少し肌寒さを感じます。もう秋ですね。

この記事を作った人

小西克博/ヒトサラ編集長

北極から南極まで世界100カ国を旅してきた編集者、紀行作家。

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